プリンスのONAツアー中でも最も長く演奏されていたのではと思われる、02年4月のニューヨーク。サウンドチェック、メイン・ショウ、アフターショウ、豪華なゲスト参加、合計およそ6時間の珠玉演奏を徹底解剖!プリンス魅力がボリューミーに大全開!こちらはサウンドチェックが1CD、アフターショウが2CD、そして超貴重なアフターショウ映像のDVDのセットになります。まずサウンドチェック。初来日公演でタンバリンを席に置いていたが持って帰らなかった律儀な日本人の話をプリンスがしています。未発表ジャズのインストで始まり、プリンスが大らか且つソリッドなギター・ワークを魅せてくれます。そしてプリンスが歌うThe Rideはフリーキーながら本気度120パーセントの演奏。ブルースというよりジャズでメイシオらのホーンがフィチャーされています。Alphabet St.でプリンスもバンドもいよいよ完全本調子、繋がってThe Paybackのクール過ぎるファンク、そしてHorny Pony風のカッティングがフィチャーされますが、この展開はここでしか聴けない激レアなもの。そしてメイン・ショウではプレイされないCalhourn Squareはホーの掛け声がマイケル・ジャクソンのようだとギャグを言いながらの演奏。そしてレアなPower Fantasticは完成された演奏をバックにプリンスは流麗に歌っている美しいもの。そしてNPGミュージック・クラブのメンバーがステージに上がりギターを披露、バンドもそれに呼応して結構かっこいいジャムになります。続いてこの後も登場するExtraordinary、ここでもプリンスは真剣に歌いバンドも当然のきっちりプレイ。Joy In Repetitionはかなりラフな演奏ですが、この静かなバージョンも、この後の演奏と比較する意味では面白いと思います。そしてアフターショウ。この時の演奏はオフィシャルIt Ain't Overに収録されており、それだけ素晴らしいものだったことがわかるわけですが、それには音こそ良いですが、部分収録となってしまっています(また映像を観るとわかるのですが、It Ain't Overのジャケットで使われている写真はこの時のショウからのものです)。ここではその時観客が撮影したオーディエンス映像の最初の38分、そしてアフターショウの音源をコンプリートで収録しています。まず映像は冒頭から映されていますが、やはりカメラは最初安定していません。しかしやがて落ち着きます。アフターショウなのにこんなにプリンスにカメラを向けて怒られないの?というレベルにまでになります。ラリー・グラハムもいるとJoy In Repetitionを演奏しながらそう歌うプリンス。実際ベースはラリーです。後半ジョン・ブラックウェルとラリーの二人がノリまくっているのが映像で確認できます。プリンスはかわいい帽子をかぶっています。恍惚、というより体を動かさず淡々とハビビを弾いているのが印象的。プリンス達を捉えきれていない所は確かにありますが、アフターショウでこれだけアップに撮影しているのはやはり奇跡です。Talkin' Lound And Sayin' Nothingはバッキングが全くそれではないのに、プリンスがそのフレーズを歌い出すとメイシオらが入ってきて、JBマナーもありますが、プリンスらしさこそ際立つファンキージャムへと変貌します。プリンスがバンドを止めて、一人で面白いフレーズを弾き、そしてバンドをまた戻すと、ラリー達が反応して更にグルービーになっていきます。メイシオを呼び、メイシオだけ吹くままにして、プリンスがリフを弾き、絶妙なタイミングでジョンのドラムが入ってバンドが元通りになる、そんなプロフェッショナルな展開を映像でお楽しみください。タクミさんもプリンスのためにギターを色々用意していて、それもまたプロフェッショナルでさすが。プリンスは演奏しながらフレーズ、そして指でバンドに指示を出し、レナート、グレッグらにソロを用意してあげていて、カメラもそんな彼らを捉えてくれています。Pass The Peasではなぜかキャンディ・ダルファーを最初映しているのですが、実際プリンスがキャンディにソロを吹かせています。やがてグレッグ、そして御大メイシオもソロ。観客はブロウ・ヨーホ―ン、メイシオ!と煽り吹かれ続けている、その最中、カメラが一瞬乱れますが、ジョージ・クリントンがステージに入ってくるのが映されます。のそのそと熊のように体を揺さぶりながら即興のラップWe Do Thisを披露。It Ain't Overのチャントをジョージは繰り返し、観客もそれに応えます。プリンスのギターが炸裂。そして続いてダグ・E・フレッシュがステージに。彼もIt Ain't Overのフレーズを観客に唱えさせ盛り上げます。アフターショウの前半のみですが、潜入するのでさえ難しいのに、このようにかなり楽しめるレベルで撮影が行われていたのは奇跡と言えるでしょう。そして今度はPファンクのギターそしてボーカルのゲイリー・シャイダーが中心となった黒いDance To The Musicジャム、スライのMusic Loverのボーカルもゲイリーによって飛び出します。そこにプリンスのギター・カッティングが鋭く切り込んでAlphabet Stに。しかし実質バッキングはとても新鮮なファンク・グルーブ。更にGCSのThe Jamをオリジナルのラリーがボーカル、レナートをファンキーだと紹介、そして彼のフリーキーなフレーズが流れます。NPGホーンズは個々ではなくまとめて紹介、そしてブラザーのジョン・ブラックウェル、そしてギターは、僕のベイビー・ブラザーと言って名前は言わず、プリンスがギター爪弾きます。そしてベースはラリー・グラハム、そしてファズの効いたベースが轟きます。この辺りはIt Ain't Overには未収録です。そしてドラムがクエストラブ、歌がミュージック・ソウルチャイルドのスライのカバーIf You Want Me To Stay、そしてJust Friends (Sunny)をトータル12分完全収録、その後プリンスがボーカルとなるExtraordinaryは素晴らしいジャジーなイントロから歌われ、キャンディのサックスをフィチャー、レナートのスリリングなピアノ、確かにプリンスしか歌えない歌ですが、バックもこのメンバーでこそ栄えるものとなっています。そして01年で一番売れたR&Bのアルバムをリリースしデビューしたアリシア・キーズがなんとステージに。777-9311のバッキングで彼女がプリンスのIt風の歌をスキャットし凄いファンクネスを捻出します。並々ならぬ才能だとこの瞬間鳥肌が立つことでしょう。そしてアリシアがアルバムでカバーしヒットさせたプリンスの曲のカバーHow Come U Don't Call Me Anymoreを彼女がスキャット気味に歌います。ピアノはきっとプリンスでしょう。フルートも入りこれはメイシオ。プリンス公認、バックがプリンス、アリシアにとっては大変贅沢なバージョンと言えるでしょう。そして面白いピアノ・フレーズからスリリングに開始されるThe Ballad Of Dorothy Parkerのジャズ・バージョンは、メイシオのフルート・ソロがあり、後半から雰囲気が異なるもの。このような微妙なマイナー・チェンジがあるのはアフターショウらしいです。そしてダグ・E・フレッシュのラップとジョンの暴れ太鼓が導きつつ壮絶なPeachへ。凄い、これで終了か、と聴いている側さえ疲れてしまいますが、暫く中断されてから再開。渾身のThe Everlasting Nowは、サウンドチェック、そしてメイン・ショウでもプレイされておらず、これぞ長い一日の最後を飾る素晴らしい演奏となっています。凄いテンションで始まり、皆が一丸となってなかなか終わらない、正に永遠に続く10分の珠玉バージョンです。 CD 1 One Nite Alone Tour Soundcheck - Avery Fisher Hall, New York : 9th April 2002 1.Speech 2.Instrumental Jam 3.The Ride (including Telemarketers Blues) 4.Alphabet St. 5.The Payback (including 4 The Tears In Your Eyes) 6.Calhoun Square 7.Power Fantastic 8.Speech 9.NPG Music Club Member Guitar Jam 10.Extraordinary 11.Housequake (intro) 12.Joy In Repetition CD 2 One Nite Alone Tour Aftershow - The World, New York : 10th April 2002 (am) 1.Speech 2.Joy In Repetition 3.Talkin' Loud And Sayin' Nothing 4.Pass The Peas 5.We Do This - George Clinton Jam 6.La Di Da Di 7.Dance To The Music 8. Alphabet St. 9.The Jam 10.If You Want Me To Stay CD 3 1.Just Friends 2.Extraordinary 3.777-9311 4.How Come U Don't Call Me Anymore 5.The Ballad Of Dorothy Parker 6.Peach (intro) - The Sexiest Zodiac Sign 7.Peach 8.The Everlasting Now DVD One Nite Alone Tour Aftershow - The World, New York : 10th April 2002 (am) Joy In Repetition - Talkin' Lound And Sayin' Nothing - Pass The Peas - We Do This - La-Di-Da-Di