20年前、突然のリリースでマイルス・マニアの度肝を抜いた1985年のライブを収録した「ラバーバンド」はモノラル音源ながら名作と言われて来ました。しかし、この程デンマーク国営放送「ダニッシュ・ラジオ」で放送されたライブ音源を経年劣化を感じさせないノイズ・レスのステレオ音源(!)のマスター級クオリティーで初めて収録したタイトルが登場しました。1985年のワールド・ツアーは、4月20日にロング・ビーチで開催されたクィーン・マリー・ジャズフェスティバルからスタートし7月には待望の来日公演も実現しました。今回新音源で登場したコペンハーゲン、ファルコナー劇場でのライブはチャカ・カーンの大ヒット曲「ストロンガー・ザン・ビフォア」のカバー・バージョンも演奏されたことでマイルス・マニアから重宝された音源です。更に当時未発表となっていた楽曲「ラバーバンド」を披露しました。因みに海外マニアのデータを参考にしますと、このコペンハーゲンで演奏された「ラバーバンド」は3回目のライブ・バージョンとなっています。さて、今回リリースされた音源に目を転じてみますと、何と言ってもやはりフル・スペックのステレオ音源がマスターとして使われている点に注目が集まります。ロバート・アーヴィングとアダム・ホルツマンのシンセが左右に分かれセンターからマイルスのトランペットの音色が聞こえて来ます。旧タイトル「ラバーバンド」において目立っていたヒス・ノイズも本盤では可能な限り軽減され、ピッチ等も補正されていますのでその点は安心してお聴き頂けます。また、1985年ツアーにおいて8月からジョン・スコフィールドからマイク・スターンに交代しています。話はそれますが1985年ツアーでジョン・スコフィールドの最終公演となったのはリリースされている7月29日の名古屋公演となります。今回のディフィニティブ盤で聴ける最高級の音質で展開された最高のライブは聴き逃すことは出来ません。ライブ・アット・ファルコナーシアター、コペンハーゲン、デンマーク 10/28/1985 Disc 1 1.One Phone Call / Street Scenes 2.Speak / That's What Happened 3.Star People 4.Maze 5.Human Nature 6.Something On Your Mind 7.Miss Morrisine Disc 2 1.Code M.D. 2.Pacific Express 4.Stronger Than Before 5.Hopscotch 6.Rubberband 7.Jean Pierre / Then There Were None 8.Decoy マイルス・デイビス(tpt, synth) ボブ・バーグ(ts, ss) マイク・スターン(g) ロバート・アーヴィング(synt) アダム・ホルツマン(synth) アンガス・トーマス(b) ヴィンセント・ウィルバーン(dr) スティーブ・ソーントン(perc) マリリン・マズール(perc)