幻の名シンガー:キース・スラックをフロントに据えた2000年マイケル・シェンカー。貴重ラインナップの現場をフル体験できるオリジナル録音が登場です。そんな本作に吹き込まれているのは「2000年5月23日:名古屋ダイヤモンドホール」。その絶品オーディエンス録音です。当時のマイケルは1998年の「UFO切り上げ事件」の余波もあってジャパン・ツアーも縮小。何よりもまず「本当にライヴをやるのか?」が一番の話題という時期でもありました。そんな記憶を呼び覚ます為にも、まずは当時の来日スケジュールから紐解いてみましょう。・5月23日:名古屋ダイヤモンドホール ←★本作★・5月24日『OSAKA 2000』・5月25日:横浜ベイホール・5月27日『TOKYO 2000(公式映像)』以上、全4公演。当店では、公式映像『LIVE IN JAPAN THE UNFORGIVEN WORLD TOUR 2000』を復刻した『TOKYO 2000』も定番となっておりますが、あれはジャパン・ツアーの最終日。それに対し、本作の名古屋公演はイの一番となる初日。本作の登場により、横浜を除く全公演が楽しめるようになったわけです。そんなショウを真空パックした本作は、透き通る空気感も美しいクリア・サウンド。音色的にもサウンドボードと間違えるようなド密着タイプではありませんが、事細かなディテールや見事なセパレート感は公式映像『TOKYO 2000』にも負けていない……と言いますか、ベースがオフ気味だったオフィシャル映像よりも均整が取れ、迫力もあるくらいです。さらにライヴハウスならではの密室感も美味しい。演奏音がグイグイと目の前に迫り、すぐそこでフライングVが振動しているのが分かる。しかも、その演奏音が歓声に邪魔されない。ここで誤解しないでいただきたいのは、シラけた会場ではないという事。実際には真逆でして、不人気な時期でも無関係に集まってきた観客達の愛は本物。その情熱を狭いハコに詰め込んだ密度は、スピーカーから熱風が吹き出しそうなほどです。しかし、その熱狂が不思議なほど遠く、演奏との間に入ってこない。狭い“名古屋ダイヤモンドホール”の一体どこにこんなスウィート・スポットがあるのか……聴けば聴くほど、そんな疑問にも囚われる名録音なのです。そんなクリア・サウンドで描かれるのは、隠れた名シンガー:キース・スラックによって染め変えられた名曲の宝箱。ざっくばらんに言ってセットは『TOKYO 2000』と同一だったりするのですが、ここではより広く知られている硬式ライヴアルバム『THE UNFORGIVEN WORLD TOUR』との比較で記しておきましょう。70年代/80年代クラシックス(11曲)・神:Cry For The Nations(★)/Into The Arena/Armed And Ready・神話:Let Sleeping Dogs Lie(★)/Looking For Love(★)/On And On(*)/Attack Of The Mad Axeman(*)・その他:Rock My Nights Away(★)/Captain Nemo/Too Hot To Handle/Lights Out 90年代以降(8曲)・ジ・アンフォーギヴン:Pilot Of Your Soul(*)/In And Out Of Time(★)/The Mess I've Made(*)/Hello Angel(★)/Fat City N.O.(*)・その他:Three Fish Dancing(★)/Essenz/Written In The Sand ※注:「★」印は公式ライヴアルバム『THE UNFORGIVEN WORLD TOUR』では聴けなかった曲で、「*」印はケリー・キーリングが歌っていた曲。……と、このようになっています。『THE UNFORGIVEN WORLD TOUR』ではケリー・キーリングも結構な頻度で歌っていましたが、ここでは全編キース。当時のMSGはシンガーがコロコロ代わっており、特にキースはスタジオ作を残せなかった。しかも、MSGの他にはTAZ TAYLOR BANDやマイク・スラマーのSTEELHOUSE LANEなど、猛烈に玄人受けなバンドばかりという幻のシンガーなのです。しかし、その歌声はマイケル好みのハスキー系で、歌唱力もマイケルとの相性も素晴らしい。ゲイリー・バーデンのイメージを崩すことなく、更なるエネルギーを注入できる希有な存在でもあった。本作は、そんな貴重な時代のフルショウを体験できる新発掘ライヴアルバムなのです。本作自体が素晴らしいサウンドの音楽作品であり、公式映像『TOKYO 2000』や傑作『OSAKA 2000(Shades 839)』と併せれば、貴重な時代をアーカイヴするコレクションでもある。オフィシャル作品だけでは見逃しがちな「キース・スラック時代」をフル体験できる新名盤。幻の名シンガー:キース・スラックをフロントに据えた「2000年5月23日:名古屋ダイヤモンドホール」の絶品オーディエンス録音。透き通る空気感も美しいオリジナル録音で、細かなディテールや見事なセパレート感も絶大。この年の来日は公式映像『TOKYO 2000』にも残されていますが、ベースがオフ気味だったオフィシャル映像よりも本作の方が均整の美に溢れ、迫力もあるくらいです。スタジオ作を残せなかったキースの歌声で甦った名曲群をたっぷり楽しめるマニアックな銘品です。Live at Club Diamond Hall, Nagoya, Japan 23rd May 2000 TRULY PERFECT SOUND(from Original Masters) Disc 1 (48:34) 1. Cry for the Nations 2. Let Sleeping Dogs Lie 3. Rock My Nights Away 4. Three Fish Dancing 5. Captain Nemo 6. Essenz 7. Into the Arena 8. Written in the Sand 9. Pilot of Your Soul 10. In and Out of Time Disc 2 (49:08) 1. The Mess I've Made 2. Hello Angel 3. Fat City N.O. 4. Looking for Love 5. On and On 6. Attack of the Mad Axeman 7. Armed and Ready 8. Too Hot to Handle 9. Lights Out Michael Schenker - Guitar Keith Slack - Vocals Barry Sparks - Bass Wayne Findley - Guitar, Keyboards Shane Gaalaas - Drums