かつてNWOBHM四天王にも数えられ、英国ロック人脈の交差点でもあった名バンドWILD HORSES。その伝説の来日公演を極上体験できるオリジナル録音が奇跡の新発掘。そんな本作に刻まれているのは「1980年10月28日:渋谷公会堂公演」。その極上オーディエンス録音です。WILD HORSESの初来日と言えば、当店でもミラクルマン録音の名作『HEAVY RIDE』が定番として君臨しておりますが、本作はまったくの別公演。まずは、当時のスケジュールを振り返り、互いのポジションを確認してみましょう。・10月28日:渋谷公会堂 ←★本作★・10月29日:中野サンプラザ ←※HEAVY RIDE・10月31日:愛知県勤労会館 ・11月1日:万国博ホール ←※公式シングル 以上、全4公演。『HEAVY RIDE』も東京公演でしたが、本作の渋谷公会堂公演はその前日。日本とWILD HORSESが初対面を果たしたイの一番の初日でした。そんな現場で記録された本作は本邦初公開となるオリジナル・マスターで、実に端正でリッチな極上品。『HEAVY RIDE』の輪郭まで鋭いシャープ・サウンドは今もなお強力ではありますが、本作はさらにダイナミック。現場PAが吐き出す出音をホール鳴りがイイ感じにコーディングし、ぶ厚くグイグイと押してくる力強さがあるのです。もちろん、鳴りによってボケボケ・ボワボワになっては元も子もありませんが、本作にその心配はなし。鳴りのド真ん中を貫く芯がぶっとく真っ直ぐで、それに伴うディテールも鳴りの厚みを物ともしない。80年代オーディエンスの弱点になりがちな重低音も艶やかで美しく、中音域も手応えたっぷりなのです。このニュアンスをサウンドボード的に喩えるなら『HEAVY RIDE』は芯丸出しの「IEMsタイプ」で、本作はミックスやエフェクト処理でトリートメントされた「FM放送タイプ」といった感じでしょうか。しかも、その装飾感が意図的なものではなく、一発録りのオーディエンスらしいナチュラル感とリアリティに満ちている。芳醇で気品溢れる名録音なのです。それだけの録音になったのにも理由がある。タイトルの「DEFINITIVE MASTER」でピンと来ている方もいらっしゃると思いますが、本作を手掛けたのは今話題の録音家。HR/HM系で言いますと、WHITESNAKEの初来日やグラハム・ボネット時代RAINBOW、1985年DEEP PURPLEなどでコレクターを震撼させたあの名手のコレクションなのです。そんなリッチ・サウンドで描かれるのは、貴重なWILD HORSESでも唯一無二の初日。当然の事ながら『HEAVY RIDE』に酷似しつつ、まったく同じでもありませんので、ここで比較しながら整理してみましょう。WILD HORSES(8曲)・Dealer/Blackmail/No Strings Attached/Criminal Tendencies/Flyaway/Street Girl/ Face Down/Reservation その他(8曲)・STAND YOUR GROUND:New York City/I'll Give You Love・シングルB面:The Kid/The Rapist/Saturday Night・その他:The Stash/Going Down/Rock Me Baby(★)※注:「★」印は『HEAVY RIDE』で聴けない名曲。……と、このようになっています。リリース間もないデビュー作から「Nights on the Town」「Woman」以外の全曲が大盤振る舞いされ、そこにシングルB面曲や2ndアルバム『STAND YOUR GROUND』のナンバーが散りばめられている。正直なところ、当時はRAINBOWやTHIN LIZZYの名曲を期待した層に応えることなく、徹底的にWILD HORSESカラーを打ち出していくのですが、バンドも観客も戸惑いを含みつつショウはじわじわと熱くなっていくのです。何しろ、開演からして2日目の『HEAVY RIDE』をは大違い。あちらではいきなりの機材トラブルで「ダメだこりゃ」「シラケ鳥ー!」と言った声も飛びましたが、初日の本作はビシッとスタート。「Blackmail」前の日本語MC「コンバンワ東京! 私タチハ少シシカ日本語ガアリマセン!」も(ちょっと妙ながら)2日目より決まっているのです。そして、改めて気づかされるのは曲の良さと、THIN LIZZY譲りのツインの旨み。ブライアン・ロバートソンと新加入のジョン・ロックトンによるハーモニーは、スコット・ゴーハムにも負けない美しさ。そこにジミー・ベインのキャッチーなメロディ・センスが相まった名曲群は、UFOばりの古き良き英国ロックの旨みをこれでもか発散してくれるのです。NWOBHM四天王の一角とまで呼ばれつつ、大成することのなかったスーパー・バンドWILD HORSES。しかし、その現場には美しいハーモニーと、有名になり損ねた隠れ名曲が溢れ返っていました。そんなフルショウが日本で実現したのは、奇跡でもあったのです。本作は、その現場に極上サウンドで立ち会える新発掘ライヴアルバムなのです。米国でも日本でもあり得ない「英国ロック」だけの薫り。伝説の初来日の初日「1980年10月28日:渋谷公会堂公演」を伝える極上オーディエンス録音。最近話題の達人テーパーによる本邦初公開のオリジナル・マスターで、実に端正でリッチな極上品。力強い芯だけでなく、それをイイ感じにコーディングする鳴りが瑞々しく、クリアでありつつぶ厚くダイナミックな名録音です。「NWOBHM四天王」に数えられたデビュー作をメインに、貴重なシングル曲や当店の名作『HEAVY RIDE』でも聴けないカバー「Rock Me Baby」など、伝説の現場を極上体験できる新発掘ライヴアルバムです。Live at Shibuya Kokaido, Tokyo, Japan 28th October 1980 TRULY PERFECT SOUND(from Original Masters) (76:32) 1. Intro. 2. Dealer 3. Blackmail 4. No Strings Attached 5. Criminal Tendencies 6. The Stash 7. Flyaway 8. Street Girl 9. Face Down 10. New York City 11. Reservation 12. The Kid 13. The Rapist 14. Going Down 15. I'll Give You Love 16. Saturday Night 17. Rock Me Baby Jimmy Bain - Bass, Vocals Brian Robertson - Guitar, Vocal John Lockton - Guitar Clive Edwards - Drums