『MAGNUM OPUS』時代の末期に、自ら歌う特別公演を行っていたイングヴェイ・マルムスティーン。その現場を伝える貴重なライヴアルバムがリリース決定です。そんな本作に吹き込まれているのは「1995年12月10日ルツェルン公演(スイス)」。その一部始終を真空パックしたフル・オーディエンス録音です。『MAGNUM OPUSN』時代と言えば、史上最大のジャパン・ツアーでも思い出深いところですが、もちろん北米や欧州も巡るワールド・ツアーも実施していました。まずは、その全景を振り返ってみましょう。《6月21日『MAGNUM OPUS』発売》・8月24日ー30日:北米(7公演)・9月8日ー30日:日本(17公演)・11月4日ー12月23日:欧州(39公演)←★ココ★ これが1995年のイングヴェイ・マルムスティーン。全17公演という巨大なジャパン・ツアーをこなした後は約1ヶ月ほどオフを取り、欧州全域をサーキット。本作のルツェルン公演は、その31公演目にあたります。この「欧州」レッグの代表作と言えば、名盤『KRISTIANSTAD 1995』もお馴染み。ここで「欧州」にフォーカスし、両作の位置関係もチェックしておきましょう。「欧州」レッグの詳細・11月4日ー20日(13公演)*11月21日『KRISTIANSTAD 1995』・11月22日ー12月9日(16公演)*12月10日:ルツェルン公演 ←★本作★・12月15日ー23日(8公演)……と、このようになっています。本作は『KRISTIANSTAD 1995』から3週間も離れていないのですが、ショウ内容はまるで異なる。『KRISTIANSTAD 1995』ではマイク・ヴェセーラが歌っていましたが、本作では全編でイングヴェイ自身がリード・ヴォーカルを務めているのです。ヴェセーラの解雇は1996年になってからと言われており、当時はまだ在籍中。何か別の理由で欠席したようです。そんな激レアなショウを真空パックした本作は、サウンドまで素晴らしい。ひと言で言うと「久しぶりに聴いた昔のFMエアチェック・テープ」という感じ。うっすらヒスの被ったサウンドにはヴィンテージ感が漂いはするものの、その芯は猛烈に極太で距離も感じられず、それに伴ってディテールも超鮮明。ヘッドフォンでよくよく聴き込めばスネアの鳴りにオーディエンスっぽさは感じられますが、それも音色レベルの話。客録離れしたド密着感に酔いしれられる名録音なのです。その超ダイレクト&タイト・サウンドで画かれるのは、イングヴェイが歌うからこその激レア・フルセット。早速その内容も整理しておきましょう。インスト(10曲+α)・オリジナル:Perpetual/Evil Eye/Far Beyond The Sun/Amberdawn/Overture 1622/Trilogy Suite Op: 5/Krakatau/Brothers/Black Star・その他:Adagio In G Minor/Badinerie ヴォーカル曲(5曲)・ジミヘン曲:Spanish Castle Magic/Red House/Purple Haze・その他:Fire In The Sky/Smoke On The Water ざっくり俯瞰すると「歴代のインスト曲」の大盤振る舞い。ヴォーカル曲は5つ取り上げられており、イングヴェイお得意の「ジミヘンのカバー」が軸となっています。そんな中で耳を惹くのが『MAGNUM OPUS』の「Fire In The Sky」。この曲自体が“MAGNUM OPUS Tour”だけの限定ナンバーなわけですが、それをイングヴェイ自身が歌う。まさに本作だけの「超」激レアな1曲なのです。カバー曲のラッシュは『INSPIRATION』のプレリュードのようでもあり、「Fire In The Sky」には現在に繋がる「ネオクラ曲を歌うイングヴェイ」の萌芽も垣間見える。そんな激レアなフルショウを極太タイト・サウンドで楽しめる銘品。MAGNUM OPUS Tourでありながらイングヴェイ自身が歌う特別公演の貴重ライヴアルバムがリリース。歴代インストの総決算に加え、お得意のジミヘン・カバー、イングヴェイが歌う激レアな「Fire in the Sky」も楽しめます。 Live at Konzerthaus Schuur, Lucerne, Switzerland 10th December 1995 TRULY AMAZING/PERFECT SOUND Disc 1 (45:25) 1. Intro 2. Perpetual 3. Spanish Castle Magic 4. Evil Eye 5. Adagio in G minor (Remo Giazotto cover) 6. Far Beyond the Sun 7. Amberdawn 8. Overture 1622 9. Trilogy Suite Op: 5 / Krakatau 10. Red House Disc 2 (47:57) 1. Badinerie / Guitar Solo 2. Keyboard Solo 3. Brothers 4. Purple Haze 5. Drum Solo 6. Fire in the Sky 7. Acoustic Guitar Solo 8. Black Star 9. Smoke on the Water Yngwie Malmsteen - Guitar, Vocals Mats Olausson - Keyboards Barry Sparks - Bass Shane Gaalaas - Drums