今なおブレインとしてタッグを組んでいるマイケル・ヴォス。彼をフロントに据えた2012年の日本公演を極上体験できるオリジナル録音が登場です。そんな本作に吹き込まれているのは「2012年3月29日:中野サンプラザ公演」。その超極上オーディエンス録音です。当時はドラムにSCORPIONSのハーマン・ラレベルを迎えた新プロジェクトという事で注目集め、当店でも数々の傑作ライヴアルバムでアーカイヴしてきました。良い機会でもありますので、当時のスケジュールに照らしつつコレクションを整理しておきましょう。・3月27日『DEFINITIVE TEMPLE OF OSAKA』・3月28日:クラブダイアモンドホール・3月29日:中野サンプラザ ←★本作★・3月30日『THE LAST TEMPLE IN TOKYO(中野)』 以上、全4公演。ゲイリー・バーデンを呼び戻した30周年ツアーのインパクトが強すぎたのか、この時は東名阪をコンパクトに巡るスタイル。今回が3作目のライヴアルバムであり、本作の登場をもって名古屋以外の全公演が明らかになったわけです。そんな現場を真空パックした本作は、まさに極上の銘品。独自ルートでもたらされたオリジナル録音でして、強力なダイレクト感と細部まで超克明なディテールが素晴らしい。沸き立つ喝采も生々しく吸い込みつつ、それらも距離感のない演奏音よりも遠くに感じられる。まるでステージ上でメンバーに囲まれているような没入感に襲われる超ビビッド録音です。顕微鏡的にムリヤリ探せばスネアの音色等にオーディエンスらしさも感じられはするのですが、裏を返せば全力で証拠を探さなければ、客録らしさが見当たらないのです。さらに驚きなのは、そこまでド直球でありつつ、まるでビビらない。バンドが一丸になって攻めてきても細部の細部まで綺麗に描かれ、輪郭はくっきりと美しく鳴りも淀みない。マイケル・シェンカーのトロけるトーンはどこまでも甘美ですし、マイケル・ヴォスのハスキー・ヴォイスは気泡感まで超鮮やか。もちろん、ホール鳴りによる曇りや濁りもまったくない。本稿を書く為にいやらしく全力でアラを探しながら聴いているわけですが、まったく思いつかない名録音なのです。そんな美麗サウンドで描かれるのは、UFOともMSGとも異なりつつ、神のキャリアを総括する新プロジェクトのフルショウ。ここでその内容も整理しておきましょう。UFO(8曲)・新たなる殺意:Too Hot To Handle/Love To Love/Lights Out・その他:Rock Bottom/Doctor Doctor/Shoot Shoot/Let It Roll/Natural Thing その他(8曲)・MSG:Into The Arena/Armed And Ready/On And On・テンプル・オブ・ロック:Hanging On・スコーピオンズ:Lovedrive/Another Piece Of Meat/Rock You Like A Hurricane/Blackout ……と、このようになっています。新曲「Hanging On」に留め、UFO/MSG/SCORPIONSの各種クラシックスが猛ラッシュ。そのバランスは明らかにUFOに特化しており、SCORPIONSもハーマンを迎えた事で本来マイケルとは関係ない「Rock You Like A Hurricane」「Blackout」まで演奏。当時の驚きが甦ってくるようです。もっとも、現在ではその後二度にわたるTEMPLE OF ROCKでの来日も知っている。今となっては馴染み感さえあるセットだったりもしますが、逆に新鮮に響くのがマイケル・ヴォスの歌声でしょう。元々マイケル・シェンカーはハスキー・ヴォイスを好みますが、ヴォスはジョン・ボン・ジョヴィを思わせるフックのある声。それが非常にキャッチーで、歴代の名曲群を魅力的に染め変えている。さすがにハイノートが連続するSCORPIONSナンバーは厳しい気もしますが、それでも「Another Piece Of Meat」「Rock You Like A Hurricane」辺りは独特のフェイクがクラウス・マイネとも違った色気を醸してもいる。そして何より出色なのがUFOナンバー。明るいロックンロール調ですし、音域も広くない。こうなると甘みのあるキャッチーな旨みが全開で、そもそもノリの良い曲がさらに躍動し、熱い歌いっぷりがフィル・モグ以上にグルーヴィ。誤解を恐れずに言いますと、SCORPIONSナンバーは米国ツアーで歌ったロビン・マッコーリーに軍配が上がりましたが、UFOナンバーは歴代の誰よりもヴォスが似合う。それこそ、この歌声で『STRANGERS IN THE NIGHT』の完全再現をして欲しいほどです。「もしマイケル・シェンカーがBON JOVIに入ったら?」……そんなあり得ない妄想まで掻き立てられるマイケル・ヴォス時代。後のドゥギー・ホワイトの方が器用だったかも知れませんが、強い個性で染め変えるからこそロックは面白い。ヴォスの歌声は、その醍醐味を思い出させてくれるのです。そんな貴重なフルショウをサウンドボード裸足の超極上サウンドで味わえる新名盤。「2012年3月29日:中野サンプラザ公演」の超極上オーディエンス録音。強力なダイレクト感と細部まで超克明なディテールが素晴らしく、まるでステージ上でメンバーに囲まれているような没入感に襲われる超ビビッド録音です。マイケル・ヴォスはジョン・ボン・ジョヴィを思わせる甘くキャッチーなハスキー・ヴォイスで、特にUFOナンバーで抜群の相性を聴かせる。そんな貴重なフルショウをサウンドボード裸足の超極上サウンドで味わえる新名盤です。Live at Nakano Sunplaza, Tokyo, Japan 29th March 2012 TRULY PERFECT SOUND(from Original Masters) Disc:1 (47:52) 1. Intro 2. Into the Arena 3. Armed and Ready 4. Lovedrive 5. Another Piece of Meat 6. On and On 7. Hanging On 8. Shoot Shoot 9. Too Hot to Handle 10. Love to Love Disc:2 (42:07) 1. Let It Roll 2. Natural Thing 3. Lights Out 4. Rock You Like a Hurricane 5. Rock Bottom 6. Blackout 7. Doctor Doctor Michael Schenker - Lead Guitar Herman Rarebell - Drums Michael Voss - Vocals, Guitar, Percussion Elliott Rubinson - Bass Wayne Findlay - Keyboards, Guitar