89年のヨーロッパ・ツアーはハンブルグとパリの公演がそれぞれラジオで放送され、さらにツアー最終日のロッテルダムが現在では公式に配信されるなど音源に恵まれた状況にあります。ところが、そうしたサウンドボード群にまったく引けを取らない超絶オーディエンスとしてマニアに愛されたのが今回の音源。しかも古の名盤「SWINGING IN THE SILENCE」の元になったマスターカセットからの収録ときた。確かに「SWINGING IN~」は名盤だったのですが、無情にも今回のマスターカセットの前では明らかに劣ってしまう。一聴して解るほど今回の方がクリアーな音質には世界中のマニアが驚愕させられることでしょう。「SWINGING IN~」は数回ダビングを経たバージョンを元にしている、あるいはCD化の際に少しノイズ・リダクションを施したのでしょう、今回のマスターと聞き比べてみると何とも抜けの悪い音質に映る。その点マスターからの収録が実現したことで、今回のアッパー感があまりにも鮮烈。あれほど素晴らしく思えた「SWINGING IN THE SILENCE」がすっかり旧態化してしまうレベルなのです。というか1990年のリリースですから、今日まで価値が落ちなかったという事の方が驚きというもの。ニール89年の弾き語りツアーはアコースティックなサウンドを大音響で鳴らすというアプローチの恩恵を受けた高音質なオーディエンス録音が多く、夏のアメリカ・ツアーからは「BARSTOOL BLUES ‘89」に「COSTA MESA 1989: MIKE MILLARD FIRST GENERATION TAPES」というCDリリース、さらに充実選曲&極上音質の「GREEK THEATRE 1989 2ND NIGHT: MIKE MILLARD FIRST-GENERATION TAPES」といった名作がリリースされてまいりましたが、今回はそれらすべてを凌駕するほど凄まじい高音質。オープニングでテーパーが一旦レコーダを止めたタイミングでニールが登場してしまい、慌てて録音ボタンを押し直した「My My, Hey Hey」がカットインで始まるのはご愛敬。またライブ終演後の会場でローリング・ストーンズの「Goin’ Home」が流されるという「SWINGING IN THE SILENCE」には未収録の場面が含まれているのもマスターならでは。そして極めつけは名曲連発のセットリストの中において当時の新曲として披露された「Hanging On A Limb」。当時リリースされたばかりだった名作『フリーダム』収録曲ながらライブ披露は89年にたった五回という希少な扱い。そんな貴重な場面も完璧な音質で捉えてくれている。オールド・マニアには懐かしい名盤「SWINGING IN THE SILENCE」が遂にお役御免となる日がやってきました。89年フランクフルトの新たなスタンダードが文句なしのアッパー版にてリリースされます。これは初心者からマニアまで安心して聞ける最高の音質。 Music Hall, Frankfurt, West Germany 7th December 1989 ULTIMATE SOUND(upgrade) Disc 1 (50:04) 1. My My, Hey Hey 2. Rockin' In The Free World 3. The Old Laughing Lady 4. Don't Let It Bring You Down 5. Someday 6. Crime In The City 7. Eldorado 8. Too Far Gone Disc 2 (42:48) 1. This Note's For You 2. Needle & The Damage Done 3. No More 4. After the Gold Rush 5. Hanging On A Limb 6. Heart Of Gold 7. Ohio 8. Rockin' In The Free World #02 Neil Young - Vocals, Guitar, Piano, Banjo, Harmonica Frank Sampedro - Guitar, Mandolin, Vocals Ben Keith - Dobro, Keyboards, Vocals