「懐かしい!」との声が多数寄せられたクリスティン・マクヴィーのソロ・ライブ音源。もっともリアタイでオフィシャルにリリースされていたライブ音源ではありますので、マニアであれば察しがついたマテリアルでもある。むしろマニアが気になるのはそんな時期のリアルなライブ記録。そう、オーディエンス録音でしょう。実際84年にリリースされた彼女の名前を冠したソロ・アルバムはアメリカで大きな成功を収めたことからツアーが行われるのは当然の事。とはいえアリーナが当たり前のマックと違い、シアター・クラスの会場を使って敢行されたのです。となれば尚更ライブビデオ収録用のクラブギグだった「COUNTRY CLUB 1983」から進化したツアーの様子を垣間見てみたくなるというもの。皮肉にも彼女の訃報を受けてそんな時期の貴重オーディエンス録音が日の目を見ることになりました。音質も程よい距離感を称えつつも非常にクリアーな録音状態でして、いくつか散見されたノイズの混入さえなければ完璧なレベル。そのノイズに関しても緻密に削除しましたので、ネットに登場した元のファイルとは比較にならないほど聞きやすくなっています。何より今になってクリスティンのソロ・ツアーがこんな良質音源で楽しめるようになるだなんて。このツアーが行われたのはソロ・アルバムがリリースされシングル「Love Will Show Us How」もヒット(「恋のハート・ビート」という邦題が懐かしく、日本でもヒット)というタイミングでもある。よってオープニングこそマック・クラシックの「Say You Love Me」で幕を開けるものの、あくまでメインはヒット中のソロ・アルバムからという自信の構成。現役アーティスト感がひしひしと。それにアルバムや前年のクラブギグで散見された80年代前半丸出しなサウンドがステージから発せられる生音によって緩和され、むしろいい感じのパワーポップへと進化している。それにアルバムに参加していたミュージシャン達による演奏が実にいきいきとしているのも魅力といえ、中でもギタリストのビリー・バーネットがライブの間に「Guitar Bug」という自身の曲を披露しているのですが、これも違和感なくステージ映えしている。そしてご本尊のステージと違いソロということから、クリスティンもここぞとばかりに自身のマック・クラシックを散りばめているのですが、そこには「Spare Me a Little of Your Love」というマニア感涙の選曲が。マック77年以降のステージでは演奏されなくなってしまったクリスティンの名曲がここで復活を遂げていたというだけでなく、これがソロ・アルバムのミュージシャン達によって見事なエイティーズ・バージョンに生まれ変わっている。こうして新旧交えてクリスティンの自信が溢れたセットリストが構成されていたことに驚きを禁じえませんし、これほどまで充実のステージだったということにも驚かされるばかり。そのヒットにもかかわらず今や見過ごされた感のあるクリスティンのソロ活動から、正に彼女を偲ぶのに相応しいレア・ライブ音源。その貴重さはもちろん、演奏も音質も最高です!RKO Palace Theater, Columbus, OH, USA 8th May 1984 TRULY PERFECT SOUND Disc 1 (47:39) 1. Intro 2. Say You Love Me 3. Love Will Show Us How 4. The Challenge 5. So Excited 6. Just Crazy Love 7. Spare Me a Little of Your Love 8. The Smile I Live For 9. Ask Anybody 10. Keeping Secrets 11. Guitar Bug (Billy Burnette cover) (Performed by Todd Sharp and Billy Burnette) Disc 2 (49:32) 1. I'm the One\ 2. One in a Million 3. Hold Me 4. Got a Hold on Me 5. Over My Head 6. You Make Loving Fun 7. Too Much Is Not Enough 8. Don't Stop 9. Songbird Christine McVie - lead vocals, keyboards, percussion Todd Sharp - guitars Stephen Bruton - guitars George Hawkins - bass Steve Ferron - drums Eddy Quintela - keyboards