1969年のワールド・ツアーは前半部がアメリカン・ツアー、そして後半部がヨーロッパ・ツアーとなっていました。前半は1月18日のロサンジェルス公演から始まり6月のニューヨークのクラブ、ザ・シーンまではチャーリー・ヘイデンが参加し、後半は8月18日のアイルランド公演から12月19日のベルギー公演まではベーシスト、ガス・ネメスがツアーしています。さて、今回リリースされた11月21日、イエテボリのジャズクラブ「アートデュール」に出演したライブをオーディエンス録音した現存する3本のマスター音源をスタジオ・エンジニアの手による24ビット・リマスター処理を施したベスト・クオリティーでケタ違いに良い音質で収録された逸品となります。本音源は2000年代に入りトレーダー間に出回りリリースされました。当時発掘された骨董品扱いとなる音源に手を加えず収録した故、1枚目、2枚目と全編に聴き辛いヒスノイズが発生したり各楽曲の音像バランスもバラバラとなっており一部のコアなマニアだけが入手していました。考えてみれば今から半世紀も前に録音した音源ですから仕方の無いこと。さて、時代は巡り今年になりトレーダー間ではさらなるアッパー版音源が出回りはじめました。その音源を中心に収録したのが今回皆さんがお聴きになるディフィニティブ・エディシュンとなります。2022年版リマスターによりヒスノイズが極限まで抑え込まれ何らストレスを感じさせない音像は見事のひと言。旧タイトルにおいては殆ど出ていなかった中音部、高音部まで抜けがナチュラルに仕上がってすっきりとした音になっている点が重要なポイント。またライブ・データも変更され11月29日ではなく、21日、または22日のライブということが真実となりました。これに関してはポール・モチアンのデータベースにも掲載されています。今回は海外有名音源マニアが初日ライブとしていますのでそれに準じた日にちと致しました。因みに11月29日はノルウェー、スタバンゲンでのライブとなります。ビートルズの「ヒアー・カムズ・ザ・サン」、そして大トリに演奏され本ライブ最大の聴きモノと言っても過言ではないボブ・ディランの「レイ・レディ・レイ」もご堪能頂けます。曲目も熱心なマニアからのご指示で今回修正されております。ライブ・アット・クラブ・アートデュール、ヨーテボリ、スウェーデン 11/21/1969 Disc 1 1.Everything I Love 2.My Back Pages 3.Moving Soon 4.Expectation 5.G Blues 6.Expectation Disc 2 1.Here Somes The Sun 2.Expectation 3.B Flat Major 4.Love No.1 5.Rainbow / Expectation 6.Life Between The Exit Sings 7.Lay Lady Lay キース・ジャレット(p) ガス・ネメス(b) ポール・モチアン(dr)