「BE HERE NOW」ツアーが3月の南米行程にて終了後、オアシスの活動はオフに入りますが、7月から8月にかけてノエルはポール・ウェラーのライブの前座で弾き語りステージを行いました。既に十分なステイタスを獲得していた彼がこの期に及んでアーティストの前座を務めたというのは意外な感がありますが、それがウェラーとなれば納得。むしろオフ中もミュージシャンとしての肩慣らしがしたくなり、前座という形でステージに復帰したというのが本当のところかと。ノエルは過去にも1995年のウェラーのショーで前座を二度ほど務めたことがありましたが、98年の場合は7月から8月にかけて6回も務めたという、より本格的なもの。このことからも、オフ中の肩慣らしを兼ねていたことが伺えます。それら6回のステージの内、もっとも音質が秀でていた2回に関してはリアタイで「SUPPORTING BIG BROTHER」がリリースされており、所有されている方も多いのではないでしょうか。今回無料CD-Rに収められるのは、今までリリースされたことのない2回のステージで、どちらも音質は…イマイチ。率直に申しまして1998年らしかぬクオリティ(苦笑)。中でも最初に収録された7月28日のステージは相当に荒くれクオリティ。そもそもオープニングの「Stand By Me」からしてカットインで録音が始まっていますし、何よりこもりまっくった状態。幸いにもすぐに状況が改善され、尻上がりにクオリティも向上するのですが、それでも「SUPPORTING BIG BROTHER」のレベルには遠く及ばない。それ故にトレーダー間には出回っていつつも、今までアイテムとしてリリースされた実績がなかった訳ですが、演奏内容は白熱しており会場も前座とは思えないほど盛り上がっている。この辺りは流石のノエルといったところでしょうか。おまけにピッチをアジャストしたことで原音と比べれば荒くれクオリティなりに聞きやすくなっている。その点8月6日のステージはずっと聞きやすいレベルですが、こちらは「Stand By Me」がカットなしで収録されたはよかったものの、今度は同曲の間で細かい音切れが何度か生じてしまった。どうにも一筋縄ではいかないものです。しかしこちらは周囲の盛り上がりをほとんど拾っておらず、ノエルの弾き語りをじっくり聞きこめるという点で「SUPPORTING BIG BROTHER」や7月28日とは違った魅力がある。それでいて「Don't Look Back In Anger」になるとノエルがオーディエンスに合唱させており、実際の会場では盛り上がっていたのでしょう。そしてこちらも高かったピッチをアジャストして聞きやすさが格段に向上。このように、どちらも何らかの問題を抱えている音源であったことから今までリリースされずじまいだった訳ですが、それ故に貴重な音源でもあり、何よりオアシスが活動を休止していた時期のレアな前座パフォーマンスの初登場オーディエンス録音をカップリング。Edinburgh Playhouse, Edinburgh, Scotland, UK 28th July 1998 Newport Center, Newport, Wales, UK 6th August 1998 (56:12) Edinburgh Playhouse, Edinburgh, Scotland, UK 28th July 1998 1. Stand By Me 2. Talk Tonight 3. Cast No Shadow 4. Wonderwall 5. Don't Look Back In Anger 6. Live Forever Newport Center, Newport, Wales, UK 6th August 1998 7. Stand By Me 8. Talk Tonight 9. Whatever 10.Wonderwall 11.Don't Look Back In Anger 12.Live Forever