数々の極上マスターが発掘されてコレクター界に旋風を巻き起こしたジョン・ウィザードのマスター・コレクション。その最新作となるジェフ・ベック篇が登場。しかも、THE JAN HAMMER GROUPとの大人気ツアーを伝える新名盤の誕生です。そんな本作に吹き込まれているのは「1976年9月12日アナハイム公演」。その極上オーディエンス録音です。世紀の共演ツアーは当店でも大人気。数々の名作を永久保存して参りました。本作は、その中でも格別の一作。何しろ、名手ウィザードの大元マスター・カセットからダイレクトにデジタル化されたこの上ない銘品名音ですから。そのサウンドの前に、まずはショウのポジション。当時のスケジュールから紐解いてみましょう。1976年《4月『OH YEAH?』完成》《5月『WIRED』発売》・5月8日-23日:英国(3公演)←※FIRST GIG・5月29日-9月13日:北米#1(42公演)←★ココ★・10月7日-19日:北米#2(12公演)←※PALLADIUM 1976/BOSTON 1976 ・11月12日-11日:北米#3(8公演)1977年・1月23日-2月5日:オセアニア(5公演)・2月18日-21日:北米#4(3公演)《3月『ライヴ・ワイアー』発売》これが1976年/1977年のジェフ・ベック。ただし、当時の記録にはあやふやな点が多く、上記の日程も3つの資料を組み合わせたもの。恐らく細部は間違っているので、あくまでも参考イメージ程度に留め、あまり信用しないでください。上記ではツアー初期の母国篇『FIRST GIG』や昨年大好評を賜った『PALLADIUM 1976』等が掲載されておりますが、録音の名産地となっているのは、その間の「北米#2」。本作のアナハイム公演は、その最後期である41公演目にあたります。良い機会でもありますので、ここで名作コレクションも整理してみましょう。・5月23日『FIRST GIG(ロンドン)』*6月6日『DAY ON THE GREEN 1976 DAY 2』*6月26日『MINNEAPOLIS 1976』*7月3日『SOPHIE: DETROIT 1976 EARLY SHOW』『MASONIC TEMPLE 1976(レイトショウ)』*7月23日『ARROWHEAD STADIUM 1976』*8月27日『COMPLETE CAPE COD 1976』*9月12日:アナハイム公演 ←★本作★・10月8日『PALLADIUM 1976』・10月10日『BOSTON 1976 DEFINITIVE EDITION』……と、このようになっています。直近としては名手ダン・ランピンスキーの大傑作『COMPLETE CAPE COD 1976(Wardour-061)』もありましたが、本作はそれに対するウィザードの新名作でもあるわけです。実際、そのサウンドは極上で、骨太・肉厚な芯のダイレクト感やディテールの細やかさ、瑞々しい鳴りなど、どのポイントでチェックしても70年代オーディエンスの常識を軽々と超えた素晴らしさ。美辞麗句を並べただけでは分かりづらいと思いますのでランピンスキーの名作『COMPLETE CAPE COD 1976』と比較してみますと……やはり負けてない。ランピンスキー作はキリッと引き締まった輪郭が鋭く、高音までキラキラとしていましたが、それに対してウィザードの本作はリッチ。鳴りの音色的はややセピアなくすみもあるものの、その分極めてナチュラルでアナログ感覚な密度たっぷり。このニュアンスを視覚的に喩えるなら、ランピンスキー・サウンドはクリスタル・グラスに注がれたシャンパンで、本作はバーボンのロックといったところでしょうか。透明感と細やかな粒立ちで派手に輝くランピンスキーとは違い、本作は聴き込むほどに細かなディテールを発見していき、鳴りの深みに酔いしれていく感じなのです。しかも、本作はそんなウィザード・マスターをさらに細心マスタリングでブラッシュ・アップ。実のところ、ネットに登場した原音は低音がうねり気味で、高音の伸びを阻害してもいました。そこで本作ではそうした低音の濁りを緩和した上で高音域とのバランスも調整。もちろん、単に高音を上げているだけでなくヒスノイズが強くならないように気配りしつつ、輪郭もキリッと補整。全体的に残っていたチリチリとしたテープノイズも処理して艶やか滑らかなサウンドを実現しました。そんなリッチ・サウンドで描かれるのは、場数を重ねて一層苛烈になったインタープレイの満載のフルショウ。実のところ、この日はリック・デリンジャーやAEROSMITH、STARZとのフェス形式のために、持ち時間は1時間強。『COMPLETE CAPE COD 1976』をグイッと圧縮したようなショート・セットだったわけですが、その分、途切れない集中力が凄い。フレーズ1つひとつを重ねるほどに漲っていくテンションが凄まじく、その勢いが一切衰えることなくフルショウを駆け抜けていくのです。ジェフ・ベックの歴史でも特別な輝きを放っているTHE JAN HAMMER GROUPとの共演ツアー。その現場を名手ジョン・ウィザードのオリジナル・カセットから復刻させた銘品中の銘品です。本作自体が優れたロックの新名盤なのは当然として、当店コレクションでツアーの進化ぶりを追っても面白く、さらにダン・ランピンスキーとのサウンド美学を比較するのも一興。ディープに踏み込むほど、楽しみ方も多彩になっていく深い深い1枚です。「1976年9月12日アナハイム公演」の極上オーディエンス録音。歴史的名手ジョン・ウィザードのオリジナル・カセットからデジタル化された銘品中の銘品で、骨太・肉厚な芯のダイレクト感やディテールの細やかさ、瑞々しい鳴りなど、どのポイントでチェックしても70年代オーディエンスの常識を軽々と超えた素晴らしさ。しかも、本作はさらに細心マスタリングでブラッシュ・アップ。ネット原音ではうねり気味だった低音を整え、高音域とのバランスも調整。さらに全体的に残っていたチリチリとしたテープノイズも処理して艶やか滑らかなサウンドを実現しました。場数を重ねて一層苛烈になったインタープレイの満載のフルショウ名手サウンドで極上体験できる新名盤の誕生です。 Angel Stadium, Anaheim, CA, USA 12th September 1976 TRULY AMAZING/PERFECT SOUND (63:06) 1. Intro 2. Oh Yeah? 3. Sister Andrea (Mahavishnu Orchestra) 4. Band Introductions 5. Darkness, Earth In Search Of A Sun 6. Earth (Still Our Only Home) 7. Freeway Jam 8. Scatterbrain 9. Diamond Dust 10. Superstition 11. Full Moon Boogie Jeff Beck - guitar Jan Hammer - keyboards Fernando Saunders - bass Tony Smith - drums Steve Kindler - violin