これはスゴい! 最新来日を記録した超極上ステレオサウンドボード級アルバムがまさかの誕生。そんな本作に刻まれているのは「2022年9月12日:オーチャードホール公演」。そのステレオ・IEM録音+極上オーディエンス録音の究極マトリクス・アルバムです。YESの最新来日と言えば、つい先日、全公演オーディエンス録音の一挙リリースが話題となったばかりですが、今度はステレオIEMが登場してしまったのです。今回オーチャードホールでは3公演が行われ、すべてセットも異なっていました。まずは、今一度スケジュール全景を振り返り、ショウのポジションを確認しておきましょう。・9月5日:オーチャードホール ・9月6日:オーチャードホール・9月8日:NHK大阪ホール・9月9日:ビレッジホール・9月12日:オーチャードホール ←★本作★ 以上、全5公演。本作はオーチャードホール3日目にしてジャパン・ツアー全体の最終日でもありました。前述した「全公演一挙リリース」でも最終日はラインナップされていましたが、そちらは完全オーディエンス。本作もマトリクス素材としてオーディエンス録音が使用されてはいますが、それも完全別録音。しかも、イン・イヤー・モニター素材もオーディエンス素材も録音家本人から譲られた本作だけのオリジナル録音であり、何から何まで全世界初公開となる衝撃のライヴアルバムなのです。もちろん、初登場なだけでは別にどうという事もない。真に衝撃なのは、そのサウンド・クオリティでして、言わば「まるでオフィシャル」級の超極上サウンドボードと言っても過言ではないレベルなのです。ひと口に「IEM+AUDのマトリクス」と言っても個性は様々で、もしかしたらオーディエンス録音の中から芯だけが突出するようなサウンドを思い浮かべる方もいらっしゃるかも知れません。しかし、本作はそういった類とまったく違う。バランスは明らかに「IEMが主/オーディエンスは従者」でして、サウンドボードでしかあり得ないゼロ距離&激烈セパレート感の芯が縦横無尽に飛び交う。実際、本作は聴いただけではオーディエンス要素が分からない。確かにIEM傍受にしては演奏音がリッチで、オフィシャル作品のように厚みもあれば艶ッ艶に輝いてもいる。しかし、それもホール鳴り効果なのかは確信が持てず、「マトリクスです」と言われなければ……いや、言われても「本当にマトリクス?」と思うほどミックスのバランスが最高なライン然としたド密着サウンドなのです。そんな美の極上イヤモニ音源で描かれるのは『危機』完全再現で沸いたフルショウ。彼らの来日IEM音源と言えば大作『TOKYO 2016: ORIGINAL IEM RECORDING』を思い出される方も多いのではないでしょうか。もちろん、今回はセットも大幅に異なりますので、ここで比較しながら整理してみましょう。『危機』完全再現・Close To The Edge(★)/And You And I/Siberian Khatru(★)その他・サードアルバム:Yours Is No Disgrace(★)/Starship Trooper・ソロタイム:To Be Over(★)/Leaves Of Green/Video Killed The Radio Star(★)・その他:Roundabout/Wonderous Stories(★)/On The Silent Wings Of Freedom(★)/Does It Really Happen?(★)/The Ice Bridge(★)※注:「★」印は『TOKYO 2016: ORIGINAL IEM RECORDING』で聴けなかった曲。……と、このようになっています。2016年はクリス・スクワイア追悼演出で開演しましたが、今回はアラン・ホワイト追悼からスタート。一口では言い表せない想いが去来しますが、その後はレア曲のオンパレード。さすがに「Starship Trooper」「Roundabout」「And You And I」といったお約束のド定番は6年前と共通していますが、それ以外はほとんど被らなず、しかも今回の方が遙かにレア度が高い。バンドが登場するや日本初公開となる「On The Silent Wings Of Freedom」を繰り広げ、「Does It Really Happen?」や『THE QUEST』の新曲「The Ice Bridge」など、新鮮な名曲を次々と披露してくれるのです。さらに言えば、最終公演は他日とは違う特別セット。「To Be Over」で始まるハウのソロ・コーナーはそのまま「Leaves of Green」へ発展しますし、さらにはジェフ・ダウンズのソロに移行して「Video Killed the Radio Star」まで聴かせてくれるのです。とにもかくにも、衝撃の超極上サウンドボード級IEMマトリクス音源の誕生です。最新の来日公演が脳みそに直接流し込まれるだけで鳥肌モノですが、それが『危機』50周年ツアーのフル・セットなのですからたまりません。しかも、完全オフィシャル級クオリティと来たもんだ……。全世界的にも未来永劫「危機の50周年」を象徴していく事になるであろう、日本発の文化遺産アルバム。「2022年9月12日:オーチャードホール公演」のステレオ・IEM録音。本作だけの初登場IEMサウンドボード音源に極上オーディエンス録音をマトリクスさせており、そのサウンドはオフィシャル級。ゼロ距離&激烈セパレート感の芯が縦横無尽に飛び交いつつ、その演奏音はリッチで、オフィシャル作品のように厚みもあれば艶ッ艶に輝いてもいる。未来永劫『危機』50周年ツアーを象徴していくであろう文化遺産アルバムの誕生です。 Live at Orchard Hall, Tokyo, Japan 12th September 2022 IEM+AUD MIX(from Original Masters) Disc 1 (55:55) 1. Turn of the Century (Alan White Tribute) 2. The Firebird Suite 3. On the Silent Wings of Freedom 4. Yours Is No Disgrace 5. Does It Really Happen? 6. Wonderous Stories 7. The Ice Bridge 8. To Be Over 9. Leaves of Green 10. Video Killed the Radio Star Disc 2 (66:37) 1. Close to the Edge 2. And You and I 3. Siberian Khatru 4. Roundabout 5. Starship Trooper Steve Howe - guitars, vocals Jon Davison - lead vocals, acoustic guitar, percussion Geoff Downes - keyboards, vocals Billy Sherwood - bass Jay Schellen - drums, percussion