モービルと同様、こちらもディランが登場する前のRTRバンド、通称「グアム」と呼ばれるバックバンドとメンバーのステージから録音が始まっています。しかもこちらはオープニングから収録。前年から毎回RTRのステージは「Good Love is Hard to Find」という(これまた日本人にはまるで馴染みのない)曲から始まっているのですが、レビューの雰囲気が味わえるという意味ではモービル以上かもしれません。またT・ボーン・バーネットはモービルで歌っていた「Werevolves of London」の代わりに「Hoola Hoop」という自身の曲を歌っているのですが、こちらの方がレイドバックした76年のRTRに向いているように聞こえます。それに加えて間奏ではミック・ロンソンが弾きまくり。この曲に限らず、この日の前半はミック・ロンソンが普段以上に弾きまくっている印象が強く、彼のギター・プレイが好きの人ならばモービルのギフト以上に聞きどころの多い録音だと言えるかもしれません。特にスティーブン・ソールズが歌う「Madman」という曲ではロンソン節が炸裂。もちろん全体的にはこちらも日本人にはなじみのない曲やアーティストが多く、なおかつモービル以上に収録時間が短いとなれば初回納品分ギフト向けであることは否めない。それでも先のロンソンの奮起ぶりなどは圧巻ですし、何よりサウンドボード録音ということでやはり貴重な記録。 歴史的な発掘となったオースティンがディラン登場前からロンソンを始めとしてかなり激しい演奏を繰り広げていたことが判るのも貴重!Municipal Auditorium, Austin, TX, USA 12th May 1976 SBD (32:52) 1. GOOD LOVE IS HARD TO FIND - Bob Neuwirth 2. HOOLA HOOP - T Bone Burnett 3. FLINT HILL SPECIAL - David Mansfield 4. TOO GOOD TO BE WASTED - Rob Stoner 5. MADMAN - Stephen Soles 6. IS THERE LIFE ON MARS - Mick Ronson 7. ROCK ‘N’ ROLL ACROSS THE U.S.A. - Kinky Friedman 8. DEAR ABBIE - Kinky Friedman 9. SOLD AMERICAN - Kinky Friedman SOUNDBOARD RECORDING