1960年代ロックの歴史的な瞬間を捉えたCSNYのサウンドボード・アルバム「COMPLETE WOODSTOCK 1969」のリリースを記念し、彼らの貴重なサウンドボード音源を用意しました。そのウッドストックでの大成功からスターダム街道を一気に登ったCSNYではありましたが、クロスビーが恋人を交通事故で亡くすという悲劇に見舞われ、一時的に活動を休止した時期があったのです。この時期、スティーブン・スティルスとグレアム・ナッシュが二人だけでステージに上がった様子を捉えた貴重な音源というのが存在します。それは10月25日、サンフランシスコのウインターランドでジェファーソン・エアプレインとグレイトフル・デッドというシスコの二大巨頭が出演したライブの幕間での出来事。先にステージに上がったエアプレインのセットが終わったところでビル・グレアムによって紹介されたスティルスとナッシュが登場。二人で短いアコースティックセットを披露したのでした。とはいえスティルス&ナッシュという組み合わせでは披露できる曲が限られてしまい、半分はスティルス一人のブルース弾き語り、さらに当時CSNYのセッションに参加してもらうなど親密な関係だったジョン・セバスチャンの曲「How Have You Been」のカバー、さらにはトラディショナル「Lonesome Valley」といった具合に当時のCSNYのステージとは無関係な曲ばかりが披露されていて面白い。何と言っても極めつけは前日にスタジオで録音が開始されたばかりの新曲「Teach Your Children」を披露してみせたことでしょう。当然ここでの演奏がライブ初演となります。ご存じのようにこの曲はナッシュとスティルスによって歌われた曲ですので、この状況下での演奏に打ってつけ。おまけに制作中ということもあって二人とも非常に丁寧に歌ってくれている。それどころかバックコーラスのアレンジがまだ決まっておらず、後に歌われるべき部分をスティルスがハミングしているというのも制作中ならでは。この後CSNYとしての代表曲はおろか、ウッドストック世代を代表する稀代の名曲にまで昇格する本曲がこんなタイミングで既にライブ披露されていたという事実を証明してくれる、あまりにも貴重な音源なのです。そしてスティルスのブルース・ギタリストとしての手腕が冴えまくる「Crossroads」に「Black Queen」の演奏も圧巻。何より嬉しいのが、この極めて貴重なステージがグレイトフルデッド側によってサウンドボードで録音されていたという!これがまたマスターリールからの収録となっていますので音質も最高。Winterland Ballroom, San Francisco, CA, USA 25th October 1969 SBD (21:49) 1. Bill Graham Intro 2. Crossroads 3. Teach Your Children 4. How Have You Been 5. Lonesome Valley 6. Black Queen SOUNDBOARD RECORDING