12月を迎えてとどまることを知らない“Dogs of Doom”の音源発掘。今度は1977年ツアーから6月8日のマディソン・スクエア・ガーデンの新たなオーディエンス録音が発掘されました。MSG6月8日と言えば懐かしの「SECOND NIGHT IN THE GARDEN」に収録されていた「recorder 1」、さらにカット多発やら、周囲がうるさいやらで未だにアイテムが出ない「recorder 2」という二種類の音源が存在していましたが、新たに発掘されたのが「recorder 3」。あの音が遠くて輪郭が団子状だった「recorder 1」よりは音が近く、なおかつカットに加えて音の歪みもあった「recorder 2」のような問題もない。今のところMSG6月8日の中ではもっとも聞きやすいオーディエンス録音と呼べるのではないか。それをさらにdadgadがレストアしてくれたのが今回のバージョン。それでもまだ音像が遠い感は否めず、従来の音源よりは聞きやすくなったとしても、まだリリースは厳しいかと。同じ“Dogs of Doom”発掘による77年音源でも大好評発売中「PONTIAC 1977: UPGRADE」のようなアッパー感があればよかったのですが、その点がどうにもマニア向けというフィールドから逃れられないMSG6月8日、今回もまたマニア向けな音源となってしまった。おまけに何かと詰めの甘いdadgadです(苦笑)彼が“Dogs of Doom”レストアしたと言っておきながら、実のところ放置されている問題もあったという。それが「No Quarter」までに見られたピッチの上昇。こう言っては何ですが、今回のようなB級音源でピッチが狂ったままというのは聞き込むのに相当なストレスとなってしまう。それでもこの個所をしっかりとアジャスト。抜かりはありません。このように音の遠さはいかんともしがたい録音状態ではあるものの、それでも演奏のアツさはしっかり伝わってきます。ボンゾは全編を通して絶好調でして、オープニング「The Song Remains The Same」などは「エディ」を予見させるようなキレッキレのドラミングが聞き取れ、77年ツアーの絶頂を目前にバンドがネクスト・レベルに到達していたことが十分に伝わってくる。またロバートも全編を通して非常にテンションが高く、西のLAフォーラム、東のMSGといった具合にZEPが演奏することを愛したアリーナでのステージを心から楽しんである様子もちゃんと伝わってくる。そして音像に距離感があることで、皮肉にもジミーのプレイの粗がマスキングされる結果となり(特に「Ten Years Gone」笑)、それでもなお彼のフレーズが「Stairway To Heaven」のギターソロで燃え上がるところはかなりクリアーに聞こえるのもいい。そうなると、こんな日こそサウンドボードで聞いてみたい…と思わずにはいられませんが、1977年MSGによく見られるB級クオリティのオーディエンスではありますが、演奏内容は一級品。(リマスター・メモ)オープニングからNo Quarterのカットポイント(120分テープA面)までが半音の30%弱高かったので修正しました。Madison Square Garden, New York, NY, USA 8th June 1977 TRULY AMAZING SOUND Disc 1 (67:22) 1. Intro 2. The Song Remains The Same 3. Sick Again 4. Nobody's Fault But Mine 5. In My Time Of Dying 6. Since I've Been Loving You 7. No Quarter (★18:47 cut) Disc 2 (49:43) 1. MC 2. Ten Years Gone 3. The Battle Of Evermore 4. Going To California 5. Black Country Woman 6. Bron-Y-Aur Stomp 7. White Summer / Black Mountain Side 8. Kashmir Disc 3 (68:29) 1. Moby Dick 2. Noise Solo 3. Achilles Last Stand 4. Stairway To Heaven 5. Whole Lotta Love 6. Rock And Roll