3年ぶり二度目の全米ツアーに乗り出した初期フロイド復刻プロジェクトSAUCERFUL OF SECRETS。その最新ステージを伝える超極上ライヴアルバムが登場です。そんな本作に吹き込まれているのは「2022年9月26日ポート・チェスター公演」。その超絶級オーディエンス録音です。本作最大のポイントはとんでもなく素晴らしいサウンドにあるのですが、まずは何よりポジション。2022年のツアー・レポートは本作で4作目になりますので、それぞれの位置関係も併せて確認してみましょう イギリス・4月13日ー18日(4公演)・4月19日『OXFORD 2022』・4月20日+22日(2公演)・4月23日『ROYAL ALBERT HALL 2022』・4月24日ー5月11日(13公演)大陸ヨーロッパ・5月14日:ラナース公演・5月16日『COPENHAGEN 2022』・5月14日ー7月13日(37公演)北アメリカ・9月22日ー25日(3公演)・9月26日:ポート・チェスター公演 ←★本作★・9月27日ー11月1日(24公演)これが2022年のツアー・スケジュール。新プロジェクトの始動期だった2018年/2019年ツアーではほとんど全公演をレポートしましたが、その後になって公式ライヴアルバムも誕生。現在では各レッグを代表する極上録音だけを厳選してお届けしています。そして、本作こそ約2ヶ月のオフを挟んで始まった北米ツアーの代表作というわけです。まだ北米ツアーは始まって間もないのに「代表作」を宣言するのは些か時期尚早なのですが、そう断じたくなるほど本作は音が良い。普段なら「芯が……」「鳴りが……」「ディテールが……」と言葉にしていくところなのですが、本作はそういう次元ではなく「まるでオフィシャル作品」以外の言葉が浮かばない。すべてが完璧に美しく整っており、ヘッドフォンで耳を澄まして全力でアラを探しても……見当たらない。それこそ、正真正銘のオフィシャル『LIVE AT THE ROUNDHOUSE』と交互に再生しても負けていない。もはや「サウンドボードかオーディエンスか」「公式化非公式か」さえ問題外。手法によらず「生演奏の記録」としての最高峰を極めたような衝撃のクオリティなのです。それだけのサウンドになったのも理由がある。本作を手掛けたのは現代の名手と謳われる達人テーパー「spitback」。余り作品数は多くないのですが、最近ではプログレ系を中心とした最新録音で話題になっており、スティーヴ・ハケットの『RIDGEFIELD 2022』が公表を博しました。本作は、そんな名手コレクションでも上位の……いや、最高傑作となるであろう超・名録音なのです。そんなスーパー・サウンドで描かれるのは、2022年版の“SAUCERFUL OF SECRETS”。久々のレポートですし、上記の欧州ツアーとも微妙に異なっているので、改めて整理しておきましょう。シド・バレット時代・夜明けの口笛吹き:Lucifer Sam/Astronomy Domine/Bike・神秘:Remember A Day/Set The Controls For The Heart Of The Sun/A Saucerful Of Secrets・シングル他:Arnold Layne/Candy And A Currant Bun/Vegetable Man/See Emily Play その後・モア:The Nile Song・原子心母:If/Atom Heart Mother・おせっかい:One Of These Days/Fearless/Echoes・雲の影:Obscured By Clouds/When You're In/Burning Bridges/Childhood's End ……と、このようになっています。基本的には欧州レッグを踏襲した2022年仕様のセットリストですが、1曲「Interstellar Overdrive」をカット。曲数ボリューム的にはやや残念ではあるものの、よりタイトになったショウを楽しめます。それにしても……凄いサウンド。とんでもない録音です。オーディエンス録音ほど技術の日進月歩をビビッドに感じるものはありませんが、本作こそまさしく「2022年最先端のサウンド」に違いありません。先日はロジャー・ウォーターズの異常サウンド盤『VANCOUVER 2022(Amity 700)』をご紹介しましたが、本作はそのニック・メイスン版と言ってもいい。ロック界でもFLOYD系テーパーは音質レベルが別次元として知られていますが、それを重々承知していても驚かずにいられない化け物サウンドで描かれる「21世紀の初期フロイド」。「2022年9月26日ポート・チェスター公演」の超絶級オーディエンス録音。すべてが完璧に美しく整っており、「まるでオフィシャル作品」以外の言葉が浮かばないパーフェクト・サウンドで、正真正銘のオフィシャル『LIVE AT THE ROUNDHOUSE』と交互に再生しても負けていません。新型コロナ・パンデミックを乗り越え、3年ぶり二度目の北米ツアーを極上フル体験できます。Capitol Theatre, Port Chester, NY, USA 26th September 2022 ULTIMATE SOUND Disc 1(65:11) 1. Intro 2. One of These Days 3. Arnold Layne 4. Fearless 5. Obscured by Clouds 6. When You're In 7. Candy and a Currant Bun 8. Vegetable Man 9. If 10. Atom Heart Mother 11. If 12. Remember a Day 13. Set the Controls for the Heart of the Sun Disc 2(61:48) 1. Intro 2. Astronomy Domine 3. The Nile Song 4. Burning Bridges 5. Childhood's End 6. Lucifer Sam 7. Echoes 8. See Emily Play 9. A Saucerful of Secrets 10. Bike Nick Mason - Drums Guy Pratt - Bass, vocals Gary Kemp - Guitar, vocals Dom Beken - Keyboards Lee Harris - Guitar