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Oasis オアシス/France 2000

今月のオアシスは音源と映像の二本立てという今までにないパターンでリリースが実現します!こと音源に関しては意外な時代選択から世界中のマニアが驚かされるのではないでしょうか。2000年のアルバム「STANDING ON THE SHOULDER OF GIANTS」はワールド・ツアーのスタートが日本、その後ツアーはヨーロッパを経てアメリカを回りましたが再びヨーロッパに戻った5月に事件が勃発。ドラマー、アラン・ホワイトの怪我によってライブが中止となった夜にバンドで飲みに出かけたところ、酔ったリアムの家族に関する失言(こういうところが家族とバンドを組む弊害ですね)から兄弟喧嘩へと発展、怒ったノエルがツアーを投げ出すという、彼らの歴史で繰り返されてきたトラブルがこのツアーでも再燃。既に1996年にも兄弟喧嘩でアメリカ・ツアーが中断、同国でのブレイクのタイミングが遅れる事態を経験していただけに、再び兄弟喧嘩でツアーを終わらせる訳にはいかない。そこで残りのメンバーによる苦肉の策でツアーが再開されることになったのです。それは何とノエル抜きでツアーを続行することでツアー契約を消化するというもの。言うまでもないことですが、ツアーをキャンセルするということは当然ビジネスの損害が発生する。となれば、ノエルがいなくともバンドが解散していない以上、ツアーを続けるしかない(この辺りがツアー終盤の兄弟喧嘩から解散に至った2009年と違うところ)。この窮地を乗り越えるべく、ノエルのギタリスト代理として白羽の矢が立ったのがマット・デイトン。1990年代後半にマザー・アースというバンドを率いており、ポール・ウェラーのバンドのギタリストも務めていた人物。今振り返ってみても的確な人選だったと痛感させられます。その時代にはロング・ヘアーと髭のワイルドなルックスだったのですが、オアシスにノエルの代理として参加した際は髪が短くて髭はそり落とし、まるで別人のよう。おかげで「オアシスに入るために髪を切った」と誤解されたのですが、近年になって本人が明かしたところによると、たまたまオアシスから連絡が来る二日前にさっぱりしたルックスにしていたというタイミングの良さだったとは。そんな波長の合いっぷりはルックスだけにとどまらず、マットがバンドに合流するやいなや打ち解け、メンバーが親身になってレパートリーやパート割を教えてくれたそうです。こうして仕切り直しで行われたツアーは5月末から再開されたのですが、もう一つラッキーだったことに、この時期は夏のフェス回りが多くて一回のステージの演奏時間が短かったのです。となればマットの負担が軽減される訳で、この辺りが代理ギタリストを入れてツアーが続行できた要因でもある。ただでさえ「STANDING ON THE SHOULDER OF GIANTS」期のライブ音源は現在見過ごされがちなのですが、それがノエル離脱期になると今や手に入るアイテムがない現状。。毎回音源を提供して頂いているイギリスのオアシス研究家から「そうした状況に一石を投じたい」と送られてきたのは、この貴重な時期である6月19日のマルセイユ公演を捉えた何とステレオ・サウンドボード録音。トレーダー間にも音源は出回っていたのですが、それは「Who Feels Love」から「Stand By Me」までという不完全なもの。ところが今回は本邦初公開となるオープニング「Go Let It Out」からフィナーレ「Rock 'n' Roll Star」まで、全曲を収録した衝撃のバージョン。ラスト「Rock 'n' Roll Star」のエンディングでフェイドアウトするので完全収録には一歩及ばなかったのですが、そもそもこの日はオーディエンス録音すら発掘されていなかっただけに、これぞ驚きの音源。さらに大きな衝撃を与えてくれるのは最高音質のステレオ・サウンドボード録音であるということ。PAアウトのサウンドボード録音なので臨場感は希薄なのですが、例えばZEP70年代のステージを捉えた同様の音源などと比べるとテクノロジーの進化からステレオ感やクリアネスが大幅に向上しており、迫力たっぷりで最高にクリアーなサウンドボード録音として初心者からマニアまで楽しめるレベル。皮肉なことに音質最高リアル・ステレオ・サウンドボード録音のメリットが最大限に活かされるのもノエル不在なこの時期ならでは。というのも彼のパートをゲムが弾き、普段ゲムが弾いていたリズム中心のパートを代わりにマットが弾くというレアなフォーメーションが極めて明瞭に、しかもステレオで楽しめるからです。そもそもマットを呼び寄せて一週間足らずでゲムがノエルのパートにコンバートしてみせた器用さだけでも驚きを禁じえません。この短命なコンビネーションの妙を味わうのに、これほど打ってつけな音源はないのでは。もちろんリアムの声も前面に押し出される録音状態ですので、ライブ前半「Who Feels Love?」や「Shakermaker」といった曲では彼の喉のエンジンがかかり切っていない感が伺えますが、「Roll With It」辺りから快調に。それに「Stand By Me」や「Cigarettes & Alcohol」などを聞くとまだリアムの声質そのものが若く、なおかつメロディを吐き捨てずしっかり歌い切れる若さも兼ね備えていたことを思い知らされます。またノエルのパートを観客に歌わせることで乗り切ったこの時期の「Acquiesce」もこの時期だけのパターン。そして「Who Feels Love」に「Gas Panic!」といった「STANDING ON THE SHOULDER OF GIANTS」ならではのサイケなサウンドのデコレーションが左右を飛び交くリアル・ステレオ・サウンドは圧巻!急場しのぎでありながら「毎回のステージは大成功だった」、さらに「最後はノエルも戻ってきて皆でピーター・グリーンのライブを見に行った」という心温まるエピソードなど、代打を務めあげたマット本人をして圧倒的にいい思い出だというノエル不在期ステージから衝撃の初登場ステレオ・サウンドボード・アルバム。この時期しか聞けないレアなステージを完璧な音質でお楽しみください。Le Dome de Marseille. Marseille, France 19th June 2000 STEREO SBD(74:56) 1. Intro. 2. Go Let It Out 3. Who Feels Love? 4. Supersonic 5. Shakermaker 6. Acquiesce 7. Gas Panic! 8. Roll With It 9. Stand by Me 10. Wonderwall 11. Cigarettes & Alcohol / Whole Lotta Love 12. Live Forever 13. Champagne Supernova 14. Rock 'n' Roll Star Liam Gallagher - vocals, tambourine Matt Deighton - guitar Gem Archer - guitar Andy Bell - bass Alan White - drums STEREO SOUNDBOARD RECORDING

Oasis オアシス/France 2000

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