私たちがよく知る“ROCK & ROLL OVER Tour”とも、普段の“LOVE GUN Tour”とも異なる特別ライヴアルバムが登場。KISS史の穴場ショウをフル体験できる名録音が永久保存決定です。そんな本作に吹き込まれているのは「1977年7月12日モントリオール公演」。その一部紫綬を真空パックした絶品オーディエンス録音です。1977年と言えば、3つのツアーが次々と入れ替わっていった時期。まずは、当時の活動概要を俯瞰しながら本作のポジションを探っていきましょう。“ROCK & ROLL OVER Tour”・1月1日ー3月7日:北米#1(38公演)←※MSG FEBRUARY 1977・3月24日ー4月4日:初来日(10公演)←※COMPLETE BUDOKAN 1977他 “LOVE GUN Tour”・7月8日ー9月5日:北米#2(30公演)←★ココ★ “ALIVE II Tour”・11月15日ー12月31日:北米#3(27公演)←※LARGO 1977 これが1977年のKISS。当店では各レッグを名作でアーカイヴしておりますが、伝説の初来日と並んで多産なのが“LOVE GUN Tour”でもあります。さらに日程をフォーカスし、当店のプレス名作コレクションを整理しておきましょう。“LOVE GUN Tour”の詳細《6月30日『LOVE GUN』発売》・7月8日+9日(2公演)*7月12日:モントリオール公演 ←★本作★・7月14日ー8月13日(15公演)*8月16日『SAN FRANCISCO 1977(SBD)』・8月17日ー22日(4公演)*8月26日『L.A. FORUM 1977 1ST NIGHT』←※ALIVE II収録日・8月27日イングルウッド公演 ←※ALIVE II収録日・8月28日イングルウッド公演 ←※ALIVE II収録日*9月1日『HOUSTON 1977 1ST NIGHT(映像)』*9月2日『HOUSTON 1977 2ND NIGHT(映像)』*9月4日+5日『FORT WORTH 1977(SBD)』《9月13日ー16日『ALIVE II』スタジオ作業》……と、このようになっています。プロショット『HOUSTON 1977』シリーズやサウンドボード名盤『SAN FRANCISCO 1977』等、錚々たる傑作群がひしめいているわけですが、本作のモントリオール公演はそれらよりもグッと遡ったツアー極初期の3公演目でした。この「極初期」がポイント。KISSは固定セットにしがちなバンドですが、ツアー開始直後にはいろいろな試みを試すことがある。本作は“LOVE GUN Tour”の定番セットが固まる前のレア・セットが楽しめるのです。特に曲順が重要ですので、セクション毎に順を追ってご紹介していきましょう。スタート部(2曲)・Detroit Rock City/Take Me 一番「アレ?」となるのが開演パート。“LOVE GUN Tour”の標準セットでは「I Stole Your Love」で開演するのですが、初期セットは上記2曲を畳みかけてくる。この流れは初来日と同じであり、言わば“ROCK & ROLL OVER Tour”スタイル。思わず日付を二度見したくなるオープニングなのです。メイン部(前半7曲)・Calling Dr. Love/Hooligan/Love Gun/Firehouse/Ladies Room/Christine Sixteen/I Stole Your Love 頭2曲は初来日を彷彿とさせますが、その後は一気に独自色。『LOVE GUN』の新曲群を盛り込んでくるのです。曲のセレクトは“LOVE GUN Tour”の標準セットと変わりませんが、曲順は豪快に違う。上記と『SAN FRANCISCO 1977』辺りを比べて頂ければ、かなり雰囲気が異なっているのがご想像頂けるのではないでしょうか。この流れこそ、初期セットでも一番新鮮なパートです。メイン部(後半3曲+エース・ソロ)・Shock Me/エースのソロ/I Want You/Makin' Love 独自ムードで突き進んできたショウが“LOVE GUN Tour”っぽくなるのが後半に差し掛かった辺り。エースのソロ・タイムがあるわけですが、その前後を「Shock Me」「I Want You」が挟む。この流れは後の“LOVE GUN Tour”の定番としてお馴染み。ただし、その後に「Makin' Love」が受ける流れは独得。“ROCK & ROLL OVER Tour”では「Do You Love Me」がその役を担い、“LOVE GUN Tour”の標準セットでは「Calling Dr. Love」でした。終盤(5曲+ジーン/ピーター・ソロ)・ジーンのソロ/God Of Thunder/ピーターのソロ/God Of Thunder (reprise)/Rock And Roll All Nite/Shout It Out Loud/Beth/Black Diamond さて、ショウはジーン/ピーターのソロ・タイムを挟みながら必殺曲ラッシュへと突入します。ここでは再び“ROCK & ROLL OVER Tour”ムードが復活。セレクトも曲順も初来日とそっくり同じでして、冒頭パートと同様に「ココは日本?」と錯覚しそうになるハイライトなのです。独得なセットが面白くて申し遅れましたが、そんなフルショウを伝える本作はサウンドも絶品。いつものように当店の独自ルートでもたらされたベスト・マスターでして、とにかく芯が力強く、猛烈クリアでディテールまで繊細。「まるでサウンドボード」と呼ぶほどド密着でもないのですが、あまりにもくっきりしているためにオーディエンスっぽくもない。広大な盛り上がりを感じさせつつも耳障りな間近声のない観客と合わせ、「ちょっとエコー成分の強めなFM放送」と言った感じなのです。開演もハイライトも“ROCK & ROLL OVER Tour”風でありながら、新曲もたっぷり。まるで「LOVE GUNナンバーをぶち込んだ初来日」のようなフルショウを楽しめるライヴアルバムです。ツアー初期だけの激レア・セット。「1977年7月12日モントリオール公演」の絶品オーディエンス録音。当店の独自ルートでもたらされたベスト・マスターは芯が力強く、猛烈クリアでディテールまで繊細。まるでFM放送のようなくっきりサウンドで、「Detroit Rock City」で開演しつつ、『LOVE GUN』ナンバーもたっぷりという、ツアー初期だけの激レア・セットが楽しめます。Montreal Forum, Montreal, Quebec, Canada 12th July 1977 TRULY PERFECT SOUND UPGRADE (78:15) 1. Introduction 2. Detroit Rock City 3. Take Me 4. Calling Dr. Love 5. Hooligan 6. Love Gun 7. Firehouse 8. Ladies Room 9. Christine Sixteen 10. I Stole Your Love 11. Shock Me 12. Ace Frehley Guitar Solo 13. I Want You 14. Makin' Love 15. Bass Solo 16. God Of Thunder (reprise) 17. Peter Criss Drum Solo 18. God Of Thunder 19. Rock And Roll All Nite 20. Shout It Out Loud 21. Beth 22. Black Diamond