LED ZEPPELINに遅れること1年半、DEEP PURPLEの7ヶ月後に実現した英雄URIAH HEEPの初来日。そのハイライト公演を真空パックした極上3枚組が登場です。歴史的なハイライト公演が行われたのは「1973年3月16日:日本武道館」。伝説の夜を語り継いできたオーディエンスの名録音をDISC 1-2に、TV放送プロショット(新発掘の長尺カラー版!)をDISC 3に配した超・決定盤です。ZEP/PURPLEに続き、初来日で日本武道館のステージを踏んだ英国HRの雄。まずは、そんな当時のスケジュールから振り返ってみましょう。・3月16日:日本武道館 ←★本作★・3月17日:名古屋市公会堂 ・3月19日:名古屋市公会堂・3月20日:大阪厚生年金会館・3月21日:大阪厚生年金会館 【DISC 1-2:唯一無二の武道館公演を伝えるフル・ライヴアルバム】以上、全5公演。日本武道館は、そんな初来日のイの一番、初対面の初日コンサートでした。ちなみに「1973年3月」と言えば、かのYESも初来日を果たしていましたが、彼らの東京公演は“3月8日-10日”。YESの約一週間後にURIAH HEEPを初体験という、とんでもなく贅沢で濃厚な春でした。そして、本作はURIAH HEEP唯一無二となる武道館ライヴの最高峰セット。まず2枚組フルライヴアルバム(DISC 1-2)ですが、これは以前から武道館のベスト記録として知られているオーディエンス録音。実際、そのサウンドは武道館とは思えないほどにクリア。とにかく芯が力強く、ディテールもビビッド。レーザー光線のようにビシッと曇りのない演奏音とヴォーカルがシャープに届く。ヘッドフォンでわざわざ客録の証拠探しをすれば、バイロンの声やスネア/バスドラの鳴りに空間感覚もあるにはある。しかし、それさえも音色止まりであり、コーラスがいくら重なろうとまったくボケない。おおよそオーディンスらしからぬほど輪郭鋭い鮮やかサウンドなのです。さらに驚くのがオーディエンス・ノイズの少なさ。生々しい喝采も吸い込んではいるものの、骨太な演奏音に比べて不自然に感じるほど小さく、遠い。それこそ「ステージ上で録音した!?」と思うほどのバランスで、もし近代の録音だったらIEMsとカン違いしたかも知れない。もちろん、演奏は聞き間違えようのない70年代の薫り満点ですが、それほどまでにオーディエンス離れしたダイレクト・サウンドなのです。そんなド直球サウンドで描かれるのは、二つとないURIAH HEEPと日本の初対面のフルショウ。セットはおおよそ公式の伝統盤『URIAH HEEP LIVE』に準じますが、まったく同じでもないのでここで整理しておきましょう。・ファースト(1曲):Gypsy・対自核(4曲):July Morning(★)/Tears In My Eyes(★)/Look At Yourself(★)/Love Machine・悪魔と魔法使い(2曲):Traveller In Time(★)/Easy Livin' ・魔の饗宴(2曲):Sunrise(★)/Sweet Lorraine・その他:Rock 'n Roll Medley(★)※注:「★」印はDISC 3のTV放送プロショットでも観られる曲。 【DISC 3:伝説的なTVプロショットのカラー長尺版】そんなフル・ライヴアルバムだけでも文化遺産決定ですが、さらに貴重でダメ押しなのがDISC 3の映像編。彼らの日本武道館ライヴはTV放送されて定番プロショットともなってきたのですが、その最高峰を更新するマスターが新発掘されたのです。しかも、それは単に画質アップといった次元ではありません。この映像はこれまでカラーの短尺版(約22分)とモノクロの長尺版(約38分)の2種類が知られてきましたが、本作は2020年になって発見された「カラー&長尺」版。放送のフルの約38分間を色つきで観られるのです。発色やディテールの細やかさは従来の短尺カラー版の方が一枚上手という感じですが、全編カラーというド迫力の前には些細な差でしかありません。そして、その画面から吹き出す1973年の日本が吹き出す時代感。日本放送だけに冒頭に日本語ナレーションが入るのですが、これが圧倒的。原稿を読み上げるニュースキャスターのような口調で、若者文化の盛り上がりを伝える。ちょっと書き出してみましょう。「1973年3月13日、羽田に到着したユーライア・ヒープの一行は16日、東京の日本武道館での公演に臨んだ。ロックコンサート始まって以来という1万5000人(原典ママ)の記録的な大観衆を飲んだ武道館には、ユーライア・ヒープの登場を待ち望む若者の熱気と興奮が渦巻いていた。暴力的なまでのボリュームとハード・アクションで聴衆を打ちのめしたユーライア。その彼らの代表的なアルバム『対自核』の5万枚突破を記念して日本コロンビアよりユーライア・ヒープのメンバー、及びブロンズ・レコードに対してゴールド・ディスクも贈られた。Now your big excite music, URIAH HEEP!!」 日本武道館の最大キャパは1万4471人であり、ステージや機材の入るコンサートではもっと少なくなる。どう考えても1万5000人は難しいと思うのですが、言い切ってしまう。HEEPと言えば、ハードロックとプログレの中間を体現する幻想的ロックで知られてきたわけですが、そんな彼らを「暴力的なまでのボリュームとハード・アクション」と紹介する。まさしく、1973年ならでは。そして、当時の日本だからこそのナレーションなのです。URIAH HEEPの初来日は、招聘側の不手際によりモニターが壊滅的。そのため、本作でもコーラスの音程が聴き取れずに苦しむメンバーの姿が感じ取れ、DEEP PURPLEとは違って公式盤『URIAH HEEP LIVE』を超えるような名演は望めません。しかし、それもこれもがドキュメント。英雄URIAH HEEPにとって、ただ一度だけの日本武道館ライヴの真実なのです。 Live at Budokan, Tokyo, Japan 16th March 1973 TRULY PERFECT SOUND Disc 1(52:59) 1. Intro/Tuning 2. Sunrise 3. Sweet Lorraine 4. Traveller In Time 5. Easy Livin' 6. July Morning 7. Gypsy 8. Keyboard Solo 9. Gypsy (reprise) 10. Drum Solo Disc 2(44:04) 1. MC 2. Tears In My Eyes 3. Circle Of Hands 4. Look At Yourself 5. Love Machine 6. Rock 'n Roll Medley DVD(38:02) ★初のカラー・ヴァージョン!!!! 1. Intro 2. Look at yourself 3. Sunrise 4. Traveler In Time 5. Tears In My Eyes 6. July Morning 7. Rock & Roll Medley David Byron - Vocals Mick Box - Guitars Ken Hensley - Keyboards Gary Thain - Bass Lee Kerslake - Drums Colour NTSC Approx.38min.