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David Lindley & El Rayo - X デヴィッド・リンドレー/CA,USA 1989

2020年を象徴する一大事業となった伝説名手マイク・ミラードのマスター発掘プロジェクト。師走に入っても発掘の勢いは衰えるどころか一層加速し、まだまだ源泉は尽きそうにもありません。そんなプロジェクト最新作となるデヴィッド・リンドレー篇が登場です。そんな本作に記録されているのは「1989年8月13日ロサンゼルス公演」。その極上オーディエンス録音です。1989年のリンドレーと言えば来日公演が実現した事でも思い出深いですが、同時にバンド“EL RAYO-X”が解散した時期でもある。その状況を理解する意味でも、当時のスケジュールから振り返ってみましょう。・3月4日-4月15日:北米#1 ・4月24日-5月3日:日本(8公演)・5月21日-6月25日:北米#2・7月29日-9月9日:北米#3 ←★ココ★・11月15日-12月31日:北米#4《EL RAYO-X解散》 これが1989年のデヴィッド・リンドレー。当時のデータにはあやふやな点が多く、ちょっと公演数などの細部は断言しがたいところ。ただ、全体的な流れはご理解いただけるのではないでしょうか。“EL RAYO-X”との最終作『VERY GREASY』は1988年中にリリースされており、翌1989年はツアーのみ。春先の来日公演の後は全米ツアーに勤しんでおり、大晦日ライヴを最後に“EL RAYO-X”解散となりました。本作のロサンゼルス公演は、そんな全米ツアーの後半。ジャクソン・ブラウンのオープニングを務めた「北米#3」の一幕でした。そんなショウで記録された本作は、貴重なオーディエンス録音。そもそもリンドレーの録音自体が貴重なのですが、ミラード・コレクションとしても珍しい。実は、ミラードはあまり前座バンドを録音しない人。彼の作品は300以上とも言われているのですが、そのうちオープニング録音は20回弱しかないのです。それほど数少ない前座録音の中で、実はリンドレーは二度録音されている。ミラードがいかにリンドレーを気に入っていたのかが透けるエピソードです。さておき、そんな本作は超絶級に極上でありつつ、完璧とは行かなかった「惜しい!」ライヴアルバムでもあります。何が惜しいかと言えば、開演シーン。「Mercury Blues」の冒頭1分半がメチャクチャに乱れ、ほとんど音楽になっていないのです。この乱れ方はちょっと豪快で、まるでアヴァンギャルドなクラウトロックかノイズミュージックでも始まったのかと思うほど。1分半で通常のサウンドに戻るのでクラウトロックではない(当たり前ですね)のですが、それにしても録音史の象徴でもあるミラードらしからぬミス。弘法にも筆の誤りとは言いますが……。しかし、その乱れを過ぎると一気に大逆転! 今度はミラード・コレクションでも別格の超・超・…(中略)…極上サウンドに早変わりする。もう隅から隅まで完全オフィシャル級。距離感がないどころの話ではなく、鳴りにも空間感覚が皆無でオーディエンスっぽさゼロ。公式ライヴアルバム……いえ、スタジオ作品に手拍子をオーバーダブしたかのような超ド密着サウンド。2020年には無数のミラード作品をご紹介してきましたが、こと「オーディエンスらしくない」という意味では、本作がNo.1でしょう。そのサウンドで描かれるショウは、前座の短い持ち時間(約38分)に持ち味を濃縮したようなショウ。実のところ、わずか5曲なのでセット分析をするほどでもないのですが、その中でも『EL RAYO LIVE』と被るのは「Mercury Blues」「Talk To The Lawyer」のみ。ライトニン・ホプキンスの「Ain't It Crazy」や「Let The Good Times Roll」など、多彩なナンバーで愉しませてくれるのです。それにしても、返す返すも「Mercury Blues」冒頭の1分半が悔やまれる。その乱れさえなければ、ミラード・コレクションでもズバ抜けた超高音質アルバムになり得たのに……。逆に言えば、名手らしからぬミスがレアなドキュメントでもあり、欠点を差し置いてもご紹介せずにはいられないクオリティが衝撃的なライヴアルバム。良くも悪くも、他にはあり得ない超インパクトの1枚。「1989年8月13日ロサンゼルス公演」の極上オーディエンス録音。伝説名手マイク・ミラードによる銘品で、もう隅から隅まで完全オフィシャル級。距離感がないどころの話ではなく、鳴りにも空間感覚が皆無でオーディエンスっぽさゼロ。公式ライヴアルバム……いえ、スタジオ作品に手拍子をオーバーダブしたかのような超ド密着サウンドです。ただし、「Mercury Blues」の冒頭1分半にはミラードらしからぬ乱れも発生。名手らしからぬミスがレアなドキュメントでもあり、欠点を差し置いてもご紹介せずにはいられないクオリティが衝撃的なライヴアルバムです。 Universal Amphitheatre, Los Angeles, CA, USA 13th August 1989 ULTIMATE SOUND 1. Intro 2. Mercury Blues 3. Talk To The Lawyer 4. Ain't It Crazy (Lightnin' Hopkins cover) 5. Let The Good Times Roll 6. Hands Like A Man David Lindley - Vocals, Guitars Ray Woodbury - Guitars Ian MacLagan - Keyboards Jorge Calderon - Bass Rock Dedrick - Drums

David Lindley & El Rayo - X デヴィッド・リンドレー/CA,USA 1989

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1,630円 (税込)

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