栄華を極めた『1984』時代。その最高傑作にも数えられていた伝説の名録音がアップグレード・サウンドで!そんな本作に刻まれているのは「1984年5月20日サンディエゴ公演」。その絶品オーディエンス録音です。ロック史に燦然と輝く大名盤を生み出しておきながら、フル・サウンドボードが何ひとつ残されなかった『1984』時代。それだけに古くからマニア達がベストのオーディエンス録音を探し求め、幾多の新発掘やアップグレードを促してきました。本作は、そんな歴史の最先端。「2020年最後の回答」ともいうべきライヴアルバムなのです。これまでも『MONSTERS OF ROCK 1984』や『MONSTERS OF ROCK SWITZERLAND 1984』『STOCKHOLM 1984』といった名盤達をご紹介してきましたが、本作はそれらとは立つステージそのものが違うのです。その意味をご説明するためにも、まずは当時のスケジュールを振り返ってみましょう《1月9日『1984』発売》“1984 TOUR”・1月18日-2月23日:北米#1(25公演) ・3月7日-4月6日:北米#2(22公演)・4月14日-5月22日:北米#3(24公演)←★ココ★・6月2日-7月16日:北米#4(30公演)“MONSTERS OF ROCK TOUR 1984”・8月18日-9月7日:欧州(7公演) 【欧州では実現しなかった、北米だけのフルスケール・ショウ】これが1984年のVAN HALEN。大きく2つに分かれており、全米で実施されたバンド単体による“1984 TOUR”と、欧州のみのフェスツアー“MONSTERS OF ROCK TOUR”。本作のサンディエゴ公演は前者に一幕「北米#3」の22公演目にあたるコンサートでした。実は、ココが大きなポイント。前述したプレス名盤たちはいずれも「欧州」レッグ……つまり、“MONSTERS OF ROCK TOUR”の記録。それに対し、本作は本国公演だったわけです。なぜ、それが大きいかと言えば、長さ。“MONSTERS OF ROCK TOUR”は多数のバンドが出演するフェス形式な上に、ヘッドライナーはAC/DC。それに対して全米ツアーは堂々の主役であり、フルセットがたっぷりと楽しめるのです。実際、『MONSTERS OF ROCK 1984』や『MONSTERS OF ROCK SWITZERLAND 1984』がCD1枚物だったのに対し、本作は約109分の2枚組。その内容もチェックしてみましょう。 クラシックス・炎の導火線:On Fire/Runnin' With The Devil/Jamie's Cryin’(★)/You Really Got Me/Ain't Talkin' 'Bout Love(★)・暗黒の掟:Everybody Wants Some!!・戒厳令:Unchained・ダイヴァーダウン:Little Guitars/Cathedral(★)/(Oh) Pretty Woman 『1984』・Hot For Teacher/House Of Pain/I'll Wait/Girl Gone Bad(★)/1984/Jump/Panama ※注:「★」印は“MONSTERS OF ROCK TOUR”では演奏していない曲。……と、このようになっています。1984年の全米限定だった激レア「Girl Gone Bad」も美味しいのですが、それ以上なのがフルスケールだからこそのボリューム。何しろ、このツアーはVAN HALEN栄光の歴史でも絶頂の中の絶頂。それまでとは次元の違う成功に沸くムードは極めてグロリアスで、凄まじい熱狂を受けたバンドのテンションも異常な次元。舞い上がっても舞い上がっても、まだ大観衆が煽り立ててくる。そんな天井知らずなショウにたっっっぷりと浸りきれるのです。 【北米ツアーを代表する最高傑作】思わず遅くなってしまいましたが、そんな現場を伝えるサウンドこそが本作の命。実のところ、ツアーを代表する名録音として知られてきたのですが、本作は2つの意味でアップグレードした最高峰盤なのです。まず、第1にマスター鮮度。近年になって発掘された1stジェネ・マスターからデジタル化されており、その鮮度はまるで別物。歪みやヨレがまるで見られず、不安定だったステレオ感もビシッと安定。何より、クリアに透き通った空気感によって、従来マスターよりもポジションそのものが数十メートル近づいたかのようにさえ感じる。実のところ、開演時には「ちょっと距離がある?」とも感じるのですが、1曲目「Unchained」の間にどんどんダイレクトになるのです。そして、第2のポイントは本作独自の細心マスタリング。これがまた、ネット原音とは別物級にアップグレードしているのです。もちろん、無闇矢鱈な音圧稼ぎなどは行っておりません。各音域ごとに鳴りを精査し、それぞれに明度を上げた上でバランスも調整。その結果、薄かった低音がグイッとパワフルになっているのですが、それだけではないところがミソ。普通、低音が強くなると全体的に曇りがちになり、それを何とかしようと高音や打音を無理矢理引き上げがち。結果、耳に突き刺さるパッツンパッツン・サウンド……という失敗がよくある。しかし、本作は高音・中音・低音とそれぞれ精査していますので、低音のド迫力が曇りを引き起こさず、ナチュラルなままディテール微細部の輪郭まで艶やか&鮮やかなのです。天を突く全盛の熱狂と、フルセットのド迫力。先日ご紹介した『MONSTERS OF ROCK 1984』も歴史的なフェス現場が眩しかったですが、やはり本場アメリカはケタが違う。その突き抜けたフルショウを最高峰サウンドで描く歴史的大傑作です。他の録音がアップグレードしないとも限りませんが、2020年現在でサウンド/ボリュームの両面併せて頂点に輝く『1984』時代の最高傑作は本作。「1984年5月20日サンディエゴ公演」の極上オーディエンス録音。伝説的名録音の1stジェネ・カセットからデジタル化され、さらに細心マスタリングで磨き込まれたアップグレード盤。ネットの原音でもクリアでダイレクト感でしたが、本作では薄かった低音がグイッとパワフル。しかも、それが曇りを引き起こさず、ナチュラルなままディテール微細部の輪郭まで艶やか&鮮やかな究極サウンド。そして何より、母国アメリカだからこそのフルセットが素晴らしく、激レア「Girl Gone Bad」も極上サウンドで楽しめます。 Sports Arena, San Diego, California, USA 20th May 1984 TRULY PERFECT SOUND(UPGRADE) Disc 1 (60:33) 1. Intro 2. Unchained 3. Hot For Teacher 4. Drum Solo 5. On Fire 6. Runnin' With The Devil 7. Little Guitars 8. Cathedral 9. House of Pain 10. Bass Solo 11. Jamie's Cryin' 12. I'll Wait 13. Keyboard Solo 14. Everybody Wants Some Disc 2 (48:20) 1. Girl Gone Bad 2. 1984 3. Jump 4. Edward Van Halen Guitar Solo 5. (Oh) Pretty Woman 6. Panama 7. You Really Got Me 8. Ain't Talkin' 'Bout Love