大好評を博している『CHELMSFORD 1980』と双璧を成す「オリジナルBLIZZARD」の名録音がブラッシュアップ。「GRAF ZEPPELIN」の細密マスタリングを経た最高峰更新サウンドをCDで復刻です。その名録音に吹き込まれているのは「1980年9月20日ロンドン公演」。伝統の名会場“ハマースミス・オデオン”での一夜を真空パックした極上オーディエンス録音です。「オリジナルBLIZZARD」と日付からピンと来ている方も多いことでしょう。昨年発掘されて大ヒットした名盤『DEFINITIVE LONDON 1980』のアップグレード・アルバムです。【ライヴも行っていた「奇跡の4人」】前作を体験された方、あるいは「GRAF ZEPPELIN」マスタリングの威力を実感されている方なら、もう心を決められている事でしょう。しかし、運悪く今回が初体験という方もいらっしゃるでしょうから、イチからご説明させていただきます。まず、「オリジナルBLIZZARD」とは何か。これは2大名盤『BLIZZARD OF OZZ』『DIARY OF A MADMAN』を創り上げた4人のこと。ランディ・ローズ時代のライヴは、ほとんどが「ルディ・サード/トミー・アルドリッジ」というリズム隊。しかし、初期の1980年に限ってはスタジオ作品と同じように「ボブ・デイズリー/リー・カースレイク」だったのです。もちろん当店では、そんな特別な時期を様々なライヴアルバムでアーカイヴ。ここでそのコレクションをおさらいしておきましょう。1980年《4月19日『BLIZZARD OF OZZ』完成》・9月3日+5日:ウォームアップ・ギグ(2公演)・9月12日ー18日(5公演)《9月20日『BLIZZARD OF OZZ』発売》・9月20日:ロンドン公演 ←★本作★・9月21日:ロンドン公演・9月23日『NIGHTS OF BLIZZARD(マンチェスター)』・9月24日ー10月1日(5公演)・10月2日:サウスハンプトン公演 ←※公式SBD・10月3日ー10月9日(5公演)・10月10日:トーントン公演・10月11日ー20日(6公演)・10月22日『CHELMSFORD 1980』・10月23日+24日(2公演)・10月26日『NIGHTS OF BLIZZARD(ロンドン)』・10月28日ー11月1日(4公演)1981年《2月ー3月『DIARY OF A MADMAN』制作》《3月:ボブ・デイズリー/リー・カースレイク離脱》これが「オリジナルBLIZZARD」の活動概要。サウンドボードは公式『TRIBUTE』やシングルに5曲ほど残っているだけで、フルショウはオーディエンス録音に頼らざるを得ない。そうなるとポイントなのが「ベスト録音はどれか?」。その回答が冒頭でご紹介した『CHELMSFORD 1980』であり、唯一の対抗馬が本作のハマースミス録音なのです(ただし、この日は他録音も知られており、そちらのクオリティは今ひとつ。ハマースミスなら何でも良いというわけでありませんのでご注意ください)。さて、そんな2大録音の片割れですが、そのサウンドは透き通る空気感をシャープな演奏音が貫くクリア・サウンド。重低音の迫力やサウンドボード的なド密着感では『CHELMSFORD 1980』が一歩上を行きますが、ディテールの細やかさや輪郭の鮮やかさではこちらに軍配が上がる。まさに頂上決戦を演じるのに相応しい龍虎の録音なのです。【細密マスタリングで甦った「もう1つの頂上録音」】そして、本作はそんな名録音の最高峰更新盤。昨年発掘された『DEFINITIVE LONDON 1980』の時点で既発群を問題外にしていましたが、今回はそのマスターの可能性を最大限に引き出すために「GRAF ZEPPELIN」が細密マスタリングを実施。入念に磨き直しました。すでに各所でご紹介してきたことですが、「GRAF ZEPPELIN」の手法はあくまで高精度・超ナチュラル志向。音圧稼ぎで原音の機微を潰しまくるリマスターとはまったく異なり、本来の鳴りやディテールを最大限に活かしつつ、ピッチ補正や位相修正、帯域分析などを細かく細かく修正。ダビングや経年劣化で生じた狂いを丁寧に正していく方法論であり、言わば「絵画の修復作業」にあたるものです。そして、その精度が常人離れしているからこそ、1つひとつでは判別付かないような磨き込みが積もり積もって「過去最高更新サウンド」「現場音の精密再現」が実現するのです。例えば、本作なら「Goodbye To Romance」1分ほどで発生する音揺れ。前回作『DEFINITIVE LONDON 1980』ではオジーのヴォーカルが微妙にダブつく感じなのですが、これが本作では綺麗に直っているのです。恐らく、本稿を読みながら前作を再生しても「ここ。。。かな?」と迷ってしまうほど微細な狂いだと思いますが、本作と聴き比べて頂ければ「本当に直ってる!」と気づかれるでしょう。つまり、それくらい聴き流してしまうような乱れの1つひとつまで修復しているのです。さらに今回の場合、上記の作業に加えてモノラル化も大きい。「なんでモノラルにしちゃうの?!」と思われるかも知れませんが、そもそもこの録音はモノラル・マイクで録音されたもの。それをデジタル化や流通の過程で疑似ステレオ化されていたのです。今回それをモノラル化した理由は2つ。1つは録音されたままのナチュラル感を取り戻すため。そして、もう1つはテープの走行ノイズを改善するためです。前回盤『DEFINITIVE LONDON 1980』を含むすべての既発では左右から高周波ノイズ(オノマトペ的に言いますと「コー」という感じ)が発生していたのですが、これはアナログテープの走行ノイズが原因でした。これは帯域補整でも消せないタイプなのですが、一度モノラル化する事で大幅に軽減できる。もちろん、左右チャン得るが少しでもズレていれば余計おかしくなりますので、位相を1/1000秒の狂いもなく合わせた上でモノ化。結果として無音の闇も深いクリアでディープなサウンドが誕生したのです。そんな細密のクリア・サウンドで描かれるのは、「生演奏版・現場体験版のBLIZZARD OF OZZ」。セットはライバル盤『CHELMSFORD 1980』の曲順違いだったりもしますが、決定盤だけにここでも整理し直しておきましょう。ブリザード・オブ・オズ(8曲)・I Don't Know(★)/Crazy Train(★)/Goodbye To Romance/No Bone Movies/Mr. Crowley/Suicide Solution/Revelation (Mother Earth)(★)/Steal Away (The Night)(★)その他(4曲)・シングル曲:You Looking At Me Looking At You(★)・サバス:Iron Man(★)/Children Of The Grave(★)/Paranoid(★)※注:「★」印はオリジナル編成での公式サウンドボードが発表されていない曲。……と、このようになっています。『BLIZZARD OF OZZ』から「Dee」以外の全曲を披露し、そこにレア曲「You Looking At Me Looking At You」を織り交ぜるスタイル。まさしく「生演奏版のBLIZZARD OF OZZ」なのです。『CHELMSFORD 1980』と対を成す「オリジナルBLIZZARD」のベスト録音、その最高峰更新盤です。ド迫力&ド密着な「サウンドボード感」を求めるなら『CHELMSFORD 1980』をお薦めしますが、「奇跡を起こした4人の生演奏」を機微の機微まで味わい尽くすなら本作こそが頂上なのです。永遠に決着の着かない、まさに龍虎の録音(リマスター・メモ)モノラル録音なので位相修正をしたあとに改めてモノ化。元々左右chから聞こえた「コー!」というカセットテープ特有の耳障りな走行音がなくなり、聞きやすくなっています。Goodbye To Romance 1:05付近の音揺れ修正「1980年9月20日ハマースミス・オデオン公演」の極上オーディエンス録音。ボブ・デイズリー/リー・カースレイクを含む「オリジナルBLIZZARD」でも『CHELMSFORD 1980』と頂点を競い合う名録音です。本作は、その伝説録音をGRAF ZEPPELINの細密マスタリングで磨き直した最高峰更新盤で、既発群では見逃されてきた極わずかな音揺れやテープの走行ノイズも綺麗に修復。レア曲「You Looking At Me Looking At You」だけでなく、生演奏版のBLIZZARD OF OZZとも言うべきフルショウを極上体験できます。 Live at Hammersmith Odeon, London, UK 20th September 1980 TRULY PERFECT SOUND(UPGRADE) (66:23) 1. Carl Orff: Carmina Burana 2. I Don't Know 3. You Looking At Me Looking At You 4. Crazy Train 5. Goodbye To Romance 6. No Bone Movies 7. Mr. Crowley 8. Suicide Solution 9. Guitar Solo/Suicide Solution (Reprise) 10. Drum Solo 11. Revelation (Mother Earth) 12. Iron Man 13. Children Of The Grave 14. Steal Away (The Night) 15. Paranoid Ozzy Osbourne - Vocals Randy Rhoads - Guitar Bob Daisley - Bass Lee Kerslake - Drums Lindsey Bridgewater - Keyboards