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Tedeschi Trucks テデスキ・トラックス/NJ,USA 2021

大名盤『いとしのレイラ』を現代に甦らせた『LAYLA REVISITED (LIVE AT LOCKN’)』が衝撃を振りまいているTEDESCHI TRUCKS。その最新ツアー“FIRESIDE LIVE”を伝える超絶級ライヴアルバムが登場です。そんな本作に吹き込まれているのは「2021年7月18日エルマー公演」。その極上オーディエンス録音……です、たぶん。いや、実際には客録のハズです。録音者自身が公開したマスターですし、名機「Schoeps mk41v」を使用と明記もされている。しかし、流れ出てきたサウンドは「コレのどこがオーディエンス?」と頭の中が「?」でいっぱいになるのです。いつも芯の太さとか密着感、ディテールの細かさ、音色など、さまざまなポイントで音質をお伝えしようとしてきましたが、本作はそのすべてがサウンドボードにしか聞こえない。それもそんじょそこらの流出マスターや放送エアチェックとは次元が違う。本稿に目を留められた方なら、恐らくは『LAYLA REVISITED』も体験されていると思いますが、あの最新オフィシャル作品と並べて再生しても聴き劣りしない……と言いますか、どっちを再生しているのか分からなくなるのです。極々希にある「オフィシャル超えオーディエンス」というのも、その実は比較対象となる公式作品がダメ盤だったりすることが多い。しかし、『LAYLA REVISITED』はそうではない。「先人の歴史的名盤の名を汚してはいけない」とでも言わんばかりのサウンド・クオリティは、現代オフィシャル基準でも特上でした。そんな「現代の大名盤」に匹敵するオーディエンス録音……こんな事が現実にあり得るのでしょうか。実際にヘッドフォンで耳を澄ましながら駄文を綴っているこの瞬間も、現実感が湧いてこないのです。あまりに異様なサウンドゆえに「実は昔のサウンドボードだったりして」なんてゲスの勘ぐりが頭をよぎるものの、肝心要となる最新ショウの内容が力いっぱい否定してくる。現在の彼らは新型コロナ禍から立ち直りつつあるシーンを先取りするように、精力的なツアー活動を開始したばかりでもあります。その近況を実感する意味でもスケジュールからショウのポジションを確かめてみましょう。2021年・2月18日ー3月25日:北米#1(6公演)・6月11日ー7月14日:北米#2a(22公演)《7月16日『LAYLA REVISITED (LIVE AT LOCKN’)』発売》・7月16日ー8月29日:北米#2b(21公演)←★ココ★・9月17日ー10月22日:北米#3(10公演) ・11月10日ー20日:北米#4(7公演)2022年・6月24日ー7月30日:北米#5(21公演)これが現在までに公表されている2021年/2022年のスケジュール。「北米#1」は週に一度くらいの肩慣らしでしたが、6月の「北米#2」からはいよいよ本格始動。本作のエルマー公演は、新作『LAYLA REVISITED』発売の2日後となる「北米#2b」の3公演目にあたるコンサートでした。そしてTEDESCHI TRUCKSと言えば、1公演1公演で様変わりするセットリスト。その内容も整理しておきましょう。オリジナル(8曲+α)・レヴェレイター:Midnight in Harlem・メイド・アップ・マインド:Don't Drift Away/ Do I Look Worried/Part Of Me/Made Up Mind・レット・ミー・ゲット・バイ:I Want More (Soul Sacrifice)/Let Me Get By・その他:Just Won't Burn(スーザン・テデスキ)カバー(7曲+α)・DEREK AND THE DOMINOS:Bell Bottom Blues/Why Does Love Got To Be So Sad? ・その他:Life Is Crazy(マイク・マティソン)/Little By Little(ジュニア・ウェルズ)/Had To Cry Today(BLIND FAITH)/Gin House Blues(ベッシー・スミス)/Angel from Montgomery/Sugaree(ジョン・プリム/ジェリー・ガルシア)……と、このようになっています。「+α」となっているのはメドレーになっている事を指しており、ジョン・プリムとジェリー・ガルシアの名曲を繋いだ「Angel from Montgomery/Sugaree」はお馴染みですし、オリジナルの「I Want More」にもSANTANAの「Soul Sacrifice」が顔を出しています。それにしても、いつもながら多彩なカバー曲が美味しすぎる。スーザンのアルバム『JUST WON'T BURN』にも収録されていた「Little By Little」や「Angel from Montgomery」、『LAYLA REVISITED』発売に合わせてかDEREK AND THE DOMINOSの「Bell Bottom Blues」「Why Does Love Got To Be So Sad?」も披露されていますが、それ以上に貴重なのがベッシー・スミスの「Gin House Blues」でしょう。今年になってから取り上げるようになった曲で、まだ片手で数えられるほどしか演奏していない。その出来の素晴らしさもさることながら、この曲がある以上は確実に最新ライヴなのです。そして、さらにダメ押しなのが「Angel from Montgomery」前のMC。「本当にクレイジーな1年半でした。また会えて嬉しい。ライヴ・ミュージックは久々って人は何人くらいますか?」とスーザンが喜びいっぱいに語りかけるのです。本作はいつも以上に瑞々しく情熱たっぷりな歌声が詰まっているのですが、この言葉こそが理由なのです。オフィシャル最新作にも伍する異次元のサウンド・クオリティと貴重な最新カバー曲。それだけでも特別すぎるライヴアルバムなのですが、さらに新型コロナ・パンデミックを乗り越えた喜びと開放感に充ち満ちた熱演までもが眩しい新名盤です。あらゆる意味で「2021年の最先端」を体現している唯一無二の奇跡盤「2021年7月18日エルマー公演」の超絶級オーディエンス録音。名機「Schoeps mk41v」が使用されたサウンドは、オフィシャル最新作と交互に再生しても違和感がないというサウンド・クオリティが衝撃的。ベッシー・スミスの貴重カバー「Gin House Blues」や新型コロナ・パンデミックを乗り越えたMCなど、開放感と喜びに充ち満ちた最新ショウを楽しめるだけでなく、「完全オフィシャル級オーディエンス」という異次元体験させてくれる奇跡のライヴアルバムです。Appel Farm Arts & Music Center, Elmer, NJ, USA 18th July 2021 ULTIMATE SOUND Disc 1 (49:47) 1. Don't Drift Away 2. Do I Look Worried 3. Bell Bottom Blues 4. Why Does Love Got To Be So Sad 5. Life Is Crazy 6. Part Of Me 7. Little By Little 8. Just Wont Burn Disc 2 (67:33) 1. Had To Cry Today 2. Gin House Blues 3. Midnight In Harlem 4. Made Up Mind 5. MC 6. Angel from Montgomery / Sugaree 7. I Want More / Soul Sacrifice 8. Let Me Get By Susan Tedeschi - Guitar, Vocals Derek Trucks - Guitar Tyler Greenwell - Drums Mike Mattison - Vocals, Percussion, Acoustic Guitar Brandon Boone - Bass Gabe Dixon - Keyboards, Organ, Vocals

Tedeschi Trucks テデスキ・トラックス/NJ,USA 2021

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