さらなる飛躍を期し、一層ゴージャスなエンターテインメント色を強めていった『DIVER DOWN』時代のVAN HALEN。変則セットだったツアー序盤を伝える新名盤が登場です。そんな本作に吹き込まれているのは「1982年7月17日シャーロット公演」。その絶品オーディエンス録音です。“HIDE YOUR SHEEP Tour 1982/1983”と言えば、歴史的なUSフェスや南米プロショットが象徴で、オーディエンス録音だと名盤『MONTREAL 1982』辺りが定番。本作はそのどれとも異なるレッグですので、まずは当時のスケジュールを俯瞰してそれぞれの位置関係を確認しておきましょう。1982年《4月14日『DIVER DOWN』発売》・7月14日-8月21日:北米#1(26公演) ←★ココ★・9月1日-25日:北米#2(17公演)・10月7日-12月11日:北米#3(38公演)←※MONTREAL 1982 1983年・1月16日-2月12日:南米(15公演)・5月29日:USフェスティバル出演 これが『DIVER DOWN』時代のVAN HALEN。USフェスティバルや南米プロショットは1983年になってからですが、ツアー本編はあくまで1982年。特日本作のシャーロット公演は序盤も序盤の3公演目にあたるコンサートでした。そんなショウを伝える本作は、同時リリースとなる『CHARLOTTE 1984』と同じルートでもたらされた(推測ですが、サウンドからすると録音者も同じかも知れません)秘蔵マスターですが、1984年編とは違って今まで一般的にはほとんど知られてこなかった録音。しかし、それが信じられないほど素晴らしいクリア録音なのです。サウンドボードと間違えるようなド密着感ではないのですが、空気感が雑味なく透き通っており、そのド真ん中を貫く芯がキレイに真っ直ぐ飛び込んでくる。ダビング痕も経年劣化も見当たらず、ディテールもエッジまでしっかり画かれ、ヴォーカルもデイヴとマイケルが絡み合っても決して混じり合わず、歌詞の一語一語までくっきり。全盛に向かう熱狂も吸い込んでいながら不思議なほど演奏音の邪魔にならず、胸のすくクリアさに浸りきれるのです。しかも、重低音も鮮やか。大会場オーディエンスのベースと言えば、スカスカになるか爆音で割れまくりになるか両極端。本作はそのどちらでもなく、アタック音がゴリゴリと力強く、それでいて残響もなく1音1音がくっきり。それが数珠のように連なってグルーヴに昇華する様子が極めて鮮やかに描かれているのです。そんな爽やかクリアなサウンドで画かれるのは、ツアー本編と一風変わった極初期セットのフルショウ。まずはその内容をツアー代表作と比較しつつ整理してみましょう。ダイヴァーダウン(8曲)・Where Have All Those Good Times Gone!(★)/Hang 'Em High(★)/Little Guitars/Cathedral/Secrets/Intruder/Oh! Pretty Women/The Full Bug その他(11曲)・炎の導火線:Runnin' With The Devil/Jamies Cryin'(*)/Ice Cream Man/Eruption/Ain't Talkin' 'Bout Love(*)/You Really Got Me(incl. Happy Trails)・伝説の爆撃機:Somebody Dance The Night Away/Get Me A Doctor/Bottoms Up!・その他:Romeo Delight(*)/Everybody Wants Some!!/Unchained ※注:「★」印は定番プロショット『US FESTIVAL '83』で、「*」印は『MONTREAL 1982』で聴けない曲。……と、このようになっています。ひと言で表すなら『US FESTIVAL '83』と『MONTREAL 1982』の特徴を混ぜ合わせたようなセット。これだけだとそんなに意外な感じはしませんが、実は曲順が新鮮。「Romeo Delight」でスタートする辺りもツアー本編とは違いますし、序盤のドラムソロに続いていつもなら終盤の「Dance the Night Away」が始まると意表を突かれる。ツアー本編ならこのポジションで演奏されるのは「The Full Bug」なのですが、本作ではアンコールに回されている。この他にも細かく曲順が違っており、“HIDE YOUR SHEEP Tour”を聴き込んでいる方ほど「お?」となるフックが満載なのです。ある種硬派でもあった“FAIR WARNING Tour”からビッグなエンターテインメントに舵を切った『DIVER DOWN』時代。その現場をクリア・サウンドで100%本生体験できる新名盤です。ショウの本番から40年以上が経った現代においても、こうして新たな秘宝が発掘される。そんなオーディエンス録音の奥深さにまで感動する1本。「1982年7月17日シャーロット公演」の絶品オーディエンス録音。コア・コレクターから提供された秘蔵マスターで、ほとんど知られてこなかったのが信じられないほど素晴らしいクリア・サウンド。空気感が雑味なく透き通っており、そのド真ん中を貫く芯がキレイに真っ直ぐ飛び込んでくる。全盛に向かう熱狂も吸い込んでいながら不思議なほど演奏音の邪魔にならない。“HIDE YOUR SHEEP Tour”でも普段とはちょっと違うセットが美味しいフルショウを現場体験できる新名盤です。Charlotte Coliseum, Charlotte, NC, USA 17th July 1982 PERFECT SOUND(from Original Masters) Disc 1 (55:04) 1. Intro 2. Romeo Delight 3. Unchained 4. Drum Solo 5. Dance the Night Away 6. Runnin' With the Devil 7. Where Have All the Good Times Gone 8. Hang 'Em High 9. Little Guitars 10. Bass Solo 11. Jamie's Cryin' 12. Ice Cream Man 13. Somebody Get Me a Doctor Disc 2 (42:19) 1. Cathedral 2. Secrets 3. Everybody Wants Some!! 4. Intruder 5. Oh, Pretty Woman 6. Guitar Solo 7. Bottoms Up! 8. Ain't Talkin' 'bout Love 9. The Full Bug 10. You Really Got Me incl. Happy Trails David Lee Roth - Lead Vocals Eddie Van Halen - Guitars, Vocals Michael Anthony - Bass, Vocals Alex Van Halen - Drums