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Bon Jovi ボン・ジョヴィ/Tokyo,Japan 6.6.1993

彼らの来日史でも最多公演を誇り、アレック・ジョン・サッチ最後の来日ともなった1993年のジャパン・ツアー。その現場を伝える世界初公開のオリジナル・マスターが登場です。そんな本作に記録されているのは「1993年6月6日:国立代々木競技場(昼の部)」公演。その絶品オーディエンス録音です。1984年の初来日以降、常に絶大な人気を誇ってきたBON JOVIですが、こと公演数に限っては1993年こそが絶頂。まずは、そのスケジュールを振り返ってショウのポジションを確かめてみましょう。×6月2日:日本武道館(延期)・6月3日+4日:日本武道館(2公演)・6月6日(昼の部):国立代々木競技場 ←★本作★ ・6月6日(夜の部):国立代々木競技場・6月7日:国立代々木競技場・6月9日+10日:大阪城ホール(2公演)・6月12日:広島サンプラザ・6月13日:名古屋国際会議場・6月16日:グリーンドーム前橋・6月17日:横浜文化体育館 以上、全11公演。国立代々木競技場では3連続公演であり、本作はその初演でした。すでに世界の大物となっていたBON JOVIが1日2公演の強行スケジュールとは珍しいですが、実はこのショウは振り替え公演。当初は“6月2日:日本武道館”でスケジュールが組まれていたものの、ジョンが長女ステファニーの出産に立ち会うために延期。その4日後の午後に差し込まれたわけです。これまでも“6月6日”とされるライヴアルバムは流通してきましたが、それらは「夜の部」の方。本作は、世界初公開となる「昼の部」のライヴアルバムなのです。そんなショウを伝えてくれる本作は、貴重度を吹っ飛ばすほどに絶品。何よりも素晴らしいのは、パワフルでダイレクト感たっぷりの芯。実のところ、国立代々木競技場はあまり録音向きの会場とは言えず、スネア等の鳴りに距離感が出やすく、スカスカになりがち。ところが、本作はその空気感を貫く芯が極太で、歪みもない艶やかさを誇りつつ、叩きつけるようなパワーで迫ってくる。しかも、単に力強いだけでなく超スペクタクル。実のところ、ホール鳴りもそれなりに拾っているのですが、それが距離感よりも芯をコーティングする厚みやダイナミズムになっており、その上でディテールまでクッキリしたジョンの歌声がレーザー光線のようにド真ん中を突っ切ってくる。聴きやすく、それでいて客録だけのダイナミズムもたっぷりという名録音なのです。それだけの銘品なのにも理由がある。実は、本作を手掛けたのは先日リリースされて大好評を博した『BUDOKAN 1987 FINAL NIGHT』と同じ録音家。他にもヒューイ・ルイスの『KORAKUEN STADIUM 1987 1ST NIGHT』やCHICAGOの『BUDOKAN 1993』もこの人物の作品ですし、さらに言えば本作と同じ国立代々木競技場でもHEARTの名盤『TOKYO 1988 2ND NIGHT』を残している。その匠の業が光るライヴアルバムなのです。そんなダイナミック・サウンドで描かれるのは、世界が初めて知る「昼の部」の現場。“KEEP THE FAITH TOUR”と言えば、公式映像『AN EVENING WITH BON JOVI』が象徴して君臨しておりますが、本作のセットはだいぶ異なる。ここでは比較しながら整理してみましょう。ワイルド・イン・ザ・ストリーツ(5曲)・Wild In the Streets(★)/You Give Love A Bad Name(★)/I'd Die For You(★☆)/Wanted Dead Or Alive/Livin' On A Prayer ニュージャージー(4曲)・Born To Be My Baby(★)/Lay Your Hands On Me/ Blood On Blood(★)/Bad Medicine キープ・ザ・フェイス(4曲)・I Believe(★)/Bed Of Roses(☆)/Keep The Faith/I'll Sleep When I'm Dead その他(3曲)・ブレイズ・オブ・グローリー:Blood Money(★☆)/Blaze Of Glory・カバー:Shout(★:THE ISLEY BROTHERS) ※注:「★」印は公式映像『KEEP THE FAITH: AN EVENING WITH BON JOVI』でも聴けなかった曲。また「☆」印は同日夜の部では演奏しなかった曲。……と、このようになっています。『AN EVENING WITH BON JOVI』と違うだけでなく、これまで知られてきた「夜の部」ともかなり異なるのです。そんな美味しいセットを全盛のバンド・ポテンシャルで紡いでくれるだけでも最高なのですが、さらにグロリアスな会場ムードも素晴らしい。とにかく国立代々木競技場にパンパンに詰まった観客の息吹が超スペクタクル。もちろん、本作は間近声に悩まされるような録音ではないのですが、遠く遠くの歓声の1粒1粒までクリアなために遠近感が凄い。大きな空間を右へ左へと蠢く熱狂の波が巨大で、数々のヒット曲を口ずさむ大合唱も広い。しかも、その一声一声がいかにも日本人らしく、日本以外のどこでもない空気感に現場の光景が鮮やかに浮かぶのです。もちろん日本を愛するBON JOVIだけに、そのムードはステージの熱演にも直結。隅々まで完璧な演奏ではないとしても、思い切りの良い勢いが素晴らしく、天翔るメロディの高揚感に肌が粟立つ。さらには演奏だけではなく、曲間まで歓喜ムード満点。「Wild In the Streets」後のMCでは「ドモアリガト」を連発しつつ、振り替え公演になってしまったことを謝罪。しかし、その声は愛娘誕生の喜びに充ち満ちており、照れくさそうなはにかみの報告も、その後の堂々たる歌い上げも、すべてから幸福感が滲み出すライヴアルバムなのです。人生の幸福を噛みしめるように伸びやかに、そして高らかに歌うジョン・ボン・ジョヴィ。その歌声がクッキリと伝わりつつ、極上オーディエンス録音ならではのスペクタクルとダイナミズムもたっぷりに楽しめるライヴアルバムの大傑作です。ここまで素晴らしいショウが、これまで知られてこなかったとは……。大きく深い感動に全身を揺さぶられる初公開の1本。初登場!!伝説の「武道館の振替公演」!!当時のチラシ文句「ジョン・ボン・ジョヴィの来日が遅れた為、6/2(水)武道館での公演は、急遽6/6(日)代々木オリンピックプール午後3時開演に振り替えさせて頂きます。」(!!!) Live at Yoyogi National Gymnasium, Tokyo, Japan 6th June 1993 PERFECT SOUND(from Original Masters) Disc 1 (55:19) 1. Introduction 2. I Believe 3. Wild In the Streets 4. You Give Love A Bad Name 5. Born To Be My Baby 6. Bed Of Roses 7. Keep The Faith 8. I'd Die For You 9. Blood Money 10. Blaze Of Glory 11. Lay Your Hands On Me Disc 2 (45:05) 1. I'll Sleep When I'm Dead 2. Blood On Blood 3. Bad Medicine 4. Shout 5. Guitar Solo / Wanted Dead Or Alive Introduction 6. Wanted Dead Or Alive 7. Livin' On A Prayer Jon Bon Jovi - Vocal, Guitar Richie Sambora - Guitar, Vocal David Bryan - Keyboards, Vocal Alec John Such - Bass, Vocal Tico Torres - Drums

Bon Jovi ボン・ジョヴィ/Tokyo,Japan 6.6.1993

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