新型コロナ・パンデミックを乗り越え、50周年ツアーに乗り出したURIAH HEEP。その現場を伝えるオリジナル録音が到着です。そんな本作に吹き込まれているのは「2022年10月5日ロンドン公演」。その極上オーディエンス録音です。また、本作はパンデミック後URIAH HEEPの第一報レポートでもあります。良い機会ですので、ちょっと広めに活動再開からの歩みを俯瞰してみましょう 2021年・7月25日ー8月28日:欧州#1(6公演)2022年・1月28日+29日:英国(2公演)・6月4日ー8月20日:欧州#2(17公演)“50th Anniversary Tour”・9月9日ー10月18日:欧州#3(24公演)←★ココ★・11月14日ー12月15日:欧州#4(25公演)2023年・4月4日ー26日:ロシア(14公演) これが現在までに公表されている2021年ー2023年のスケジュール。昨年夏からライヴ活動を再開させ、2022年から本格的なツアーも開始。特に秋口の「欧州#3」からが“50th Anniversary Tour”になります。更に驚きなのは、来年4月。大規模なロシア・ツアーも予定されており、本当にできるのか、(いろいろな意味で)やって大丈夫なのか心配になります。ともあれ、そんな中で本作のロンドン公演は50周年ツアーの開始直後。「欧州#3」の14公演目にあたるコンサートでもありました。そんな現場を真空パックした本作は「極上」を画に描いたような名録音。録音家本人か譲られた本作だけのオリジナル録音なのですが、その録音家こそ当店では“英国の巨匠”でお馴染みの伝説的な名手。新型コロナ・パンデミックが発生してからしばらくご無沙汰でしたが、80年代からずっと英国シーンを記録し続けてきた達人であり、本作は久々の新作なのです。そして、そのサウンドはまさに匠の業物。いかにサウンドボードに近づけるかではなく、「リアルな臨場感と現代的なクリアさの両立」を追究するタイプの録音家で、日本で喩えるならキニーにも通じる。本作はその美学が貫かれており、クリスタル・クリアな空気感のド真ん中を骨太な芯がレーザー光線のように真っ直ぐ突き進む。ホール鳴りも吸い込んだ音色ではあるものの、それがディテールを曇らせるどころか、むしろキラキラとしたエッジの輝きさえ生み出しているのです。しかも、その輝きがどんなアンサンブルにも対応するから凄い。実は、URIAH HEEPの50周年ツアーはショウ前半がアコースティック、後半がエレクトリックという二部構成なのですが、本作は園両方が極めて美しい。アコースティックではシンプルな響きが気品ある“ロンドン・パレイディアム劇場”の空間を満たし、エレクトリックではグイグイと迫ってくるド迫力を活写している。出音がまったく違うにも関わらず、双方で安定して美しく、しかも不思議な統一感も滲ませている。あらゆる会場、あらゆるミュージシャンを記録し続けてきた巨匠だからこその成し得た匠の美録音なのです。そんな美音の世界で描かれるのは、半世紀の間に生み出されてきた名曲コレクション。ここではアコースティック/エレクトリックをまとめて整理してみましょう。バイロン時代(15曲+α)・悪魔と魔法使い:メドレー(The Wizard/Paradise/Circle of Hands:★)/Traveller in Time/Rainbow Demon/Easy Livin'・魔の饗宴:Tales(★)/Rain(★)/Sunrise/Sweet Lorraine・その他(アコースティック):Come Away Melinda(★)/Lady In Black(★)/Circus(★)/Confession(★)・その他(エレクトリック):Gypsy/July Morning/Stealin’ その後(7曲)・ロートン時代:Free Me(★)/The Hanging Tree/Free 'n' Easy・ゴールビー時代:Too Scared To Run・ショウ時代:Against The Odds/Between Two Worlds/What Kind of God ※注:「★」印は第一部アコースティック・セットで演奏された曲。……と、このようになっています。いつにも増してカラフル。『悪魔と魔法使い』『魔の饗宴』の2作は厚めですが、それ以外のアルバムは1ー2曲だけでメチャクチャ幅広い。特に多彩なのは前半のアコースティック・セット。いきなり『スイート・フリーダム』の「Circus」からスタートしますし、その後も「Tales」「Come Away Melinda」「Confession」とレア曲が連発。「あれ? この曲どのアルバムだっけ?」と脳が追いつかないくらいです。エレクトリックに移るとグッと定番曲も増えるのですが、今度は時代の飛び幅が凄い。90年代の名曲「Against The Odds」で始まったと思えば、ジョン・ロートン時代の「The Hanging Tree」に飛び、今度は「Traveller in Time」で一気にバイロン時代に戻り、『ソニック・オリガミ』の「Between Two Worlds」で再び90年代へ。その後もピート・ゴールビー時代の「Too Scared To Run」や近年の「What Kind of God」等々、常に良い曲を書き続けてきた50年の重みを見せつけるようなライヴなのです。半世紀の間に生み出して来た多彩な名曲を、多彩なアンサンブルと匠の美音でフル体験できる新名盤です。LED ZEPPELINは元よりBLACK SABBATHもすでに亡く、DEEP PURPLEからもスティーヴ・モーズが去った。そんな2022年にあって、もっとも現役感たっぷりに50周年を祝うことが出来たのはURIAH HEEPでした。栄光に輝く英国ロックの50年。「2022年10月5日ロンドン公演」の極上オーディエンス録音。“英国の巨匠”でお馴染みの名手による最新録音で、クリスタル・クリアな空気感のド真ん中を骨太な芯がレーザー光線のように真っ直ぐ突き進む。ホール鳴りもキラキラとしたエッジの輝きを生み出す美録音です。半世紀の間に生み出して来た名曲群を幅広く披露する50周年ツアーを極上フル体験できます。London Palladium, London, UK 5th October 2022 TRULY PERFECT SOUND(from Original Masters) Disc 1 (79:41) Set one : Acoustic Band 1. 50th Anniversary Introduction Film with Greetings from Def Leppard, Judas Priest, Steve Harris, Joe Lynn Turner, Alice Cooper, Diamond Head, Blue Oyster Cult, Deep Purple, Brian May, Ian Anderson, Scott Gorham, Joey Tempest, Biff Byford 2. Circus 3. Tales 4. Free Me 5. Come Away Melinda 6. Confession 7. Rain 8. The Wizard/Paradise/Circle of Hands 9. Lady in Black Set two: Electric Band 10. Opening Video (Blood Red Roses) 11. Against The Odds 12. The Hanging Tree 13. Traveller in Time 14. Between Two Worlds 15. Stealin' Disc 2 (51:47) 1. Too Scared To Run 2. Rainbow Demon 3. What Kind of God 4. Sunrise 5. Sweet Lorraine 6. Free n Easy 7. July Morning 8. Gypsy 9. Easy Livin' Bernie Shaw - lead vocals Mick Box - guitar, backing vocals Phil Lanzon - keyboards, backing vocals Dave Rimmer - bass, backing vocals Russell Gilbrook - drums, percussion