シンセ・ブギを極めた『AFTERBURNER』で時代の寵児に登り詰めていた1986年のZZ TOP。地球を丸ごと制覇した絶頂ツアーを極上体験できるライヴアルバムが登場です。そんな本作に吹き込まれているのは「1986年2月7日セント・ポール公演」。その極上オーディエンス録音です。“AFTERBURNER World Tour”と言えば、ZZ TOPのキャリアでも最大となる巨大事業。まさに絶頂中の絶頂でした。まずは、その全景を振り返ってショウのポジションを確かめてみましょう。1985年・8月15日ー18日:欧州#1(3公演)←※MONSTERS OF ROCK 1985《10月28日『AFTERBURNER』発売》・12月2日ー16日:北米#1(9公演) 1986年・1月30日ー5月5日:北米#2(72公演)←★ココ★・5月16日ー6月28日:北米#3(28公演)・7月5日ー9月2日:北米#4(39公演)←※NEW HAVEN 1986・9月12日ー10月15日:欧州#2(28公演)・10月18日ー10月23日:英国(5公演)1987年・2月17日ー19日:初来日(3公演) ←※AT BUDOKAN・2月25日ー3月14日:オセアニア(11公演)・3月21日:ホノルル公演 これが1985年ー1987年のZZ TOP。1986年は50年を超えるZZ TOP史でも最もライヴ本数が多かった年として知られ、さらに前後にもハミ出す超ビッグ・スケール。しかも1985年には英国MONSTERS OF ROCKを占拠し、1987年には伝説の初来日や初の南半球侵攻まで実施。アルバム・セールスでは『ELIMINATOR』が最大ヒットでしたが、ツアーは間違いなく“AFTERBURNER World Tour”こそが頂点でした。本作のセント・ポール公演は、そんな巨大ツアーでも一番オイシイ時期。軌道に乗ったばかりの序盤「北米#2」の8公演目にあたるコンサートでした。そんなショウで記録された本作は、サウンドも極上。実は名匠“Crazy S.”氏から提供されたマスターから起こされたものなのですが、とにかく極太&美麗。アメリカですので“Crazy S.”氏の録音ではないのでしょうが、「Crazy S.作品だ」と言われたら信じてしまいそう。芯が力強いだけでなく微細部まで鮮やかに描かれており、タイムラグなしに耳元に飛び込んでくるから距離感もない。さらにヘッドフォンで耳を澄ませても判別できないほどうっすらとしたホール鳴りはディテールを隠すことなく芯に絶妙な艶と厚みを与えている。時おり生々しい声援や手拍子が入るのでオーディエンス録音に違いないとは思うのですが、浸っているうちに「そもそもサウンドボードとオーディエンスの違って何だっけ?」と頭がアホになってくる。ライン直結録音か、マイクによる空間録音か。そんな手法の差などどーでも良くなるほど素晴らしいサウンドなのです。そんな極上の音世界で描かれるのは、80年代の象徴でさえあった黄金時代のフルショウ。私たちにとって“AFTERBURNER World Tour”と言えば、伝説の初来日こそが基準であり、『AT BUDOKAN』が定番にもなっています。最後に比較しながらセットを整理してみましょう。LONDONレコード時代(6曲)・トレス・オンブレス:Waitin' for the Bus/Jesus Just Left Chicago/La Grange・ファンダンゴ!:Heard It on the X/Tush・テハス:Arrested for Driving While Blind ワーナーブラザーズ時代(13曲)・皆殺しの挽歌:Manic Mechanic/Cheap Sunglasses・エル・ロコ:Ten Foot Pole/Party On The Patio(★)/Tube Snake Boogie・イリミネイター:Got Me Under Pressure/Gimme All Your Lovin'/Legs/Sharp Dressed Man・アフターバーナー:Sleeping Bag/Rough Boy/Can't Stop Rockin'/Velcro Fly ※注:「★」印は『AT BUDOKAN』で聴けなかった曲。大胆なシンセ・サウンドの『ELIMINATOR』『AFTERBURNER』の2大ヒットで世界を獲った80年代のZZ TOP。その後、彼らはシーンの変化と共に原点に回帰していったわけですが、だからこそ80年代当時の輝けるサウンドはもう望めません。バラードもシンセ・ブギもたっぷり楽しめる絶頂のフルショウを極上体験できる逸品。「1986年2月7日セント・ポール公演」の極上オーディエンス録音。とにかく極太&美麗で、芯が力強いだけでなく微細部まで鮮やかに描かれており、タイムラグなしに耳元に飛び込んでくるから距離感もない。さらにヘッドフォンで耳を澄ませても判別できないほどうっすらとしたホール鳴りはディテールを隠すことなく芯に絶妙な艶と厚みを与えている。ヒット曲満載でキャリア最大規模となった“AFTERBURNER World Tour”を極上フル体験できる新名盤です。 Civic Centre, St. Paul, MN, USA 7th February 1986 TRULY PERFECT/ULTIMATE SOUND Disc 1(41:19) 1. Intro 2. Under Pressure 3. Sleeping Bag 4. Waiting For The Bus 5. Jesus Left Me In chicago 6. Gimme All Your Loving 7. Ten Foot Pole 8. Manic Mechanic 9. Heard It On The X 10. Rough Boy 11. Cheap Sunglasses Disc 2(40:47) 1. Arrested For Driving While Blind 2. Legs 3. Sharp Dressed Man 4. Can`t Stop Rockin`5. Party On The Patio 6. Velcro Fly 7. Tube Snake Boogie 8. La Grange 9. Tush Billy Gibbons - guitar, vocals Dusty Hill - bass, vocals Frank Beard - drums, backing vocals