オジー・オズボーンの「BLIZZARD OF OZZ」リリースに伴う1980年のイギリスツアーより、前半のマンチェスター公演と、後半に当たるイプスウィッチ"ゴーモント・ホール"公演を、それぞれ貴重なオーディエンス・マスターを用い、ファンに嬉しい2枚組タイトルとしてリリース決定!9月12日のグラスゴー公演からスタートして以来、OZZY OSBOURNEはファンからの熱烈な声援を受け、ツアーの各地で熱気あふれる素晴らしいライヴを展開しました。1stアルバム「BLIZZARD OF OZZ」も順調に売り上げを伸ばし、イギリスのチャートでは最終的に7位にまで上昇(アメリカでは'81年3月にリリースされ、21位まで上昇)します。「HAMMERSMITH BLIZZARD」に収録された最初のロンドン公演も大成功で、オジーはBLACK SABBATHからの解雇で茫然自失し、苦しんでいた一年前がウソのような大活躍ぶりでした。本作のディスク1にはそのハマースミス公演の直後、9月23日のマンチェスター"アポロ・シアター"公演を優良なオーディエンス・ソースで収録しています。このマンチェスター公演の音源は昨年「NIGHT OF BLIZZARD」として登場していました。そちらでは国内のトレーダー間でも流通している素材が使用されていましたが、今回は海外テーパーより提供されたマスターを元に、リマスターの上で音盤化しています。ゼネレーションは明らかに上の印象で、サウンドには国内で知られる同日音源以上にエッジを感じられます。テーパーの位置も良かったのか、バランス面で特に安定感と聴き易さがあるのも嬉しく、本音源は'80年ツアー初期でも優良なマスターであると断言できます。オープニングの「I Don't Know」から会場の盛り上がりは素晴らしく、オーディエンスから沸き立つ拍手や手拍子は「Crazy Train」で抜群の臨場感を味わわせます。見通しもこの時代としては優良で、「Goobye To Romance」では楽曲の繊細なパートもきちんと聴き取れます。ランディ・ローズのギタープレイも存分に楽しめ、重厚感あふれる「Suicide Solution」から続く彼のソロパートでは、華麗でありながらワイルド、そしてヘヴィなギター捌きに圧倒されてしまいます! この日のオジーは調子も良く、アンコールの「Paranoid」に至るまでライヴを通じて全編でハイテンションな歌唱で聴き手の耳を惹き付けます。「Looking At Me Looking At You」終盤から「Crazy Train」冒頭にかけてなど、一部でマスターに由来するカットはありますが、本音源の61分間はツアー初期ならではの熱気あふれるライヴを満喫できます。バンドはデビュー・ツアーの最後を飾る舞台として、10月26日に再びロンドンのハマースミス・オデオンのステージに上がる事が決まり、イギリスツアー後に予定された新作の製作とアメリカツアーに向けても意気が上がっていました。ディスク2へはその2度目のハマースミス・オデオン公演の直前に当たる、10月23日のイプスウィッチにおけるショウを収録しています。元マスターの音質は当時の標準的なオーディエンス録音で、特に「Carmina Burana」が流れるオープニング部分など序盤はマイク接触トラブルと思われるノイズが見られたのですが、それらノイズの除去やピッチ修正によるサウンドの正常化など、リマスターによって可能な限りの向上に務めた音質は、元々の素材を大きく上回る改善を実現しています。見通しや分離感ではさすがに「HAMMERSMITH BLIZZARD」には及ばないものの、大いに盛り上がる会場の熱気や喧騒を収めた録音は、いかにも当時のライヴ・テープらしい個性を感じます。生々しさの中にもランディのギターがしっかり聴き取れる音像はファンにとって嬉しいポイントでしょう。ツアー開始からすでに20公演ほどを消化したとあって、ステージ上でのバンド・コミュニケーションや演奏の一体感はさらに増し、「I Don't Know」や「Crazy Train」などは9月のライヴ以上に安定し熟れたパフォーマンスを見せるようになっています。ライヴのハイライト「Mr. Crowley」は特に素晴らしい熱演で、終盤におけるランディのギターソロは音質云々のレベルを超えてファンの耳を捉える事でしょう。さらに「BLIZZARD OF OZZ FIRST LIVE」では未収録だった「No Bone Movies」など、注目に値する個所は多数認められます。客席の盛り上がりも熱狂的で、オジーがイギリスのシーンに巻き起こした「BLIZZARD OF OZZ」の衝撃とツアーの興奮が録音からも強く感じられます。バンドは11月初めにイギリスツアーの日程を終了した後、いよいよ大規模なアメリカツアーを視野に入れます。それに先立つ'81年1月からは2ndアルバム「DIARY OF A MADMAN」の製作に着手。2ヶ月後の3月には同作のレコーディングも終了させますが、ドラムにトミー・アルドリッジを起用したいオジーとシャロンに対しボブが反対したためリズム・セクションの交代が発生し、トミーとルディ・サーゾを迎える新たなラインナップが生まれる事になります。ボブとリーが在籍する唯一のツアーとなった'80年ライヴの模様を、ちょうど1ヶ月の間を挟み前半と後半で収めた本作は、聴き比べの上からも興味深いパッケージ。マニアにとっては"BLIZZARD OF OZZ"期のライヴを検証する上でも欠かせない一本となるでしょう。 Apollo Theatre, Manchester, UK 23rd September 1980 TRULY AMAZING SOUND Gaumont Hall, Ipswich, UK 23rd October 1980 AMAZING SOUND Disc 1 Live at Apollo Theatre, Manchester, UK 23rd September 1980 1. Carmina Burana Intro 2. I Don't Know 3. You Looking at Me Looking At You 4. Crazy Train 5. Goodbye To Romance 6. No Bone Movies 7. Mr. Crowley 8. Suicide Solution 9. Guitar Solo/Suicide Solution(Reprise) 10. Drum Solo 11. Revelation (Mother Earth) 12. Iron Man 13. Children of the Grave 14. Steal Away (The Night) 15. Paranoid Disc 2 Live at Gaumont Hall, Ipswich, UK 23rd October 1980 1. Carmina Burana Intro 2. I Don't Know 3. You Looking at Me Looking At You 4. Crazy Train 5. Goodbye To Romance 6. No Bone Movies 7. Mr. Crowley 8. Revelation (Mother Earth) 9. Suicide Solution 10. Guitar Solo 11. Drum Solo 12. Iron Man 13. Children Of the Grave 14. Steal Away (The Night) 15. Paranoid Ozzy Osbourne - Vocals Randy Rhoads - Guitar Bob Daisley - Bass Lee Kerslake - Drums Lindsay Bridgewater - Keyboard