ALCATRAZZを抜け、自分の音楽を自由に追求し始めた1985年のイングヴェイ・マルムスティーン。才気走るソロ初来日の現場を真空パックした初公開オリジナル録音が新発掘。そんな本作に刻まれているのは「1985年1月24日:中野サンプラザ」公演。その超絶級オーディエンス録音です。イングヴェイのソロ初来日と言えば、当店でも廃盤映像『CHASING YNGWIE』を筆頭に、数々の名作でアーカイヴしてきました。まずは、そのコレクション整理も兼ねて日程で確認してみましょう。・1月22日『FIRST RISING NIGHT(大阪)』・1月23日:名古屋市公会堂・1月24日:中野サンプラザ ←★本作★&公式・1月26日『TOKYO 1985 2ND NIGHT』・1月27日『ENSLAVING TONIGHT(東京)』以上、全5公演。いかに時代のヒーローとは言っても、当時はまだ『MARCHING OUT』も出ていない時期。ギタリストのソロは敷居が高いと思われたのか、東名阪をコンパクトに巡るスケジュールでした。その中で本作が記録されたのはド真ん中の3公演目。公式映像と同じショウでした。【超サウンドボード的な脅威の新発掘録音】「公式プロショットがあるのにオーディエンスをプレス?」と思われるかも知れませんが、本作はそれだけの価値がある。まず第一に、オフィシャルを超えるショウの完全収録。そもそもオフィシャル映像は3曲「Caught in the Middle」「Little Savage」「Evil Eye」がカットされ、さらに「Black Star」の位置も変えられていました。本作は、そうした変更をすべて解消。フルショウ全曲を現場通りに楽しめる完全アルバムなのです。第二に、正真正銘の生演奏。これまた有名な話ですが、オフィシャルはオーバーダブが施されていました。ヴォーカルが差し替えられていたり、一部ではギターの運指とフレーズが食い違っているシーンもありました。その点、本作は一発録りのオーディエンス録音ですから本生100%。神懸かった真なる生演奏がたっぷりと楽しめるのです。第三に(コレが一番重要)、この録音は「超」付きの極上サウンドなのです。独自ルートでもたらされたオリジナル・マスターなのですが、そこから流れ出るサウンドは超タイト&ダイレクト。芯はオンで力強く、距離感もゼロならディテールも超克明。何よりも驚きなのは、大気の存在感がない。もちろん、物理的に言えば大気がなければ音声は伝わらないのであくまでイメージの話ですが、ヘッドフォンで耳を澄ませてもホール鳴り成分が感じられない。厳密に言えば、ヴォーカルの歌い上げでやや「響き」も感じはするのですが、それは顕微鏡的に聴き込んでの話。実のところ、一部のパートで公式サウンドボードがパッチされている(後述します)のですが、それが可能なくらいにライン的なのです。さらにその「サウンドボード感覚」に拍車をかけているのが不自然なまでに少ないオーディエンス・ノイズ。いわゆる喝采や拍手のことですが、これが全然ない。曲間に公式サウンドボードが現れる(ちゃんと後述します)と、急に喝采が吹き上がる。サウンドボードに歓声を加える為にオーディエンス録音をマトリクスさせることはありますが、本作はまるで逆。どっちがサウンドボードなのか分からなくほどなのです。【公式サウンドボードも活用して実現した完全アルバム】さて、それではサウンドボードの補完についてもお話ししましょう。今回の初登場マスターは、実は切れ切れだったのです。恐らくはテープ残量を気にしたのでしょうが、曲間になると一時停止が繰り返されていた。本作は、そんなパートを『CHASING YNGWIE』の公式サウンドボードでパッチ。ショウの完全形を実現したわけです。下記曲目の補完ポイントをご覧頂くと「うわっ、こんなに……」と思われるかも知れませんが、実際に聴いてみるとほとんど違和感がないからびっくり。前述したように本作があまりにも極上サウンドなのに加え、補完ポイントはほとんどが曲間。演奏音が切り替わるところと言えば、「Don't Let It End」イントロと「Kree Nakoorie」の後のロングトーン、あとはドラムソロ/ギターソロの一部といったところで、楽曲には関わらない。これまた推測で恐縮ですが、当時は現在と違ってイングヴェイのコンサート・スタイルが知れ渡っていなかった。曲の前に軽く速射インプロするのも予期できず、長ーいソロタイムの静かなパートも曲間とカン違い……といった具合で一時停止を押してしまったのではないでしょうか。ともあれ、そんな超絶サウンドで描かれるのは、「完全版CHASING YNGWIE」となるフルショウ。最後にセットをチェックしておきましょう。マーチング・アウト(7曲)・I'll See The Light Tonight/Caught In The Middle(★)/Don't Let It End/On The Run Again/Anguish And Fear/I'm A Viking/Disciples Of Hell その他(9曲)・ライジング・フォース:As Above, So Below/Far Beyond The Sun/Black Star/Icarus' Dream Suite Op.4/Little Savage(★)/Evil Eye(★★)・アルカトラス:Kree Nakoorie/Hiroshima Mon Amour/Jet to Jet ※注:「★」印は公式映像ではカットされていた曲。特に「★★」印は他公演では演奏していない曲。……と、このようになっています。ネオクラシカル・メタルの雛形として世界を席巻する事になる『MARCHING OUT』の名曲群を大盤振る舞い。しかも『MARCHING OUT』より遙かに音が良く(苦笑)、ステージ・テンションでビルド・アップされている。差し替え前の生ヴォーカルや異なるフレーズを探るのも面白いですが、演奏そのものがとにかく苛烈。イングヴェイはステージでこそ本領を発揮するタイプですが、荒ぶっていながら正確無比なピッキングと手グセ感のない速射フレーズの鮮やかさは歴代No.1ではないでしょうか。チューニングが狂う「Anguish and Fear」やところどころで発生するハウリングなど、機材面では完璧とはいかずに差し替えもしたのでしょうが、演奏自体は脅威そのものです。まさに「完全版CHASING YNGWIE」であり「本生100%CHASING YNGWIE」。イングヴェイ来日史でも最高と謳われる1985年のソロ来日。その象徴公演の真の姿をサウンドボード裸足のクオリティでフル体験できる文化遺産アルバムです「1985年1月24日:中野サンプラザ」公演の超絶級オーディエンス録音。公式映像『CHASING YNGWIE』と同じショウですが、カットされていた3曲「Caught in the Middle」「Little Savage」「Evil Eye」も楽しめる完全版。一部のヴォーカルやギターなど、公式では差し替えられていたパートも本生100%です。しかも、クオリティまでオフィシャル級。曲間の録音漏れを公式サウンドボードで補完していますが、どちらが客録パートなのか分からないほどの超タイト&ダイレクトな衝撃の新発掘盤です。関係者流出の公式映像撮影日の、アンビエント・マイク録音。オーディエンスノイズが殆ど聞こえないという、驚きの超高音質録音。資料用(作業用)テープのせいか、曲間にカットが有りますが、それは逆に公式ビデオから補填。史上初めて、この日の完全版を再現しました。Live at Nakano Sun Plaza, Tokyo, Japan 24th January 1985 ULTIMATE SOUND(from Original Masters)★完全初登場ソース。Disc:1 (50:29) 1. Intro ★全部補填 2. I'll See the Light, Tonight ★0:00 - 0:02 補填 *3. Caught in the Middle 4. As Above, So Below ★ 3:53 - 最後迄補填(曲間 5. Don't Let It End ★0:00 - 0:29 補填(イントロ)※ 6. Far Beyond the Sun ★5:44 - 最後迄補填(曲間)7. On the Run Again ★0:00 - 0:02 補填 / 3:19 - 最後迄補填(曲間)8. Acoustic Guitar Solo / Black Star ★0:00 - 0:27補填(イントロの軽弾き)※ 9. Anguish and Fear (incl. Drum Solo) ★0:00 - 0:13 補填 / 4:05 - 6:36 補填(ドラムソロ)※ 10. Icarus' Dream Suite Op.4 11. I'm a Viking Disc:2 (45:51) *1. Little Savage 2. Kree Nakoorie ★5:30 - 最後迄補填(最後の伸ばし)※ 3. Guitar Solo★0:00 - 0:08 補填 / 1:05 - 1:59 補填 / 4:36 - 5:22 補填 / 6:13 - 6:16 補填 / 9:26 - 最後迄補填(演奏)※ 4. Disciples of Hell ★6:03 - 最後迄補填(曲間)5. Hiroshima Mon Amour ★0:00 -0:01 補填(曲間) *6. Evil Eye 7. Jet to Jet ★8:18 - 最後まで補填(終演後)Yngwie Malmsteen - Guitar Jeff Scott Soto - Vocals Jens Johansson - Keyboards Marcel Jacob - Bass Anders Johansson - Drums