念すべき第一回“LOUD PARK”のトリを務めるために来日を果たした2006年のMEGADETH。その現場を伝えるオリジナル録音が新発掘です。そんな本作に吹き込まれているのは「2006年10月16日Zepp Osaka」公演。その一部始終を真空パックした初登場オーディエンス録音です。名作『THE SYSTEM HAS FAILED』で復活を果たしたMEGADETHは、2005年/2006年/2007年と3年連続で来日。まずは、その真ん中にあたる2006年の来日日程から振り返ってみましょう。・10月13日:クラブチッタ川崎・10月14日:幕張メッセ・10月16日:Zepp Osaka ←★本作★・10月17日:Zepp Nagoya 以上、全4公演。前年から新作もないまま再来日という事もあり、やや小粒な日程でした。第一回“LOUD PARK”は幕張メッセとZepp Osakaの2ヶ所で開催され、本作は大阪会場で記録されたライヴアルバムなのです。そんな現場を伝える本作は、全世界初公開となる強力オーディエンス録音。とにかく芯が極太で力強く、エッジも猛烈にシャープ。ホール鳴りも吸い込んでいて音色的にサウンドボードと間違えるタイプではないのですが、空気感が透き通っているためにディテールが隠されないのです。しかも、苛烈。エッジは鋭いのですが、その切れ味はカミソリやナタではなく、ノコギリ。ワイルド&ラフなリフの猛攻で全身が削られていくような暴虐感があるのです。この暴虐間は、伝説の初来日さえ豊富とさせる。いや、演奏力は80年代よりも遙かにプロフェッショナルですし、破綻寸前のスリルはありません。しかし、トゲトゲとエッジの立ちまくったリフが整然と襲いかかる。その押しの強さは、90年代にはなかったものです。そんな暴虐のオーディエンス・サウンドでブチかまされるのは、フェスのトリだからこの濃縮グレイテスト・ヒッツ。『THE SYSTEM HAS FAILED』時代のライヴと言えば、何よりも公式作『THAT ONE NIGHT: LIVE IN BUENOS AIRES』が象徴ですので、比較しながらセットを整理してみましょう。80年代(4曲)・ピース・セルズ:Wake Up Dead/Peace Sells・その他:Mechanix(★)/Set The World Afire 90年代(7曲)・ラスト・イン・ピース:Tornado Of Souls/Take No Prisoners(★)/Hangar 18/Holy Wars... The Punishment Due・その他:Skin O' My Teeth/Symphony Of Destruction/She-Wolf 2000年代(2曲)・Blackmail The Universe/Washington Is Next!(★)※注:「★」印は公式作『THAT ONE NIGHT: LIVE IN BUENOS AIRES』で聴けなかった曲。……と、このようになっています。『THE SYSTEM HAS FAILED』ナンバーは「Blackmail The Universe」に留め、黄金の80年代/90年代の名曲群を濃縮している。そんな中で気を吐くのが新曲「Washington Is Next!」。当時はツアーの合間に『UNITED ABOMINATIONS』の製作を進め始めた時期で、この曲も9月の北米ツアーでステージデビューしたばかり。まだ知らぬ新作への期待を思いっきり煽られた想い出が鮮やかに蘇る1曲なのです。フュージョン風味のポーランド、哀愁のマーティ、速弾き男ブロデリック……そんな中でグレン・ドローヴァー時時代のMEGADETHはさしずめ「正道メタル期」とでも呼べるものでした。スタジオ作1枚だけで終わったしまったものの、実は充実していたグレン時代のハイライト来日。「2006年10月16日Zepp Osaka」公演の初登場オーディエンス録音。とにかく芯が極太で力強く、エッジも猛烈にシャープ。その切れ味はカミソリやナタではなく、ノコギリ。ワイルド&ラフなリフの猛攻で全身が削られていくような暴虐感が最高で、濃縮グレイテスト・ヒッツや書かれたばかりの新曲「Washington Is Next!」も美味しいフルショウを楽しめます。Live at Zepp Osaka, Osaka, Japan 16th October 2006 TRULY PERFECT SOUND(from Original Masters) (65:40) 1. Intro 2. Blackmail The Universe 3. Set The World Afire 4. Wake Up Dead 5. Skin O' My Teeth 6. Tornado Of Souls 7. She-Wolf 8. Take No Prisoners 9. Symphony Of Destruction 10. Hangar 18 11. Washington Is Next! 12. Mechanix 13. Peace Sells 14. Holy Wars... The Punishment Due 15. Outro (Silent Scorn) Dave Mustaine - guitar, vocals Glen Drover - guitar, backing vocals James LoMenzo - bass, backing vocals Shawn Drover - drums