『MESCALERO』で21世紀にも不動の存在感を示した2003年のZZ TOP。そのフルショウを現場体験できる新発掘ライヴアルバムが登場です。そんな本作に吹き込まれているのは「2003年11月22日ヒューストン公演」。“BEER DRINKERS AND HELL RAISERS Tour 2003-2004”の一幕を真空パックした極上オーディエンス録音です。2003年と言えば、当店発掘の超絶プロショット『MESCALERO IN NEW JERSEY』も有名ですので、併せてワールド・ツアーの全景からポジションを俯瞰してみましょう。2003年・4月25日ー6月21日:北米#1(37公演)←※MESCALERO IN NEW JERSEY・7月4日ー8月11日:欧州(25公演) ・8月20日ー9月7日:北米#2a(12公演)《9月8日『MESCALERO』発売》・9月12日ー20日:北米#2b(5公演)・11月5日ー22日:北米#3(8公演)←★ココ★ 2004年・6月25日ー9月25日:北米#4(49公演)これが2003年/2004年のZZ TOP。2003年は『MESCALERO』の年として記憶されているわけですが、ツアーはアルバム発売の4ヶ月も前からスタートし、大半のショウをこなした後でやっと発売されるという一風変わったスケジュール。本作のヒューストン公演は、そんな2003年のラストを飾る最終公演でした。そんなショウで記録された本作は、まさに「超」付きの極上オーディエンス。独自ルートでもたらされたオリジナル・マスターなのですが、とにかく芯が極太で距離感がまるでなく、ディテールも超鮮明。綺麗に捉えやすいギターやドラムはもちろん、ベースも1音1音のアタックから鳴りまで美しく、ヴォーカルはコーラスの絡みまで綺麗にセパレートしている。ときおり間近っぽい声援も聞こえるのでオーディエンス録音と分かるものの、肝心の演奏音やヴォーカルは完全にサウンドボード級。それこそ、アンビエント・マイクの歓声を重ねたFM放送かと思うほどの極上サウンドなのです。この高音質ぶりは、状況を探るほどに不可解。あまりに極太&ダイレクトなサウンドだけに野外会場かと思いきや、現場となった“コンパックセンター”は屋内スポーツ・アリーナ。しかも1万6000人収容というボワボワした鳴りになってもおかしくない規模なのです。よほどPAの間近だったのか、実は関係者が録音していたのか……。ともかく何か特別な事情でもない限りあり得ないほどの超タイト・サウンドなのです。そんな不可思議サウンドで描かれるのは、栄光のキャリアを濃縮した集大成のフルショウ。2000年代のZZ TOPと言えば、何よりも公式ライヴ作『LIVE FROM TEXAS』が有名ですので、比較しながらセットを整理しておきましょう。LONDON RECORDS時代(7曲)・リオ・グランデ・マッド:Just Got Paid・トレス・オンブレス:Waitin' for the Bus/ Jesus Just Left Chicago/Precious and Grace(★)/Beer Drinkers & Hell Raisers(★)/La Grange・ファンダンゴ!:Tush WARNER RECORDS時代(8曲)・皆殺しの挽歌:Manic Mechanic(★)/Cheap Sunglasses/I'm Bad, I'm Nationwide ・エル・ロコ:Tube Snake Boogie ・イリミネイター:Gimme All Your Lovin'/Sharp Dressed Man/Legs・アフターバーナー:Rough Boy RCA RECORDS時代(5曲)・アンテナ:Pincushion・メスカレロ:Buck Nekkid(★)/Piece(★)・その他:Catfish Blues(★)※注:「★」印は『LIVE FROM TEXAS』では観られない曲。 ……と、このようになっています。『MESCALERO』リリース後は新曲も増えるかと思いきや、実は『MESCALERO IN NEW JERSEY』と同一。このツアーだけの限定曲「Piece」も楽しめます。また、ゲストが登場するのもこの日の特徴。終盤の「Sharp Dressed Man」でリック・ペリーが登場。ドラムで共演します。この人は南部では名の知れたドラマー。。。ではなく、テキサス州の知事。その後、国政に進出してトランプ政権下でエネルギー長官を務めた政治家です。それにしても、これほどのサウンドをどうやって録音したのか。そして、なぜこれほどの録音が出回らなかったのか。オーディエンス録音のあらゆる常識が通用しないミラクルなライヴアルバムの大傑作です。ZZ TOPファンは当然不可避ではありますが、オーディエンス録音という文化自体に興味のある方にも触れていただきたい1本。「2003年11月22日ヒューストン公演」の極上オーディエンス録音。とにかく芯が極太で距離感がまるでなく、ディテールも超鮮明。綺麗に捉えやすいギターやドラムはもちろん、ベースも1音1音のアタックから鳴りまで美しく、ヴォーカルはコーラスの絡みまで綺麗にセパレートしている。ときおり間近っぽい声援も聞こえるのでオーディエンス録音と分かるものの、肝心の演奏音やヴォーカルは完全にサウンドボード級。それこそ、アンビエント・マイクの歓声を重ねたFM放送かと思うほどの極上サウンドです。『RIO GRANDE MUD』から『MESCALERO』まで、キャリアを幅広く総括したフルショウを極上体験できます。Live at Compaq Center, Houston, TX, USA 22nd November 2003 ULTIMATE SOUND(from Original Masters) Disc 1(47:41) 1. Intro 2. Gimme All Your Lovin' 3. Pincushion 4. Waitin' for the Bus 5. Jesus Just Left Chicago 6. Precious and Grace 7. Manic Mechanic 8. Rough Boy 9. Cheap Sunglasses 10. Buck Nekkid Disc 2(59:02) 1. MC 2. Catfish Blues (Robert Petway cover) 3. I'm Bad, I'm Nationwide 4. Piece 5. Beer Drinkers & Hell Raisers 6. Just Got Paid 7. Tube Snake Boogie 8. Legs 9. Sharp Dressed Man (with Texas Governor Rick Perry joining in on drums) 10. La Grange (with Sloppy Drunk Jam) 11. Tush 12. Outro Billy Gibbons - Guitar & Vocal Dusty Hill - Bass & Vocal Frank Beard - Drums