コージー・パウエルやメル・ギャレイを迎え、再起動を果たした1982年のWHITESNAKE。そのリハーサルを伝えるサウンドボード・アルバムがブラッシュアップ。「2024年トランスファー+GRAF ZEPPELIN仕上げ」による究極サウンドCDでリリース決定です。そんな本作に収められているのは、“SAINTS & SINNERS Tour”のためのリハーサル。故コージー・パウエル所蔵のカセット“TDK SA-C90”に記録されていたステレオ・サウンドボード録音です。かつて伝説盤『PRODUCTION REHEARSALS』として世に出た音源ですが、本作はその大元カセットから最新機材で再トランスファー。さらに「GRAF ZEPPELIN」の細密マスタリングで磨き直した最高峰更新版なのです。その気になるアップグレード・サウンドの前に、まずは音源の重要性から。1982年と言えば、WHITESNAKEが大きく生まれ変わった最大のターニング・ポイント。その歩みを振り返ってみましょう。・1月29日:レコーディング中断/ムーディ脱退《4月7日:マースデン解雇》《6月16日:マーレイ&ペイスがゲイリー・ムーアと合流》《8月24日:コージー加入とロード残留が決定》・9月24日:レコーディング再開《10月:ムーディ復帰/SAINTS & SINNERS完成》・11月:ツアー・リハーサル ←★ココ★・12月10日:“SAINTS & SINNERS Tour”開始 これが1982年のWHITESNAKE。前1981年から『SAINTS & SINNERS』の製作に取りかかったものの、途中でカヴァデールが全米侵攻を目指してマネジメントの一新を画策。契約解除にはバンドを解散状態にさせる必要があり、活動休止になります。紆余曲折は省略しますが、カヴァデールはコージーとコンビを組み、かつてメンバー第一候補だったメル・ギャレイやジョン・ロードのソロ・ツアーに参加していたコリン・ホジキンソンを迎えて新生WHITESNAKEを立ち上げました。新生白蛇は『SAINTS & SINNERS』を仕上げつつ、ツアーに向けてリハーサルを開始。本作は、その最終段階であるランスルー・リハで記録されたものなのです。最新トランスファー&細密マスタリングによるサウンド さて、そんな秘宝サウンドボードは以前から超極上で知られてきたわけですが、本作はその最高峰盤。とにかくトランスファーとマスタリングの精度が過去最高でして、従来盤をご存知の方ならナチュラル感に驚かれるのではないでしょうか。1音1音の密度がグッと高まり、楽器そのものの振動まで感じられる。実のところ、従来版よりも大人しめのマスタリングで仕上げられているのですが、あまりにもディテールの微細部まで克明なため、それでも十分なのです。ただし「大人しめのマスタリング」とは言っても、精度はむしろ今回盤の方が高い。極微細なノイズも見逃さずに処理されており、ピッチ/位相の補正も1/1000秒の狂いも許さない精度(従来版より約30秒短いですが、その要因は無音部のカット。ピッチは本作の方が厳密)です。特に今回は位相補正の効果が素晴らしい。わずかでも位相がずれると定位が狂います(従来盤ではわずかに右に寄っていました)し、演奏音の輪郭もボケてしまう。本作はそれがビシッと引き締まっている。これは想像以上に重要。何しろ、本作は卓直結系の極北のような超絶サウンドボードですから、切り立つ演奏音のエッジや凄まじいステレオ幅で吹っ飛ぶパンこそが醍醐味。本作はムリヤリな音圧稼ぎをせずとも、その旨み/凄みがナチュラルに際立っているのです。さらにポイントなのが低音の処理。帯域分析の上でバランスを整えているわけですが、カセット原音に比べて低音が強くドライヴ感が高まっている。これも単に迫力稼ぎの低域アップではなく、効果的な周波数域(申し訳ありませんが具体的な数値は秘中の秘です)だけを絞り込んで本来のアンサンブルを再現した結果。新生WHITESNAKEはコリン・ホジキンソンのゴリゴリ感がグルーヴの要でもあり、これがもう最っ高に気持ちイイ。「SLIDE IT INは米リミックスじゃなくオリジナルに限るよね」という方なら「コレだよ、コレ!」とニヤニヤが止まらなくなる仕上がりです。再録スタジオ・アルバムとしても楽しめる超本気リハ そんな最高峰更新クオリティで甦った超絶サウンドボードは、本番コンサートともひと味違った「半スタジオ作品」。スタッフやメンバーに指示を出すカヴァデールの現場監督ぶりも面白いですが、肝心要の演奏が素晴らしい。リハーサルというとぬるい演奏が相場ですが、本作は貴重な例外。最終のランスルー段階で楽曲が既に身に染み込んでおり、録音している事もあってか全員本気モード。さらに無観客で演奏に全神経を注ぎ込んでいる集中力が強烈で、ある意味で本番よりもシリアスなくらいです。そんなスタジオ作品のような本気の演奏で綴られるのは、クラシック白蛇のグレイテスト・ヒッツ+α。つまり「新生WHITESNAKEによるベスト盤」なのです。そして、スタジオ作品として見ると一層聴き逃せないのがドラムソロ。コージー史上、もっとも壮麗だった「633爆撃隊&1812年」バージョンのスタジオ録音(!)なのです。最後に、そんなベスト選曲の内容もチェックしておきましょう。セインツ・アンド・シナーズ(3曲)・Rough An' Ready/Here I Go Again/Crying In The Rain その他(6曲+α)・ラヴハンター:Walking In The Shadow Of The Blues/Love Hunter・フール・フォー・ユア・ラヴィング:Ready An' Willing/Fool For Your Loving(ギター&ベース・ソロ)・その他:Don't Break My Heart Again/キーボード・ソロ/ドラムソロ(633爆撃隊&1812年)/Ain't No Love In The Heart Of The City メル・ギャレイは1978年の白蛇結成前夜にバーニー・マースデンよりも先に声を掛けられた本命ギタリストでしたし、コージーは1979年にイアン・ペイスよりも優先が上だった本命ドラマー。1982年の新生WHITESNAKEとは、実はカヴァデール&ムーディが最初に構想していた「本来のWHITESNAKE」と言えるのかも知れません。本作は貴重な舞台裏を垣間見るリハーサル・アルバムではありますが、同時にそんな新生WHITESNAKEによる再録スタジオ作品としても楽しめるのです。第一級の資料としても、純粋に音楽アルバムとしても最高なサウンドボード・アルバム。その最高峰更新盤です。それこそ『SLIDE IT IN(のオリジナルMIX)』の姉妹作ともなる1枚。“SAINTS & SINNERS Tour”の通しリハーサルで記録された超極上ステレオ・サウンドボード録音。大元コージー・テープから再トランスファーされ、GRAF ZEPPELINの細密マスタリングで仕上げられた最高峰更新盤です。従来盤よりも高精度で、ナチュラル感も密度もアップ。わずかに右に寄っていたバランスも整えられ、コリン・ホジキンソンのゴリゴリ感も最高に気持ちイイ。貴重なリハを体験できるだけでなく、本気モードの演奏が詰まったスタジオ・ライヴ作品としても楽しめる絶対名盤です。カセットから新規でデジタル化のうえ最新マスタリング!★低域をいくぶん補強し、ドライブ感を増しています。位相修正。前回盤では若干右寄りになっていた定位が概ね補正されています。テープの切れる箇所は適宜違和感のないように編集処理されています。Studio Rehearsals for Saints And Sinners Tour November 1982 STEREO SBD(from Original Masters)*UPGRADE Taken from the original cassette tape (TDK SA-C90) belonged to Cozy Powell (72:35) 01. Walking In The Shadow Of The Blues 02. Rough An' Ready 03. Ready An' Willing 04. Don't Break My Heart Again 05. Here I Go Again 06. Love Hunter incl. Micky Moody Guitar Solo & Colin Hodgkinson Bass Solo 07. Crying In The Rain 08. Jon Lord Keyboard Solo #1 09. Jon Lord Keyboard Solo #2 10. Cozy Powell Drum Solo feat. 633 Squadron & 1812 Overture 11. Ain't No Love In The Heart Of The City 12. Fool For Your Loving David Coverdale - Vocals Mel Galley - Guitar, Vocals Micky Moody - Guitar, Vocals Jon Lord - Keyboards Colin Hodgkinson - Bass Cozy Powell - Drums STEREO SOUNDBOARD RECORDING