ウィントンが1985年発表の「ブラック・コーズ」を最後にオリジナル・クインテットを解散し、80年代以後のメインストリーム・ジャズのリズムの革新の中心にいたドラムスのジェフ・ワッツを残し、他のメンバーは全て新人の、ながらその後のウィントンの演奏活動の核となる当時若干22歳だったピアノのマーカス・ロバーツ、ベースのボブ(ロバート)・ハーストによるカルテットを結成し、1986年には第1弾となる全曲ウィントンのオリジナルで構成された、それ迄のウィントンの音楽からより練り込まれ洗練されたものへと劇的に変貌を遂げた傑作「J ムード」を発表し、さらに同年ウィントンの最高傑作と呼ばれる人気作「スタンダード・タイム Vol.1」をリリースし、発表は1988年ながら1986年12月ブルース・アレイでのライヴ・レコーディングも行い、翌1987年にはカルテットにテナー・サックスのトッド・ウィリアムスを加えやはりリリースは1991年となるシリーズ「ソウル・ジェスチャーズ・イン・サザン・ブルー」3部作の3枚分を一気に吹き込む…まさにウィントンの創造の沸点となる絶頂期の1987年6月フィラデルフィア・アカデミー・オブ・ミュージックに於ける、ウィントン・カルテットにトッドを加えたクインテットに、1曲のみながらなんと当時全くの無名でまだ15歳になったばかりの学生だったベースのクリスチャン・マクブライド(これがプロとしての初ステージ?)をフューチャー!したライヴを、1時間半以上に渡り極上高音質ステレオ・サウンドボードにて完全収録した2枚組が初登場!