『LITTLE QUEEN』とシングル『Barracuda』の大ヒットでブレイクスルーを果たした1978年のHEART。その全盛の生演奏を脳みその流し込むサウンドボード・アルバムがブラッシュアップ。「GRAF ZEPPELIN」の細密マスタリングを経た至高サウンドCDで登場です。そんな本作に刻まれているのは、もちろん「1978年3月18日オンタリオ・モーター・スピードウェイ」。35万人を動員したという歴史的な巨大フェス“CALIFORNIA JAM 2”に出演した際のサウンドボード録音です。1978年のHEARTと言えば、『LITTLE QUEEN』のヒットを受けて『MAGAZINE』が仕切り直しリリースされ、更にダメ押しするかのように『DOG & BUTTERFLY』を畳みかけていった絶頂時代。まずは、その栄光の歩みを振り返り、ショウのポジションを確かめてみましょう。1977年・2月13日ー3月24日:北米#1(3公演)《4月19日『MAGAZINE』初回リリース》・4月28日ー5月12日:北米#2(4公演)《5月14日『LITTLE QUEEN』発売》・5月21日ー12月31日:北米#3(55公演)1978年・1月1日+2日:北米#4(2公演)・3月10日ー4月2日:北米#5(5公演)←★ココ★《4月22日『MAGAZINE』正式盤リリース》・6月11日ー10月6日:北米#6(32公演)《10月7日『DOG & BUTTERFLY』発売》・10月7日ー12月31日:北米#7(36公演)←※LARGO 1978 これが1977年/1978年のHEART。前後の1976年だと欧州ツアー、1979年には初来日もあったりしましたが、この2年間はひたすら北米のみでした。そんな中で本作の“CALIFORNIA JAM 2”出演は、“LITTLE QUEEN Tour”の一環。『MAGAZINE』正式盤リリースの直前である「北米#5」の4公演目にあたるコンサートでした。世紀の一大イベントだけあって数々の記録が残っているわけですが、特に30年以上前に流出したサウンドボード録音が格別でした。明らかにミックス卓直結な生々しいサウンドボードで当日セットを全曲フル収録。勢いに乗るバンド・アンサンブルと海原のような大群衆を目の当たりにしたハイパーテンションが脳内に直接飛び込んでくる……いや、黄金の6人が頭の中にいるような完全一致のシンクロ感を味わえたのです。そして、本作はそんな流出サウンドボード音源を精緻に復刻。さらに「GRAF ZEPPELIN」マスタリングで磨き直した最高峰更新盤なのです。実際、その精度はかつてない。流出したのは90年代も極々初期でして、当時は独自マスタリングもおぼつかない時代でした。妙な音圧稼ぎのないナチュラルなサウンドが残っていたのは有り難い反面、編集は雑。例によってモノラル・サウンドボードが左右2chの両方に記録されていたわけですが、その位相がズレていたり、曲間でのテープ・チェンジで同じパートが繰り返されていたり。大筋で超絶なクオリティを汚すものではなかったとは言え、ロック史の至宝記録に対して、あまりの大雑把でもありました。本作では、そうしたアラを逐一補正。位相を1/1000秒のズレもなく整え、帯域分析でバランスも調整。重複していたパートも綺麗に整えている。さすがに流出系だけにラフさはあります(それが美点でもありますから)が、音楽作品としても歴史を伝える記録としても完成度をグッと高めたのです。そんなブラッシュアップ・サウンドで画かれるのは、一世一代の大舞台に臨む若きHEARTの大熱演。1978年と言えば(時期はチョット違いますが)定番のプロショット『LARGO 1978』もお馴染みですので比較しながら整理してみましょう。リトル・クイーン(6曲)・Sylvan Song(★)/Dream Of The Archer(★)/Love Alive/Kick It Out/Little Queen(★)/Barracuda その他(8曲)・ドリームボート・アニー:White Lightning & Wine/Dreamboat Annie(★)/Magic Man/Crazy On You・そ他:Heartless/Devil Delight/Silver Wheels/Mistral Wind ※注:「★」印は定番プロショット『LARGO 1978』で聴けない曲。……と、このようになっています。『DOG & BUTTERFLY』リリース以前だけに新曲は「Mistral Wind」に留め、大ヒット中の『LITTLE QUEEN』ナンバーを大盤振る舞い。ZEPを思わせる激レアな「Sylvan Song/Dream Of The Archer」も美味しいですし、「Barracuda」「Kick It Out」「Love Alive」といった必殺曲もオリジナル6人のバンド・ポテンシャルで披露されるのです。繊細かつダイナミックなハードロックで「女声ZEP」とも言われた70年代のHEART。その絶頂中の絶頂とも言える伝説のステージを脳内にねじ込んでくるサウンドボード・アルバムです。その最高峰サウンドCD。1バンドの傑作であり、同時のロック史の1ページを証言する音の証拠品ともなる1枚。★位相修正★重複カット2箇所の音のダブリを削除しノーカットに復旧し。これによりほぼノンストップ完全収録(“Love Alive”演奏後の曲間のみ若干欠落のまま)を実現!★帯域的にも若干ですが高域を補正(むやみなEQ処理はしてません)。「1978年3月18日カリフォルニア・ジャムII」のサウンドボード録音。ミックス卓直結な生々しさ全開で、当日セットを全曲フル収録。勢いに乗るバンド・アンサンブルや海原のような大群衆を目の当たりにしたハイパーテンションが脳内に直接飛び込んでくる。本作は、そんな強烈サウンドボードを「GRAF ZEPPELIN」マスタリングで磨き直した最高峰更新盤。70年代の名曲群と一世一代の大舞台に臨む大熱演が楽しめる文化遺産です。The Ontario Motor Speedway, Ontario, CA, USA 18th March 1978 SBD(UPGRADE) (66:09) 01. Introduction 02. Sylvan Song 03. Dream Of The Archer 04. Love Alive 05. Heartless 06. White Lightning & Wine 07. Kick It Out 08. Silver Wheels 09. Dreamboat Annie 10. Mistral Wind 11. Little Queen ★演奏後曲間重複カットをノーカット復旧 12. Devil Delight ★演奏後曲間重複カットをノーカット復旧 13. Magic Man 14. Barracuda 15. Crazy On You Ann Wilson - Vocals Nancy Wilson - Guitars & Vocals Roger Fisher - Lead Guitar Michael Derosier - Drums Steve Fossen - Bass & Vocals Howard Leese - Keyboards, Guitars & Vocals SOUNDBOARD RECORDING