1997年6月7日 TIBETAN FREEDOM CONCERT オーディエンス音源は既発盤で存在したが、今回は初登場となるサウンドボード音源で完全収録である。タイトル通りイベント・ステージで、巨大なスタジアムにも関わらずバンドではなく、エレキ・ギターによる弾き語りで5曲を披露している。ノエルのキャリアにおいてアコギによる弾き語りは数多くあるが、エレキによる弾き語りは1998年のラジオ出演時(『LAST NIGHT IN A JUDO ARENA』収録)と、10周年(『10 YEARS OF NOISE AND CONFUSION』収録)のノエル・コーナーにおいて「Whatever」1曲、そして、このチベット・フリーダム・コンサートのみである。ビートルズの「Helter Skelter」のカバーは、1999年12月から一時期レギュラーで演奏されていたが、BE HERE NOW ツアーでは一度も演奏されず、この時が初演となる。おそらく数万人を超えるであろうスタジアムを埋め尽くす大観衆に対し、ノエルは一人で対峙し聴衆を圧倒する凄まじい演奏である。1997年6月14日KROQ WEENIE ROAST AND LUAUこちらも初登場となる、1993年より毎年カリフォルニアで行なわれている音楽フェスKROQ Weenie Roastを収録している。コロナ禍により2020年と2021年は開催されなかったが、伝統ある音楽フェスとして現在も温暖なカリフォルニアの重要なイベントとなっている。オアシスは5回目に当たる1997年に出演しており、注目すべきは、この後オアシスのキャリアを通して、また解散後にも数えきれないくらい演奏された/されるであろう代表曲のひとつ「Wanderwall」の、バンド形態として初演である点である。リアムのボーカルには深いエコーがかけられ、初演という事もありかなり丁寧な歌唱なのが印象的である。1997年6月10日 HOWARD STERN SHOWノエルが単独で出演したテレビ・ショウの音源。アコギにより2曲を演奏している。前掲のチベット・フリーダム・コンサートとKROQ WEENIE ROASTの合間の時期に当たる。1997年5月17日 PAUL WELLER CONCERT ポール・ウェラーのステージにノエルが単独で客演し、その時に演奏した2曲を収録している。客演でかつ、わずか2曲ながら、これは非常に重要な演奏である。まずオアシス晩年のライヴやノエルのソロでは定番となっている「Half The World Away」は、この時が初演である点である。意外や初演がオアシスとしでてはなく、客演によるノエル単独でのステージにおいてであった。そしてもうひとつ着目すべきはノエルがエレクトリックVer.で「Shakermaker」も演奏している点である。これは他には1995年3月20日ORBIT ROOMで同様の形態で演奏されたくらいしか例がないのではないだろうか。本作には以上4つのコンサートが収録されている。MORNING GLORY TOURを終え、次なるBE HERE NOW TOURに移行する、これらはその過渡期に行なわれたステージであり、バンドの技量を維持するためのウォーム・アップ的な意味合いもあったであろう。初演曲が多いのもそれを裏付けている。通常のツアーとは異なるイレギュラーなセットリストも含め、いずれも聴きどころが多い音源である。 NOEL GALLAGHER TIBETAN FREEDOM CONCERT DOWNING STADIUM, NEW YORK CITY NY U.S.A. June 7, 1997 01. Live Forever 02. Cast No Shadow 03. Don’t Look Back In Anger 04. Wonderwall 05. Helter Skelter OASIS KROQ WEENIE ROAST & LUAU KROQ WEENIE ROAST IRVINE, CA U.S.A. June 14, 1997 06. Acquiesce 07. Supersonic 08. Morning Glory 09. Some Might Say 10. Wonderwall 11. Don't Look Back In Anger 12. Champagne Supernova NOEL GALLAGHER HOWARD STERN SHOW NEW YORK CITY, NY, U.S.A. June 10, 1997 13. Wonderwall 14. Don’t Look Back In Anger NOEL GALLAGHER PAUL WELLER CONCERT BRIXTON ACADEMY, LONDON, U.K. May 17, 1997 15. Half The World Away 16. Shakermaker