78年ツアーの定番音源、プレFMマスターの決定版!さらにエリック・クラプトンでお馴染みのイギリス在住重鎮テーパーからもたらされたマスターは、78年のライブ音源としては最も有名な「キング・ビスケット・フラワー・アワー(KBFH)」のプレFM放送ステレオ・サウンドボードソースのロウジェネマスターです。同内容の既発盤は存在しますが、本作のマスターはイントロが既発よりも35秒長く、全体的にラジオ放送特有のイコライズ感もありません。従って既発盤とは完全別のマスターであることがお分かりいただけると思います。音質は抜群のクリアさとサウンドバランスを誇るオフィシャル並みのステレオ・サウンドボード録音で文句なし。クラプトンのギターとディック・シムスのキーボードが右、ジョージ・テリーのギターとマーシー・レヴィのボーカルとハーモニカが左、クラプトンのボーカル、ベースとドラムがセンターというミックスです。非常に広がりのある音像で、ドラムは、タムが高音から低音に向けて右から左へ流れていくミックスがダイナミックです(オープニングナンバーのみ、マーシー・レヴィのアコギが右にミックスされています)。「KBFH」の放送用には、78年2月11日と12日の2日間のコンサートがレコーディングされましたが、放送用マスター制作後に流出したのは12日のマスターでした。その大元となったマスターリールをコピーしたものが本作のマスターなのです。2日間レコーディングされていたことは、オフィシャルライブコンピレーション4CDボックス「CROSSROADS 2」で確認できます。このボックスには、このFMマスターからのテイクが収められていますが、そのクレジットには曲によって「2月11日」と「2月12日」の両方が記されています。つまり1日だけのレコーディングではなかったことがオフィシャルで証明されているわけです。当店が検証した結果、「CROSSROADS 2」で「2月11日」とクレジットされた曲は、明らかに本作の同曲とは別テイクでしたので、本作は「2月12日」のフルステージを完全収録した最長最良マスターであることは間違いありません。最高のパフォーマンスを披露した「スローハンドツアー」の代表的音源!ではここで、この全米ツアーがクラプトンの活動上どのような位置付けになっていたのか、この年のトピックをおさらいしてみましょう。≪1977年11月1日:アルバム「SLOWHAND」リリース≫・1978年2月1日~4月19日:全米ツアー ←★ココ★・1978年6月23日:オランダ、ロッテルダムでのフェスティバルにボブ・ディランバンドと共に出演・1978年7月1日~7月15日:短期ヨーロッパツアー(ボブ・ディランとのフェスティバル出演を含む) ≪1978年8月~9月:アルバム「BACKLESS」のレコーディング≫ 前年11月1日にリリースされたアルバム「SLOWHAND」は、第1弾シングルとしてカットされた「Lay Down Sally c/w Cocaine」が全米シングルチャート2位まで上り詰める大ヒットで勢いづき、アルバム自体も全米アルバムチャートで第2位を記録する大ヒットとなりました。その勢いを駆ってのプロモーションツアーがこの全米ツアーでした。この時点では、アルバムに参加したイヴォンヌ・エリマンはソロキャリア進出のためバンドを脱退し、マーシー・レヴィが紅一点となっていました。この布陣での2ヶ月以上に及ぶ長期ツアーだったことを見れば、ここがクラプトンの勝負どころだったと言えるでしょう。その後は断続的にツアーは継続されますが、7月で終了、すぐにクラプトンは次作「BACKLESS」のレコーディングに臨みます。そういう意味では、既に本ツアー開始時にはアメリカのファンはアルバムを購入済みで、「SLOWHAND」は大ヒット、その楽曲のライブでの披露を楽しみにしているという状況でした。従ってクラプトンにとっては「アルバムのプロモーション」というよりも、「大ヒット御礼」のツアーという様相を呈していたと言えるでしょう。そして大歓迎された本ツアーの序盤に当たっていたのが本サンタモニカ公演でした。当該アルバム収録全9曲中、7曲もセットインさせていることから、クラプトンもアルバムの高評価を認識していたと思われます。ロマンティックなオープニングとして据えたインストナンバーPeaches and Dieselでのメインフレーズのプレイでクラプトンがやや精彩を欠くという残念な始まり方を見せますが、以降は盤石のパフォーマンスを披露していきます。アルバムでもハードエッジなナンバーだったThe Coreは、タルサ・トップスの高度なテクニックとグルーヴ感たっぷりの演奏がライブでも見事に決まっていますし、Cocaineでは二度に亘るクラプトンのシャープなソロが聴けます。この曲のエンディングでは、今では大定番となったオーディエンスの大合唱で終わるという姿からは程遠い、初期ならではの初々しい終わり方になっています(メインリフを繰り返して、ジャーンと終わります)。全編で弾き捲っているクラプトンですが、なぜかLaylaの後奏はジョージ・テリーに任せているのが残念なところ。この後テリー(とマーシー)を解雇してバンドを4ピースにしてしまうクラプトンですので、ひょっとするとこの時点で既にその方針を決めており、テリーへの餞(はなむけ)がLaylaでのソロフィーチュアだったのかもしれません。「SLOWHAND」収録曲大フィーチュア大会だった本ツアーのもう一つの特徴は、クラプトンが当時傾倒していたカントリー&ウェスタンのナンバーを好んで取り上げていたことです。「SLOWHAND」にも収録したWe're All the Wayを始め、Rodeo Man、さらにはアンコールでYou'll Never Walk Aloneを演奏するなど、当時のクラプトンのステージ衣装でも、テンガロンハットを被り、チェック柄のチョッキを着た、カウボーイ然としたものであったように、カントリーアーティストのドン・ウィリアムスとの親交を深め、アメリカ土着の音楽に惹かれていた時期でした。そんな中、演奏されたアンコールのBottle of Red Wineが新鮮でした。恐らく前年のジャパンツアーで取り上げて、その感触が気に入ったことから継続したのでしょうが、こうして聴くと、改めて佳曲だと思えます(終盤のコーラスパートはいささか悪ふざけ気味ですが)。クラプトンは最後まで張り切って、シャープなソロを二度聴かせます。全体ではギターもボーカルも絶好調のクラプトンがここにいます。時期的にはアルコール中毒が進行中だった頃ですが、クラプトンのアルコール度数は低く、きちんとプレイした充実の日だったと言えるでしょう。初登場ロウジェネマスターで聴く「スローハンドツアー」の決定版が本作です。音質は抜群のクリアさとサウンドバランスを誇るオフィシャル並みのステレオ・サウンドボード録音で文句なし。大元のテープに書かれていた通り、本当に「2月12日完全版」Santa Monica Civic Auditorium, Santa Monica, CA, USA 12th February 1978 STEREO SBD(from Original Masters) UPGRADE & LONGER!!! Disc:1 (70:06) 1. Intro ★既発より35秒も長い 2. Peaches and Diesel 3. Wonderful Tonight 4. Lay Down Sally 5. Next Time You See Her 6. The Core 7. We're All the Way 8. Rodeo Man 9. Fool's Paradise 10. Cocaine 11. Badge 12. Double Trouble 13. Nobody Knows You When You're Down and Out Disc:2 (57:56) 1. Let It Rain 2. Knockin' on Heaven's Door 3. Last Night 4. Key To The Highway 5. Goin' Down Slow / Ramblin' on My Mind 6. Layla 7. Bottle of Red Wine 8. You'll Never Walk Alone STEREO SOUNDBOARD RECORDING Eric Clapton - Guitar / Vocals George Terry - Guitar Dicks Sims - Keyboards Carl Radle - Bass Jamie Oldaker - Drums Marcy Levy - Backing Vocals