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Jackson Browne ジャクソン・ブラウン/Germany 1986 Soundboard Edition

1980年代が半ばに差しかかるとジャクソン・ブラウンは政治色の強い歌詞とシンセサイザーを取り入れた作風へとシフトチェンジ、その代表作と呼べるアルバムが『LIVES IN THE BALANCE』でした。彼からすれば大人のソングライターとしての側面と当時の流行を意識して作り上げた結果であり、従来のイメージからするとやや違和感が否めなかったのも事実。それでもイメチェンを踏まえたアルバムは好意的に受け取られて見事ゴールド・ディスクへと輝きます。とはいえクラシックな時期と呼べないのも事実で、この時期のライブを収めたCDアイテムというのは皆無に等しい。むしろツアー開始時に出演したドイツのテレビ番組『ROCKPALAST』のライブ映像こそこのツアーを代表するものだったと言っていいかもしれません。むしろ当時VHSでお世話になったマニアがたくさんおられることかと。しかし同番組への出演はツアー序盤であり、まだ『LIVES IN THE BALANCE』モードのジャクソンとバンドメンバーからすれば手探り状態に等しい。そんな中でバックバンドの要となったのは元キング・クリムゾンのイアン・ウォーレスでした。彼はアルバムだと二曲の参加に留まり、むしろ付き合いの長いラス・カンケルの比重が多かったのですが、ツアーメンバーとなることでむしろ『LIVES IN THE BALANCE』モードのストレートなロック・サウンドに貢献。それは『ROCKPALAST』でも見られた通りです。しかしツアーは一年を費やして行われ、年末には『JAPAN AID 1ST』で来日しただけでなく、バンドの代わりにデヴィッド・リンドレーとのデュオでの出演という今となっては貴重なフォーメーションでの出演となったのでした。この来日の前に86年のツアーは行程を終えており、その最終地となったのがドイツ。つまりこの年ジャクソンがバンドを率いて行ったツアーはドイツから始まってドイツで終わったというユニークなスケジュールで幕を閉じたのです。この時期はというとジャケのデザインが最悪(笑)ながら当時としては非常に良好なオーディエンス録音で収録した二枚組LPの『IT WAS A WARM & TENDER NIGHT』がツアー終盤の様子を世界中のマニアに知らしめてくれており、ツアー序盤の『ROCKPALAST』映像がそうだったように、実際このLPもまたマニアに愛された存在だったのです。よってアナログLPの時代にはツアーを代表する名盤が存在した訳ですが、これがCDの時代になると状況は一変。最初に触れましたようにアイテムがまるっきり存在しない状況へと陥ってしまったのです。むしろ『LIVES IN THE BALANCE』ツアーは『ROCKPALAST』の映像しか知らない…というマニアの方が多いかもしれません。ところが今年に入って、そんな見過ごされたツアーからネット上に流出サウンドボードがひょっこり現れたものだから世界中のマニアを騒然とさせました。おまけに『IT WAS A WARM & TENDER NIGHT』は11月1日のベルリン公演を収録していたのに対し、今回は何と翌日のハンブルグ公演が完璧な音質のステレオ・サウンドボード録音で聞けるのだからマニアが騒然となったのも当然。また80年代半ばのPAサウンドボードらしくPCM録音のデジタルということもあり、マルチトラックかと錯覚しそうになるほどバランスも絶妙。PAサウンドボードにありがちなダイレクト感が目立ちすぎてライブのダイナミクスを殺すこともない。もっとも長年眠っていたカセット・マスターはピッチが相当に高くなってしまっていたのですが、今回はそこをしっかりとアジャスト。いよいよオフィシャル感覚で聞ける最高のサウンドボードアルバムとなっており、もはやマニアでなくとも安心して楽しめてしまうレベル。そしてアルバム同様にシンセも導入された『LIVES IN THE BALANCE』ツアーのサウンドは懐かしさがいっぱい。70年代のクラシックな時期もさることながら、このアルバムや『JAPAN AID』をリアタイで経験、あるいはLP『IT WAS A WARM & TENDER NIGHT』でこのツアーを聞き倒したマニアからすれば、今になってこれほどまで上質な音源が現れてくれたことに驚きを禁じ得ないでしょう。盟友スプリングスティーンの大成功を傍目に眺めて意識したともとれるストレートなロッカーぶりもこの時期のジャクソンの魅力ですが、それ故にライブ終盤にて「For A Rocker」が歌われるのもまたこの時期らしい。それに何と言っても『ROCKPALAST』から半年以上が経過したこともあり、俄然ストロングに進化したバンド・アンサンブルをこれまた極上の音質で楽しめる喜び。これは80年代のジャクソンを代表する新たなライブ音源のスタンダードだと胸を張って断言できる衝撃の新発掘サウンドボードです。Alsterdorfer Sporthalle, Hamburg, Germany 2nd November 1986 Disc 1 (62:30) 1. Boulevard 2. Tender Is The Night 3. That Girl Could Sing 4. In The Shape Of A Heart 5. For Everyman 6. Lawyers In Love 7. Soldier Of Plenty 8. Black And White 9. Late For The Sky 10. Rosie 11. Till I Go Down 12. MC 13. Lives In The Balance Disc 2 (57:41) 1. Lawless Avenues 2. For America 3. The Pretender 4. Band Introductions 5. Running On Empty 6. Doctor My Eyes 7. Somebody's Baby 8. The Load-Out 9. Stay 10. For A Rocker 11. The Crow On The Cradle 12. I Am A Patriot Jackson Browne - Vocals, Guitar, Piano Kevin Dukes - Guitar Doug Haywood - Vocals, Organ, Guitar, Saxophone Scott Thurston - Keyboards Ian Wallace - Drums Bob Glaub - Bass STEREO SOUNDBOARD RECORDRING

Jackson Browne ジャクソン・ブラウン/Germany 1986 Soundboard Edition

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