最高傑作『DR. FEELGOOD』を送り出し、絶頂の刹那を謳歌していた1989年のMOTLEY CRUE。その現場をフル体験できるライヴアルバムが登場です。そんな本作に吹き込まれているのは「1989年10月30日パリ公演」。その絶品オーディエンス録音です。『DR. FEELGOOD』時代は大ヒットの風を受けてキャリア最大のワールド・ツアーに邁進した一大全盛期。まずは当店コレクションを交えつつ、その巨大すぎる活動スケールを俯瞰してショウのポジションを確かめてみましょう。1989年・8月12日+13日:『MOSCOW MUSIC PEACE FESTIVAL』《9月1日『DR. FEELGOOD』発売》・10月5日:ハリウッド公演・10月14日ー11月6日:欧州#1(18公演)←★ココ★・11月16日ー12月20日:北米#1(26公演)←※KANSAS CITY 1989 1990年・1月3日ー4月15日:北米#2(67公演)←※ALBANY 1990・4月27日ー5月4日:豪州(5公演)・5月8日ー16日:日本(6公演)←※OSAKA 1990・5月31日ー8月5日:北米#3(44公演)1991年・8月14日ー9月18日:欧州#2(13公演)《10月19日『DECADE OF DECADENCE 81?91』発売》これが『DR. FEELGOOD』完成からヴィンス・ニール脱退までの歩み。丸2年という期間も、180公演を超える場数もキャリア最大。どれほどライヴを重ねようと需要に追いつかない凄まじい人気ぶりが伝わるスケジュールです。そんな中で本作のパリ公演は序盤の「欧州#1」。その14公演目にあたるコンサートでした。そんな現場を真空パックした本作は、晴れ渡るクリアさと力強い芯が両立した名録音。リアルな熱狂も吸い込んだオーディエンスらしいサウンドではありますが、その空気感を貫く芯が力強く、サウンドボードのようなド密着感ではないものの、「お、近い!」と感じる距離感覚なのです。そして、マスター鮮度が絶大。何しろ、本作は録音した本人が大元マスターからデジタル化した銘品。もちろん無論ダビング劣化などあるはずもなく、1音1音が歪みも揺れもなくキレイに伸びる。空気感も透き通っているためにディテールも鮮明に伝わり、絶妙なホール鳴りが「オーディエンスだからこその美」も醸してくれるのです。そんなフレッシュなクリア・サウンドで画かれるのは、一大全盛の風を全身で楽しみつつ、まだまだツアー疲れも起こしていないフルショウ。当店では、このツアーの定番プロショット『KANSAS CITY 1989』や日本公演の名作『OSAKA 1990』も人気ですが、実のところ本作はセットが微妙に異なる。比較しつつ、整理してみましょう。ドクター・フィールグッド(5曲)・Kickstart My Heart/Rattlesnake Shake/Same Ol' Situation (S.O.S.)/Slice Of Your Pie/Dr. Feelgood その他(12曲)・シャウト・アット・ザ・デヴィル:Red Hot/Too Young to Fall in Love/Shout At The Devil/Looks That Kill/Helter Skelter(★★)・ガールズ×3:Wild Side/Girls, Girls, Girls/Jailhouse Rock(★)・その他:Piece Of Your Action(★★)/Live Wire/Home Sweet Home/Smokin' In The Boys Room ※注:「★」印は『OSAKA 1990』で聴けなかった曲。特に「★★」印は定番プロショット『KANSAS CITY 1989』にもない曲。……と、このようになっています。前述のスケジュールをご覧の通り、本作はツアーが始まったばかりの14公演目。それだけにまだいくつかのレパートリーが試験的に演奏されており、カバーの「Helter Skelter」「Jailhouse Rock」や「Piece Of Your Action」など、その後セット落ちしていく名曲も披露されているのです。もちろん、ショウの流れ的には短い方が締まると判断されたのでしょうが、本作に限ってはダレる心配もなし。バンドも観客もツアーが始まったテンションが吹き出しており、多めの曲数も一気呵成に押しまくってしまうのです。そんな中でちょっと面白いのが機材トラブル。トミー・リーのドラムソロはショウの大きな山場なわけですが、コール&レスポンスからハイライトの連打に入ったところでいきなり音が途切れてしまうのです。ショウが中断しても「トミー! トミー!」コールが起こりつつ、ヴィンスもオフなマイクで怒鳴っている。その後「Smokin' in the Boys Room」でショウが再開するわけですが、その間の不穏なムードもクリア・サウンドでリアル体験できるのです。まさに絶頂。骨太な演奏音に抑え込まれてはいるものの、広大に広がる大歓声は大ヒット真っ最中の熱量を発散。それを弾きだし、どんどん焚きつけていくMOTLEY CRUEの生演奏もひたすら苛烈。本作は、その機微やトラブルも絶品サウンドでフル体験できる新名盤です。MOTLEY CRUEは再び戻ってきてくれましたが、この熱気は戻るはずもない。時代が望み、祝福した絶頂の現場。「1989年10月30日パリ公演」の絶品オーディエンス録音。晴れ渡るクリアさと力強い芯が両立した名録音で、録音した本人が大元マスターからデジタル化した鮮度も究極。骨太な芯が真っ直ぐ手もに届き、「お、近い!」と感じる距離感覚です。来日公演で演奏しなかった「Helter Skelter」「Jailhouse Rock」「Piece Of Your Action」や、ドラムソロでの機材トラブルも楽しいフルショウを極上体験できます。Le Zenith, Paris, France 30th October 1989 TRULY PERFECT SWOUND Disc 1(36:58) 1. Intro 2. Kickstart My Heart 3. Red Hot 4. Piece of Your Action 5. Rattlesnake Shake 6. Too Young to Fall in Love 7. Shout at the Devil 8. Live Wire 9. MC 10. Home Sweet Home Disc 2(65:28) 1. MC 2. Same Ol' Situation (S.O.S.) 3. Slice of Your Pie 4. Guitar Solo 5. Drum Solo 6. PA Trouble 7. MC 8. Smokin' in the Boys Room 9. Looks That Kill 10. Wild Side 11. Girls, Girls, Girls 12. Helter Skelter 13. Dr. Feelgood 14. Jailhouse Rock Vince Neil - Vocals Mick Mars - Guitar Nikki Sixx - Bass Tommy Lee - Drums