満を持してMM&Wとスコフィールドが合体しメデスキ、スコフィールド、マーティン&ウッドとして2006年にアルバム「アウト・ラウダー」を発表。その後も両者は度々コラボレートしながら理想とする踊れるインプロビゼーション中心の即興音楽を深化させていく。そんな中、2014年にはまさに8年振りとなる待望の新作「ジュース」を発表。ジャンル分け不能なスーパー・プレイヤー集団としての、その研ぎ澄まされた感性で自在に表現される鮮度抜群のリズムとメロディで多数のフリークの溜飲を下げた。しかし、もう御存じのようにジャム・バンドの真骨頂はライヴでこそ発揮されるものでありまして、ここに「ジュース」発表に伴い行われた2014年12月ミネアポリスでの超ゴキゲンなライヴを高音質ステレオ・サウンドにて、140分以上に渡りアンコールまで完全収録した2枚組が初登場してくれました!MM&Wは基本ジャズの精神に身を捧げており、猛烈に即興演奏を追求したスタイル中心に、昔からの音楽を繰り返すようなことは避け常に今生まれている音楽を創造することだけに拘り、スタジオではなくライヴショーで曲を作り上げていくというジャム・バンドの最高峰に位置し、同じような考えを持ったスコフィールドとは相性は抜群で、初っ端からいきなり何が起きるか分からないインプロビゼーションからスタート。その後、アルバム「ジュース」からのナンバーの大半を演奏するが、彼らの場合スタジオ作は単なる曲の大まかなアイディアにすぎず、その素材に即興演奏しながら肉付けをして結果新たな曲に生まれ変わるというマジックが快感この上なく、タイトルこそ付いていてもそれとは全く違う様相を呈している。「ジュース」で話題となったクリーム「サンシャイン・オブ・ユア・ラヴ」、ドアーズ「ライト・マイ・ファイアー」、ボブ・ディラン「時代は変わる」のカヴァーも演っていますが、こちらも同様にまた別の観点からのアプローチを試みるなど一筋縄ではいきません…80年代にアート・リンゼイ、ジョン・ルーリーらと伝説のラウンジ・リザーズを結成した時点で異彩を放つピアノ、オルガンなどのプレイで注目を集め、MM&Wでの活動でさらにインプロビゼーションに磨きを掛けたメデスキと、独特のスケールを多様しわざと音を外したフレーズでうねる個性派の名手スコフィールドは、全編特異な緊張感を持ち先の読めない展開を提示し続け、そのメデスキとスコフィールドの背後では、ジャズ、ラテン、ヒップホップ、各種民族音楽のリズムを自由に滑らかに飛び回るマーティンとウッドがガッチリと屋台骨を支る。このスリリングながらグルーヴもご機嫌なボーダーレスでノンジャンルな音楽性を持ちながらの巧みな演奏を聴けば、ジャンルレスで老若男女の幅広いファン層に支持されているということに納得せざるお得ません!流行りばかりを追いかけているようなクラブ・ミュージックとは一線を画す、別格の演奏をお届けします!