マニアの諸氏も「なんじゃこりゃー」となること必至のレア・タイトルです。あの「discogs」ですら、その全貌を把握できてない(する必要がない?)インドネシア最大の(洋楽専門)カセット・レーベル「Specialist Recording」(なんだそれ)。1980年代前半のインドネシアの人口は日本を上回る1億5千万人、レコード以上に手軽なカセット・テープ文化がポピュラーだった東南アジアの状況を考えると、相当巨大なマーケット・スケールで売られていたと推測されます。先の「discogs」で全体のほんの一部としてランダムに100タイトル程列挙されていますが、このセレクションから考えうるに、殆ど全ての洋楽ジャンルをカバーしてると思われ、そのタイトルは実際は千単位の可能性も考えられます。そして驚くべきことに、このレーベルは「アンオフィシャル」いわば「ブートレッグ」なのです。今回、偶然入手したのはdbx Series(これも意味不明): Specialist Recordingの「LET IT BE」。ぱっと見、現地の公式としか思えないカセットの中身は、なんとレコード起こし(!)。実際、冒頭から針音がパチパチいってます。「販売用カセットなのに何故?」と、ここで頭がパニックしてしまうこと必至。さらに追い打ちをかけるのが1曲目がTwo Of Usではなく、いきなりLet It Beであること。メーカー(Specialist Recording)の「皆が知ってる曲を頭に持ってきたほうが売りやすいだろ」という判断と思いますが、曲順の流れ無視の勝手な収録構成に、唖然とさせられる人も多いのではないでしょうか。アップルもビックリどころの騒ぎではありません。更に驚きは、テープB面の最後。A面に対して、4分程余ってるからと言って、無関係な Rain(!)を、そして更に、まだ余ってるからと言って、Maggie Maeを(Reprise)という表記で堂々と最後に再収録。これもビックリです。そして肝心の音質ですが、これがレコードから個人が作ったお好みテープみたいな音質で(レンジが狭い)、こういっては何ですが、あらゆる意味で、完全にばったもんクオリティ、ストレートに言ってしまえば、企画も質も当時の東南アジア・クオリティであり、ここまで変わり種だと、ひとつのまがい物文化のサンプルとして、一度は触れてみる価値もあるのではと思わせるものがあります。(別件ですが、90年代はガンズの「Use Your Illusion III」というのがマーケットで、堂々と売られてました。2本のテープに入りきらないから。ちなみに色は緑・笑)当時のインドネシアの音楽ファンは「これがかの名盤「Let It Be」か」と思って聞いてた方も多いと思われ。まぁおそらく、10年後、CD時代の到来の中、そこで初めて正しい「Let It Be」に触れ、アルバムの認識を新たにした人も多いのかもしれません。ネットもアマゾンもない時代、なかなか洋楽のアルバムを入手できない状況の中で、こんなものがまかり通っていたというのが、ある意味興味深い1枚であります。いずれにせよ、今回、入手して初めて分かったこの内容。歴史的には面白い一品と思われますので、是非、この機会に聴いてみて下さい。しかし、この内容で大量生産し、インドネシア全土で販売するとは・・・。恐るべし40年前の東南アジア・・・Taken from Indonesian cassette tape (SR 1666, dbx Series: Specialist Recording) (38:05) A面 1. Let It Be★ 2. Two Of Us 3. Dig A Pony 4. Across The Universe 5. I Me Mine 6. Dig It 7. Maggie Mae B面 8. I've Got A Feeling 9. One After 10. The Long And Winding Road 11. For You Blue 12. Get Back 13. Rain★ 14. Maggie Mae (Reprise)★





























