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Scorpions スコーピオンズ/Aichi,Japan 1996

哀感の名作『PURE INSTINCT』を携え、90年代最後の来日を果たした1996年のSCORPIONS。その現場を極上体験できるオリジナル録音が登場です。そんな本作に吹き込まれているのは「1996年8月30日:名古屋厚生年金会館」公演。その強力オーディエンス録音です。90年代の蠍団というとエレクトロニック、オーケストラ共演、アコースティックなど、多方面に手を広げていったイメージがありますが、『PURE INSTINCT』はその直前。本筋の正道ハードロックを貫きつつ、哀愁のメロディで心揺さぶる名作でした。まずは、そんな当時のスケジュールを振り返り、ショウのポジションを確かめてみましょう。1996年・5月1日:クアラルンプール公演《5月21日『PURE INSTINCT』発売》・6月5日ー8月17日:北米(50公演)・8月24日:ブレーマーハーフェン公演・8月30日ー9月11日:アジア(5公演)←★ココ★・10月5日ー12月3日:欧州#1(30公演)1997年・5月11日:シュタインハイム公演・6月24日ー7月19日:欧州#2(15公演)・10月2日ー11日:ドイツ(3公演)・11月8日ー23日:中南米(8公演)1998年・6月18日ー7月1日:欧州#3(4公演)・10月3日:Rock for Germany出演 これが1996年ー1998年のSCORPIONS。1995年にはライヴ自体がなく、1996年初頭にジェイムズ・コタックが加入。丸2年をかけてじっくりと世界を巡るスケジュールでした。来日公演が実現したのは前半。韓国やマレーシアも含む「アジア」レッグでした。ただし、彼らの公式ツアースケジュールには東京2公演しか記載されておらず、本作の名古屋公演はおフィシャルから忘れられたショウでもありました。そんな現場で記録された本作は、力強い芯に目も醒めるパワー・オーディエンス。最近、傑作を連発している名古屋系DATマスター・シリーズの最新弾でして、SCORPIONSですとマイケル・シェンカーとの合同来日盤『NAGOYA 1994: DAT MASTER(Shades 1432)』も記憶に新しいところですが、本作は線のやや細かった『NAGOYA 1994』とは比較ならないほどパワフル。ギター2本とリズム隊が束になってグイグイと突進してきて、ほとんど距離を感じさせません。その一方でクラウスのヴォーカルのみ一歩引いたようなバランスではあるものの、よく通る声質のお陰で歌詞までしっかりと伝わる。実のところ、あまりにパワフルなせいか冒頭ではオーバーピーク気味になるシーンもあるのですが、それも3曲目「Oh Girl (I Wanna Be With You)」辺りから改善(現場エンジニアがやり過ぎに気づいたのかも知れません)。その後はパワフルであっても美しい音世界をじっくりと味わえるのです。そんな極太パワー・サウンドで描かれるのは、貴重な『PURE INSTINCT』ナンバーをフィーチュアしたグレイテスト・ヒッツ。90年代のライヴ作と言えばオフィシャル作品『BERLIN 1991』『LIVE BITES』が有名ですので、比較しながら整理してみましょう。70年代/80年代・ラヴドライヴ:Loving You Sunday Morning(★)/Coast to Coast(★)/Holiday(★)・禁断の刺青:Bad Boys Running Wild/Big City Nights/Still Loving You(★)/Rock You Like a Hurricane・その他:The Zoo/Blackout/Kojo No Tsuki(★)90年代・クレイジー・ワールド:Tease Me Please Me/Hit Between the Eyes/Wind of Change・フェイス・ザ・ヒート:Alien Nation・ピュア・インスティンクト:Oh Girl (I Wanna Be With You)(★)/You and I(★)/Wild Child(★)/Stone in My Shoe(★)※注:「★」印は公式作『BERLIN 1991』『LIVE BITES』を合わせても聴けなかった曲。……と、このようになっています。『LOVEDRIVE』ナンバーや「荒城の月」も美味しいところですが、やはり貴重なのは『PURE INSTINCT』の名曲群。哀愁の蠍団を愛する方にとっては至福の名作だったわけですが、直後にSCORPIONSが他流試合を始めたこともあって引き継がれたのはバラードの「You and I」だけ。「Oh Girl (I Wanna Be With You)」「Wild Child」「Stone in My Shoe」は、このツアーだけの限定曲になってしまいました。本作は、そんな貴重曲のライヴ・イン・ジャパンを美とパワーの両立サウンドで味わえるのです。この来日の後、他の音楽形態に挑戦していったSCORPIONSは来日の機会が激減。次の機会まで8年ものブランクが空く事になってしまいました。今から振り返ると、1996年の来日公演は日本と彼らの最後の蜜月だったのかも知れません。本作は、そんなターニング・ポイントの現場をパワフル・サウンドでフル体験できるオリジナル録音。「1996年8月30日:名古屋厚生年金会館」公演の強力オーディエンス録音。『NAGOYA 1994: DAT MASTER』も記憶に新しいところですが、本作は比較ならないほどパワフル。ギター2本とリズム隊が束になってグイグイと突進してきて、ほとんど距離を感じさせない。実のところ、あまりにパワフルなせいか冒頭ではオーバーピーク気味になるシーンもあるのですが、それも3曲目「Oh Girl (I Wanna Be With You)」辺りから改善。その後はパワフルであっても美しい音世界をじっくりと味わえる。「Oh Girl (I Wanna Be With You)」「Wild Child」「Stone in My Shoe」など貴重な『PURE INSTINCT』ナンバーも楽しめる新発掘盤です。Live at Aichi Koseinenkin Kaikan, Nagoya, Japan 30th August 1996 PERFECT SOUND(from Original Masters) Disc 1 (58:56) 1. Intro 2. Tease Me Please Me 3. Bad Boys Running Wild 4. Oh Girl (I Wanna Be With You) 5. Loving You Sunday Morning 6. Big City Nights 7. Coast to Coast 8. Holiday 9. You and I 10. The Zoo 11. Alien Nation Disc 2 (43:19) 1. Wild Child 2. Stone in My Shoe 3. Drum Solo 4. Hit Between the Eyes 5. Blackout 6. Still Loving You 7. Wind of Change 8. Kojo No Tsuki 9. Rock You Like a Hurricane Klaus Meine – lead vocals Matthias Jabs – lead guitar, backing vocals Rudolf Schenker – rhythm guitar, backing vocals Ralph Rieckermann – bass, backing vocals James Kottak – drums, percussion, backing vocals

Scorpions スコーピオンズ/Aichi,Japan 1996

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