ジミヘンとエクスペリエンス1967年のBBCラジオ出演の新たな集大成のリリースを記念し彼らのラストライブ、ちょうどBBC音源とは対をなす時期の歴史的な音源を収録したCDを用意しました。ロックの新しい時代を切り開いたジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスの人気は1969年に絶頂を迎えます。しかし66年のデビュー時からの過酷なツアーやレコーディングの中でエクスペリエンスとの活動そのものに限界を感じていたジミはその膨れ上がる人気とは裏腹にエクスペリエンスの解散を画策。しかしトリオ内で話し合いを行うことなく、この日のショーの最中に解散を明言、さらにライブ後にマスコミから「バンドを抜けたと聞きましたが」と質問されたことがきっかけとなってノエルが脱退する形でエクスペリエンスは終わり迎えたのでした。この歴史的な一日は古くからオーディエンス録音が存在し、なおかつ唯一の記録として古くは『THE WINK OF AN EYE』や『BLACK ELVIS PLAYS AMERICA』といったアイテムがリリースされていました。さらに十年前には公式のYouTubeチャンネルにて本音源の公開が実現していますが、それらは一様にジェネ落ちやピッチの問題を抱えたまま。しかし今回はジミの音源サークル「ATM」が発掘した1st Genコピーから収録かつピッチも正確という最良バージョンというゴージャスなCD。もっとも音質は69年という年代を感じさせるビンテージ・オーディエンスの典型でありライブ終盤「Star Spangled Banner」が二分半を過ぎた辺りからドロップアウトが始まって「Purple Haze」が少ししか捉えられていないという持病は1st Genという状態でも変わりません。とはいえさすがに1st Gen&ピッチが正常という安定感は抜群で、先に挙げた過去のリリースと比べてはるかに聞きやすい状態となっています。それどころかジェネ落ちをイコライジングでごまかしたのにピッチは低いままという残念な状態で公開されて十年以上が経っている公式バージョンとは比べ物にならないほど。ライブ自体は公式リリースされた二か月前のLAフォーラム同様「Tax Free」から幕を開けるものの、その後はまるで違う展開に。その自由奔放なジミのプレイは「これが最後なんだから好きにやらせてもらうぜ!」と言わんばかりな雰囲気。公式ですら本音源を流用したことからも解るように、この日はサウンドボードの類が存在しません。それどころか現在に至るまでこれが唯一の記録なのです。そしてジミの音源サークル「ATM」も活動を停止してしまった現在、この貴重すぎるエクスペリアンス最後のステージをベストな状態で収録。 Mile High Stadium, Denver, CO, USA 29th June 1969 Last Show with Noel Redding (63:22) 1. Tuning 2. Tax Free 3. Hear My Train A Comin' 4. Fire 5. Spanish Castle Magic 6. Red House 7. Foxey Lady 8. Star Spangled Banner 9. Purple Haze Jimi Hendrix - Guitar, Vocals Noel Redding - Bass Mitch Mitchell - Drums