パトリック・モラツを迎えての「Relayer」ツアーは、1974年11月-12月の第一次北米、1975年4月?5月の欧州、そして同年6月?7月にかけての第二次北米と、8月のレディング出演を入れれば90公演のライブが行われました。本盤は北米ツアー末期、あと4回で終了の、フィラデルフィアはスペクトラム公演2日目の、7月22日のライブを高音質オーディエンス録音で完全収録しています。音の鮮度・安定度は素晴らしく、おそらくPAからの出音がどんどん良くなっていったせいでしょうか、冒頭、ややダンゴ気味に聴こえる音像も、To Be Over、Gates Of Delirium辺りになると驚異的なまでの優れたサウンドに変貌しています。演奏中は観客の声が一切聴こえない位にオンなサウンドで収録されており、全体の効き応えは相当なモノがあります。音像や一つ一つの楽音は劣化することなくしっかりと捉えられており、オープニングのSound Chaserのシンセの高音域もクリアーに捉えられています。全体を包み込むようなマイルドな音質で録音されていますが、楽器陣のソロプレイなど音数が少ない時は、驚くほどに存在感のある音像が飛び出してきます。音のパンチも十分にあり、ベースラインもしっかりと聴き取れる程の高音質なサウンドですので、聴いていて食い足りなさはありません。この時期ならではの攻撃性を多分に感じさせるClose To The Edge前半部の全ギターとドラムを中心とした迫力満点の演奏はまさに圧巻です。16分台のモラツのオリジナルなオルガンソロは聴き所のひとつ。一つ一つの音がクリアーなサウンドで収録されたTo Be Overはパンチの効いた歯切れのよい音の響きが素晴らしく、パーカッシブな盛り上がりは素晴らしいものがあります。モラツの存在感抜群のシンセも圧巻。オーディエンス録音で、ここまで魅力的なサウンドで収録されたGates Of Deliriumはあまり聴いたこと無いほどで全てが圧巻、まさに完璧です。イコライズで持ちあげたわけではないのに、異様なほどにスケールの大きな安定感抜群の、まさに壁のような音像はコレクターには衝撃でしょう。カットポイントも一切ありません。Your Move?Mood For A Day?Long Distance Runaround(アコースティック)?Moraz Solo(ピアノソロ)?The Clapとメドレー演奏されるソロタイムはこれまた非常にクリアーに収録されており、それぞれをじっくりと聴き入ることができます。ラストは26分に及ぶ超大曲Ritualで、この太く肉厚的な音で聴ける同曲は終始圧巻で、最後まで緊張感が全く途切れることのない抜群のパフォーマンスを最高音質で体感できます。アンコールはパーカッシブなイントロがかっこいいRoundaboutとこのラインアップでは演奏回数の少なかったStarship Trooperで、鉄壁な演奏の前者と対照的なやや粗めの演奏が面白い後者の演奏は面白く聴けます。曲後半のモラツのシンセソロもリックとは違ったアプローチのアドリブシンセソロも聴き所。抜群の安定感と音の良さで楽しめる2時間12分の壮大なドラマ。全編に渡って驚くほど高品質なサウンドでたっぷりと楽しめる、聴き終えた後、満足感でいっぱいになれること間違いなしの大推薦タイトルが登場です。間違いなく一格上の、マニア注目の大推薦1975年ツアータイトルです。Live at Spectrum, Philadelphia, PA. USA 22nd July 1975 TRULY AMAZING SOUND Disc 1 1. Firebird Suite 2. Sound Chaser 3. Close To The Edge 4. To Be Over 5. Gates Of Delirium Disc 2 1. Your Move 2. Mood For A Day 3. Long Distance Runaround 4. Moraz Solo 5. The Clap 6. Ritual 7. Roundabout 8. Starship Trooper Jon Anderson - Vocals Steve Howe - Guitars Chris Squire - Bass Patrick Moraz - Keyboards Alan White - Drums