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Rolling Stones ローリング・ストーンズ/Perth,Australia 1973 Soundboard Remastered

ローリング・ストーンズ1973年ウインター・ツアーのアイテムをリリースし続ける中で触れてきましたように、同ツアーはラスト三回のステージでPAアウトのサウンドボード録音が存在しています。この手の音源はリリースされるという概念がまるでなく、あくまでチェックやツアーの記録と言う意味を兼ねて録音されたにすぎません。おまけに録音経路のせいで臨場感が希薄でモノラル、なおかつ演奏の骨格がダイレクトすぎるというジレンマに陥りがちなのですが、これらオーストラリアでの三公演に関してはステレオで録音されていたという点があまたのPAアウトサウンドボードと一線を画す点でしょう。おかげでこの音源のラフでダイレクトな質感が好転し、なおかつストーンズこの時期ならではの荒々しい演奏にハマっている。むしろ聞き応えのあるサウンドボード音源であることに異論はないかと。これら一連のステレオPAサウンドボードの中で最初に出土したのが2月24日のパース。奇しくも最初に録音されたショーが登場したという訳なのですが、あいにく残り二日の録音と比べて収録時間が短い。これもまたリリースを前提としていないPAサウンドボードにありがちな状態であり、現在に至るまで欠損したパートが発掘されていないことからも全曲が録音されていないことが明白。にもかかわらずこの日が高い人気を誇っているのは、当時ストーンズのサポート・メンバーだった名セッション・ピアニスト、ニッキー・ホプキンスの誕生日という特別な日のステージを記録した音源だったということ。案の定、本音源を最初にリリースしたLPが「HAPPY BIRTHDAY NICKY」という忘れ難いタイトルでリリースされたことから、その後この音源を収録したアイテムのほとんどがその名の下で登場することになるのでした。何しろステレオでサウンドボードという事からCD創世記のアイテムの餌食となり、何度かLPを元にしたアイテムがリリースされてもなお好評を博したのは、一重にステレオ・サウンドボード録音の成せる業だったのです。この時点で既に73年ウインター・ツアーにおける定番音源の名をほしいままにしていたのですが、懐かしのレーベルOH BOY!が初めてLP落としでないバージョンをやはり「HAPPY BIRTHDAY NICKY」の名でリリース。おまけに本ツアー二つ目のサウンドボードである26日の音源もカップリングしてみせたことが決定版の地位を揺るぎないものとしたのでした。ただしパースに関しては元になったテープ・ソースがその後出回らず、結果としてOH BOY!盤がオリジナルであり続け、以降のリリースも本タイトルをベースにしたものが基本となっていたのです。ニッキー・ホプキンスが晩年に来日した際、インタビューにてこの日のマスターはもちろん自分が持っている…と明かしてくれていたのですが、間もなくして彼が亡くなられたことでマスターが行方知らずになったという推測も成り立つのでは…あくまで推測ですが。もちろん今回もそんなOH BOY!盤をベースとしてGraf Zeppelinが細心の注意を払ってブラッシュアップを敢行。本音源はそんな彼のマスターからの数少ない流出の機会の際にコピーされた音源は曲順変わった挙句に音のダブりも生じるといった症状がみられ、近年のベストとされたDAC盤「HAPPY BIRTHDAY NICKY」においてもこの個所は直し切れてない感があった。そもそも最初に登場したアナログではライブ序盤の三曲がB面の終盤、なおかつ「Gimme Shelter」、「Rocks Off」そして「Happy」という順番で収められていたのですが、CD時代になってからは前後のショーと同じ順番に直されてリリースされるようになり、その際に先のような曲間の微妙なダブりが見られるようになったのです。そこを今回は可能な限りアジャスト。そして音質も今回はすっきりとした質感に整えました。これは「Midnight Rambler」辺りでDAC盤と聞き比べてもらえれば一目瞭然。さらにラフな録音故に乱れがちな左右のバランスやピッチも曲単位で緻密に調整しています。そんな独特の音質やステレオ感が伝えてくれるのは、ミックを中心としたキレッキレの演奏。1972年から73年までのミックは総じてテンションが高めな訳ですが、サウンドボードで聞けるオーストラリアのラスト三回ではこの日が一番ぶっ飛んでいる。それがまた人気の秘密でしょう。中でもミックは相当にゴキゲンな様子で、これがPAアウトならではのダイレクト感で聞く者の脳みそを直撃するかのごとく迫ってくる。それをキースとミック・テイラーのギターが左右から支える…というよりステレオなので彼らの音も凄まじい生々しさ。そんな調子ですので、有名な「Gimme Shelter」のイントロにおける大混乱がまたあまりに生々しい。残り二回のステージでこうした混乱はみられず、また他の曲でもみられないことから、どうしてこの日に限って弾きなれたこの曲でキースとチャーリーがこれほどまでに噛み合わなかったのか、本当に不思議なハプニングでした。もっともそんな乱れはあっという間に収まり、この日ならではの勢いが頂点を迎えるのが「Midnight Rambler」で、ミックがブルースハープを吹く際の息遣いまでも生々しく聞こえ、しかもキレッキレな演奏が聞かれるというのが本当に魅力的。そして暴走した演奏から一転して和やかなメンバー紹介で起こるニッキーの誕生祝い。特別にメンバー紹介は彼が最後となり、その上でミックがリードしながらハッピーバースデーが歌われるほっこりシーンは何度聞いても最高。他の日と違いオーディエンス録音が存在せず、ここに収められなかった曲など、謎に包まれた部分も多い日なのですが、だからこそこれほど魅力にあふれたステレオのPAサウンドボードが残されたことは幸運でしかない。ZEPの「エディ」と同じく「ニッキー」で通じてしまうストーンズ・マニア必修73サウンドボードの最新版が遂に!(リマスター・メモ)関連音源整理 a) OH BOY盤・・'90年頃リリースで、オリジナルリリース。左右ch逆★今回のメインソース b) LIVE IN PERTH AUSTRALIA (Rockawhile)・・OH BOYより前の89年頃リリース。左右ok・26日との混合。またOH BOYのコピーではないが、音が若干劣る ★今回Brown Sugarイントロ一瞬とHonkyイントロを引用 c) EXLE AFTERNOON (Rockawhile)・・91年リリースでPERTHの部分はOH BOYのコピー(の可能性)+’72 DALLASリハ。左右逆 d) DAC・・恐らくaとbのコピー。Brown Sugarイントロ一瞬とHonky丸ごとをbからコピーと思われる 現状ベストと思われるOH BOY盤をベースにリマスター。このOH BOY盤自体、元々からヒスノイズ・リダクションがいくらか掛かっており、静かな部分では「パチっ」といったテープノイズにまで残響音が乗ってしまってるという、90年代CDにありがちなノイズ・リダクションですが、現状この盤がベターと判断。マスタリングは、OH BOY盤のチャンネルの左右反転、曲間の修正、ピッチ・位相修正のうえ、欠落部のパッチ等を行っております。欠落部のパッチはLIVE IN PERTH AUSTRALIA (Rockawhile)からで、Brown Sugarイントロ一瞬とHonkyイントロの2箇所 ★なお、Bitchのケツからhappy前までの曲間部に関しては、元々から謎の重複フェイク編集がなされているようで、DAC盤でも曲間のダブリなどあり。今回もダブリありですが、DAC盤とは若干変えてます。Rocks offとGimmieの曲順を変えるとしっくりくるのですが、この辺りはAudソースでも発掘されない限り真相は不明 Live at Western Australia Cricket Ground, Perth, Australia 24th February 1973(47:38) 01. Brown Sugar ★0:00-0:04 OH BOY盤よりパッチ02. Bitch ★曲間謎編集 03. Rocks Off ★曲間謎編集 04. Gimme Shelter ★曲間謎編集 05. Happy 06. Tumbling Dice 07. Honky Tonk Women ★0:00-0:03 OH BOY盤よりパッチ 08. All Down The Line 09. Midnight Rambler 10. Band Introductions / Happy Birthday Nicky 11. Little Queenie

Rolling Stones ローリング・ストーンズ/Perth,Australia 1973 Soundboard Remastered

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