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Bob Dylan ボブ・ディラン/WI,USA 2021

ローリング・ストーンズに次いでツアー活動を再開させた大物ボブ・ディラン。その復活ライブ・ツアーは11月から一か月にかけて行われ、コロナ禍の中にあってもすべての公演が無事に遂行されました。それだけに最新ツアーの音源を渇望されていたマニアがおられることかと思われますが、今回はツアー序盤と終盤の極上音源を同時リリース。近年のディランのセットリストのパターンの例に漏れず、今回もまたセットリスト固定にて行われたのですが、そんな中でも久々のステージ復帰らしくツアー序盤だけはいくつかの変化が起きていました。そこで最初にご紹介いたしますはツアー初日のミルウォーキー。まずこの日に限って演奏されたのが名盤「血の轍」収録曲である「Simple Twist Of Fate」。本曲はコロナ禍が始まる前、最後のツアーであった2019年にも演奏されていたレパートリーでしたが、今回のツアー再開に際して取り上げられたのはこの日だけ。翌日のシカゴから同じように従来から演奏されている「When I Paint My Masterpiece」へと交代。これは従来からのレパートリーの選択を考えていたのでしょう。またライブ終盤に演奏されている近作からの「Soon After Midnight」もこの日だけの披露となり、翌日からは本曲の位置で「Melancholy Mood」が演奏されるようになり、元々「Melancholy~」が演奏されていた位置には「To Be Alone With You」が久々のレパートリー復帰かつ新アレンジでの披露となるのです。そしてこの日と翌日のシカゴに限ってアンコールは「Love Sick」と「It Takes A Lot To Laugh, It Takes A Train ToCry」という、これまた従来のレパートリーが投入されていたものの、これまた三日目のオハイオからは「Every Grain of Sand」がやはり久々のレパートリー復活を果たして以降の構成が固まりました。基本的には昨年リリースされたアルバム「ROUGH AND ROWDY WAYS」収録曲をフィーチャーすることとなり、この日だけ従来のレパートリーの含有率が高い試験的なセットリストというのがむしろ貴重な一日となったのでした。またツアー再開に際して驚きの新メンバー加入となったのがドラマーのチャーリー・ドレイトン。彼は以前キース・リチャーズのエクスペンシブ・ワイノーズでスティーブ・ジョーダンとドラムの席を分け合っていたプレイヤー。それが今やスティーブはローリング・ストーンズで亡きチャーリーの代役を務め、ドレイトンはディラン・バンドへ。奇しくも2021年の秋に新天地を見つけたのだから面白いものです。そんなチャーリーを含んだ新生バンドのメンバー紹介においてディランが饒舌であったことも今回のツアーで大きな話題となったのですが、そこはツアー初日、まだあまり多くを語らないのが微笑ましい。何よりステージで歌うことを愛するディランが久々に復帰できた喜びは相当なようで、どの曲でも歌いっぷりがハイテンション。彼が80歳であることを考えると、ここでの絶好調ぶりには驚きを禁じえません。そして何と言っても貴重な初日のステージを捉えてくれたオーディエンス録音の音質が抜群で、そんなディランのイキイキとした歌声を非常にオンな音像で捉えてくれている。なおかつ今回同時リリースとなるツアー終盤のフィラデルフィアと聞き比べれば、初日だけの独特なセットリストがいかに貴重であったかも実感できるはず。世界中のマニアが待ち望んだディランのステージ復帰を最高の音質でお楽しみください! Riverside Theatre, Milwaukee, WI, USA 2nd November 2021 TRULY PERFECT SOUND Disc 1 (54:33) 1. Intro2. Watching the River Flow 3. Most Likely You Go Your Way (and I’ll Go Mine) 4. I Contain Multitudes 5. False Prophet 6. Simple Twist of Fate 7. My Own Version of You 8. I’ll Be Your Baby Tonight 9. Black Rider 10. Melancholy Mood 11. Mother of Muses 12. Gotta Serve Somebody Disc 2 (46:40) 1. Key West (Philosopher Pirate) 2. Early Roman Kings 3. Soon After Midnight 4. I’ve Made Up My Mind to Give Myself to You 5. Goodbye Jimmy Reed 6. Love Sick 7. It Takes a Lot to Laugh, It Takes a Train to Cry Bob Dylan: Vocals, piano, harmonica Bob Britt: Guitar Charley Drayton: Drums Tony Garnier: Bass guitar Donnie Herron: Accordion, violin, electric mandolin, pedal steel guitar and lap steel guitar

Bob Dylan ボブ・ディラン/WI,USA 2021

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