「エースはいるけど、ピーターはいない」……そんな過渡期で貴重な“UNMASKED Tour”の最高傑作が誕生。衝撃作連発の独自ルートで発掘された最高峰マスターによる完全サウンドボード・アルバムが登場です。そんな本作に刻まれているのは「1980年11月22日シドニー公演」。そのステレオ・サウンドボード録音です。“UNMASKED Tour”はメンツも異例なら内容も異例でした。デビュー以来、KISSの主戦場と言った母国アメリカ。70年代には英国やドイツでさえ1976年の数公演だけで、ほぼほぼ北米ばかりをサーキットしていました。ところが『UNMASKED』時代は母国での人気が急降下しており、ツアーも海外がメインだったのです。良い機会でもありますので、まずはKISS史の特異点でもあったツアー日程を俯瞰してみましょう。《5月20日『UNMASKED』発売》・7月25日:ウォームアップ・ショウ・8月29日ー10月13日:欧州(29公演)←※MILAN RIOT SHOW 1980・11月8日ー12月3日:オセアニア(11公演)←★ココ★ これが1980年のKISS。ウォームアップはホームのニューヨークでしたが、それ以外はすべて海外という異例のツアーでした。特にオセアニアには初めて渡航。彼の地で大歓待を受け、ある意味で大成功のツアーともなったのです。この「オセアニア」レッグからはサウンドボードの名盤『AUCKLAND 1980』も残されていますので、さらに日程をフォーカスし、それぞれの位置関係を確認しておきましょう。「オセアニア」レッグの詳細・11月8日ー11日:パース(4公演)・11月15日:メルボルン公演・11月18日:アデレード公演・11月21日:シドニー公演・11月22日:シドニー公演 ←★本作・11月25日:ブリスベン公演・11月30日:ウェリントン公演・12月3日『AUCKLAND 1980』……と、このようになっています。このショウはTV放送プロショットや『KISSOLOGY VOLUME TWO』収録のプロショット版が有名ですが、FM放送やフル・サウンドボード、1曲単位の公式等も残されました。本作は、そんな3種サウンドボード(完全版・FM放送版・公式テイク)をベスト・マスターで一網打尽にした決定盤なのです。まず衝撃なのがメインの「完全版」サウンドボード。以前からフル盤の既発もありましたが、本作はそれとは異なる最高峰のプレFMマスターでして、当店お馴染みの関係者ルートからもたらされたものなのです。そのクオリティはまさに「公式級」。「オフィシャル名盤級」と言うよりは「発掘オフィシャル級」ではありますが、くっきりしたステレオ感も鮮烈ですし、均整の取れたミックス・バランスも見事。前述の名盤『AUCKLAND 1980』も素晴らしかったですが、本作の方が一枚上手でしょう。そんなフル・サウンドボードの後に収録されているのが二番目の「FM放送版」。シドニーの地方局“2SM”でFM放送されたバージョンで、こちらもメインの「完全版」と同じルートでもたらされた最高峰マスターです。わずか9曲の不完全版ではありますが、「完全版」とはミックスが異なるのがポイント。重低音の迫力は「完全版」の方が上とも思いますが、家庭用オーディオでの再生を前提にしたミックスはさらに聴きやすく、ぶ厚く重ねられたコーラスや大歓声など雰囲気も結構違います。そして、ラストは3つめのサウンドボード「公式テイク」。ブロックバスター限定のボーナスCDに収録されていた「Talk To Me」と、ベスト・アルバム『YOU WANTED THE BEST, YOU GOT THE BEST!!』の日本盤ボーナス・トラックだった「New York Groove」の激レア2トラックです。正真正銘の公式テイクだけあってミックスも完成度もピカイチ。ただ、ステレオ感の派手さを覗けば音質自体はメインの「完全版」も劣っていない。この2テイク自体が極上でありつつ、同時に「完全版」マスターがオフィシャル級であることの証左にもなっているのです。さて、そんな3種サウンドボードで聴ける名曲群とはどんなものなのか。ここでまとめて整理しておきましょう。地獄からの使者(4曲)・Cold Gin/Strutter/Firehouse/Black Diamond(★)地獄の軍団(4曲)・Detroit Rock City(★)/God Of Thunder/Shout It Out Loud/King Of the Night Time World その他(9曲)・仮面の正体:Shandi(★)/Talk To Me(★★)/Is That You?(★)・その他:Rock And Roll All Nite(★)/Calling Dr. Love(★)/Love Gun/New York Groove(★★)/2000 Man/I Was Made For Lovin' You(★)※注:「★」印は“2SM FM”の放送テイクも収録されている曲。特に「★★」印は公式テイクもボーナス収録。公式『KISSOLOGY VOLUME TWO』のプロショット版ではカットされていたジーンのベース・ソロやそれに続く「God of Thunder」の前半部もしっかり収録しています。もちろん、貴重度で言ったら『UNMASKED』ナンバーが最大のポイント。いずれも15年以上封印されていましたし、特に「Is That You?」に至っては、2017年の“KISS Kruise”しか記録がない激レア曲です。しかも、本作は単なる珍しさだけでない。初めて目の当たりにした豪州の人気ぶりに発奮しており、演奏テンションも素晴らしい。異形でありつつ、音楽作品としての魅力もたっぷりな大傑作ライヴアルバムでもあるのです。次作『MUSIC FROM "THE ELDER"』ではツアーがなく、その後KISSはヴィニー・ヴィンセント→ノーメイク時代へと突き進んでいく。“UNMASKED Tour”は、そんな端境期に存在した「ここだけのKISS」なのです。本作は、そんな貴重時代の最高傑作サウンドボード・アルバム。「1980年11月22日シドニー公演」のステレオ・サウンドボード録音。独自の関係者ルートからもたらされた最高峰マスターで、同じショウの3種サウンドボード「フル版」「FM放送版」「公式トラック」を完全網羅。メンツもセットも激レアな“UNMASKED Tour”の最高傑作となる超名盤の誕生です。Sydney Showground, Sydney, Australia 22nd November 1980 STEREO SBD(from Original Masters) Pre-FM Master Disc:1 (70:44) 1. Intro 2. Detroit Rock City 3. Cold Gin 4. Strutter 5. Shandi 6. Calling Dr. Love 7. Firehouse 8. Talk to Me 9. Is That You? 10. 2000 Man 11. Guitar Solo 12. I Was Made for Lovin' You 13. New York Groove 14. Love Gun 15. Bass Solo 16. God of Thunder 17. Drum Solo 18. God of Thunder (Reprise) Disc:2 (64:15) 1. Rock and Roll All Nite 2. Shout It Out Loud 3. King of the Night Time World 4. Guitar Solo 5. Black Diamond 2SM FM BROADCAST 6. Detroit Rock City 7. Shandi 8. Calling Dr. Love 9. Talk to Me 10. Is That You? 11. I Was Made for Lovin' You 12. New York Groove 13. Rock and Roll All Nite 14. Black Diamond Bonus Tracks 15. Talk To Me (Blockbuster Bonus CD Exclusive) 16. New York Groove (YWTB Japan Only Track) Paul Stanley - Vocal & Guitar Gene Simmons - Vocal & Bass Ace Frehley - Guitar & Vocal Eric Carr - Drums & Vocal STEREO SOUNDBOARD RECORDING