「インテレクチュアル・スラッシュ」を標榜していた時代の公式レア・トラックを一網打尽にできるお得盤。そんな本作に収められているのは12トラックの秘宝。大きく4つに分けられますので、それぞれ個別にご紹介していきましょう。KILLING IS MY BUSINESS時代(1曲・2種) まず登場するのは、デビュー作『KILLING IS MY BUSINESS... AND BUSINESS IS GOOD!』の「These Boots」。本編プレスCDでも1987年のリ・レコーディング版が聴けましたが、ここでは1985年オリジナル版と2002年リマスター再発版を収録しています。特に前者は貴重。リリース後に下品な変え歌詞にナンシー・シナトラ側からクレームが入った事でアルバムから外さざるを得ず、収録された8曲仕様のオリジナル盤が一気にプレミア盤にもなった。90年代に指をくわえて数万円のオリジナル盤を眺めていた方もいらっしゃるのではないでしょうか。もちろん、本作ではオリジナル・リリース盤でもLPではなくCDからロスレスで復刻しています。そして、2002年リマスター再発盤には問題になった替え歌詞部分を「ピー音」で消したバージョンで収録。豪快乱暴な処理ながら、それ自体が皮肉たっぷりでムステインの反骨精神が爆発したテイクでもありました。シングル収録のライヴ音源(2曲) 続いて登場するのは、シングル『Wake Up Dead』に収録されていたライヴ・トラック2曲。『PEACE SELLS』の25周年盤でクリーヴランド公演が公式化されるまで、「クリス・ポーランド/ガル・サミュエルソン時代」唯一の公式ライヴでもありました。また、公式盤にライヴの詳しい日付はクレジットされていないのですが、その正体は「1987年3月6日ハマースミス・オデオン公演」。そう、このショウの全曲版は名盤『DEFINITIVE HAMMERSMITH 1987』でお楽しみいただけます。SO FAR, SO GODD時代(4曲・5種)3rdアルバム『SO FAR, SO GOOD... SO WHAT!』からも5トラック収録。4トラック分は2004年リマスター盤にも収録された「ポール・ラニMIX」ですが、貴重なのは「In My Darkest Hour(O.S.T. Version)」。これは映画『ザ・メタル・イヤーズ』のサントラ盤だけに収録されたもの。あまり知られていませんが、アルバム版にはないギター・イントロの付いたロング・バージョンです。他バンドへのゲスト参加(3曲)最後のセクションは、ムステインが他バンドに参加した3曲です。まずはパワーメタル・バンドSANCTUARYの「White Rabbit」。ムステインがプロデューサーを務めた1987年作『REFUGE DENIED』に収録されていたJEFFERSON AIRPLANEのカバーで、彼はリード・ギターとスクリームとしても参加しています。続いてはMALICEの「License To Kill」と「Chain Gang Woman」。MEGADETHに一瞬だけ在籍したジェフ・レイノルズのバンドで、1987年作『LICENSE TO KILL』に収録された2曲にはムステインとエレフソンがシャウト・コーラスを被せています。今となっては再発が望めない貴重バージョンに盲点のサントラ盤、さらにゲスト参加曲などなど……全12トラック・約55分の秘宝集です。さすがにまだ記憶に新しい『THE FINAL KILL』からは収録していませんが、それ以外の初期レア・トラックはほぼほぼ網羅できる。MEGADETH - RARE TRACK COLLECTION 1985-1988 1. These Boots [Original Version] 2. These Boots [Beep Version] 3. Black Friday [Live 1986] 4. Devils Island [Live 1986] 5. In My Darkest Hour [O.S.T. Version] 6. Into The Lungs Of Hell [Paul Lani Mix] 7. Set The World Afire [Paul Lani Mix] 8. Mary Jane [Paul Lani Mix] 9. In My Darkest Hour [Paul Lani Mix] GUEST APPEARANCE TRACKS 10. White Rabbit / SANCTUARY 11. License To Kill / MALICE 12. Chain Gang Woman / MALICE STEREO SOUNDBOARD RECORDING