ニール・ヤング1971年のソロ・ツアーは数か月前にオフィシャル「YOUNG SHAKESPEARE」がリリースされたのも記憶に新しいところですが、まるでそれに対抗するかの如くアンダーグラウンド界から新たに発掘されたのが1月16日のシカゴ、アーリー・ショー。都合二回行われた1971年シカゴでのショーはレイトの回で従来からオーディエンス録音が不完全ながらも存在していましたが、アーリー・ショーに関しては50年もの間トレーダですら一切の音源が存在しないベールに包まれたステージでした。ところがツアーから50年を迎えたことを祝すかの如くネット上に現れたのが今回の音源。これぞビンテージ・オーディエンスと呼ばずにはいられない、いい意味で古めかしい録音状態。何しろ50年もの間眠っていた音源ですので序盤からヒスノイズが乗っている。ショーが進むにつれてそれが増大してしまうのもビンテージ丸出しの状態かと。とはいえ演奏やニールの歌声はなかなかのバランスで捉えられており、何より鮮度が意外なほどイイ。50年間も秘匿されていたオーディエンス録音としては上々な状態ではないでしょうか。おまけに当日演奏された全曲が収録されているというのがエライ。唯一、ライブ後半で演奏された「See The Sky About To Rain」にカットが生じていますが、それとて微々たるもの。もちろん演奏内容は悪いはずがない1971年のソロ・ツアー。なおかつツアー序盤ですので、稀代の名曲「Heart Of Gold」がこの時点ではピアノ・バラードとして「A Man Needs A Maid」とメドレーで演奏されているのがこの時期ならでは。それどころか次の「Love In Mind」とも微妙にメドレーするような形で演奏されている展開がとても変わっていて面白い。おまけに当時未発表曲だった「Bad Fog Of Loneliness」が演奏されているのもまたツアー前半ならではというもの。絶頂期のツアーだけに、今やマッセイ・ホールに先の「YOUNG SHAKESPEARE」とオフィシャルでもアイテムが充実してきた時期ではありますが、それらとはまた違った雰囲気でニールが歌い上げたシカゴでの貴重すぎるドキュメント。そして何よりニールの歌声がこの時期は非常に繊細で美しく、シンプルな弾き語りで彼の声がオーディトリアムに響き渡る様子が実に感動的。何しろ1971年のコンサートを捉えたビンテージ・オーディエンスだけにピッチが微妙に狂っていたのですが、そこはもちろん丁寧にアジャスト。 Auditorium Theatre, Chicago, IL, USA 16th January 1971(Early Show) (60:48) 01. On The Way Home 02. Tell Me Why 03. Old Man 04. Journey Through The Past 05. Cowgirl In The Sand 06. A Man Needs A Maid / Heart Of Gold 07. Love In Mind 08. Don't Let It Bring You Down 09. Sugar Mountain 10. Bad Fog Of Loneliness 11. The Needle And The Damage Done 12. Ohio 13. See The Sky About To Rain 14. Dance, Dance, Dance