世界中のマニアから称賛を浴び続けて無事完遂された『HACKNEY DIAMONDS』ツアー。その前半戦の締めくくりと呼べたのがニュージャージー2Days。二日目に関しては当初から音質の良さがマニアの間で話題を呼んだ高音質オーディエンス録音を元に『NEW JERSEY 2024 2ND NIGHT』としてお眼鏡にかなって大好評リリース中です。その点ニュージャージー初日に関して最初に出回ったオーディエンス録音に関しては音像が遠めの録音音状態が仇となって最速リリース止まりとなっていました。何しろ二日目があれほどの高音質だったことから歯がゆい状況が続いてしまっていたのですが、ニュージャージー初日もライブから時間を経過したタイミングで遂に極上オーディエンスが登場。ようやく二日目に負けないクオリティで楽しめるようになったのです。ライブが行われるそばから高音質オーディエンスがポンポン量産されてきた今回の中では不遇だったニュージャージー初日だけに、世界中のマニアが歓喜の声を上げる姿が目に浮かぶかのよう。実際その音質は素晴らしく、音像が近い上に音質そのものが実にクリアー。これほどの録音クオリティであればリリースに際して余計な手を加えることもなくリリース一択というレベル。今回のツアーはストーンズの演奏の充実ぶりを反映したかのごとくクオリティの高い音源が居並ぶというパターンが今回もまた証明される結果となったのでした。そもそもリリース時から定評のあったこの日の演奏の素晴らしさ。既にツアー序盤からショーを重ねるごとにどんどん演奏内容が良くなっていった今回のツアーでしたが、この辺りで完成の域に達していたことが今回の極上オーディエンスから改めてリアルに感じられる。当初に出回った音像の遠めな音源ですらそれが感じられただけに、こうして音像が近くなるといよいよ確かなものに。もしこれが音像が近くなって演奏の粗が目立ってしまうならお粗末サマですが、より演奏の素晴らしさを実感できるのが今回のストーンズらしいところ。その最たる例が本ツアーにおける初披露バージョンだった「Shattered」。ミックの歌とスティーブのドラム阿吽の呼吸が聞いていて本当に気持ちいい。これはその後の披露でさらにエスカレートしていった訳ですが、既にこの時点でも十分な素晴らしさ。さらに今振り返ってみればこの日はライブ前半にまとめて演奏される新曲群がどれも完成の域に達しているのもニュージャージー初日の特徴だと言え、「Angry」と「Mess It Up」のどちらもツアー開始直後に散見された危うい感じや勢いの足りなさが払拭され、これぞ『HACKNEY DIAMONDS』ツアーならでは…という進化を感じさせてくれたのもこの日からだったのではないかと。そしてリリース時から圧倒的だったミック大爆発のフィナーレ「Satisfaction」。その音像が遠めなオーディエンス録音からも衝撃的なまでにハイテンションな様子が感じられたものでしたが、今回のグッと近くなった音像で聞くと改めて名演だとしか言いようがない。曲がエンディングを迎えるに当たって「ガッタガッタ」と連呼するミックを聞いていると「40歳くらい若返ったのでは?」と錯覚しそうになるほど圧巻の盛り上がり。あるいは60年代ストーンズのライブ盤『GOT LIVE IF YOU WANT IT!』の彼が舞い降りてきたのか?と思えるほどの熱唱に改めて圧倒されること間違いなし MetLife Stadium. East Rutherford, NJ, USA 23rd May 2024 TRULY PERFECT/ULTIMATE SOUND NEW SOURCE!! Disc:1 (59:33) 1. Intro 2. Start Me Up 3. Get Off of My Cloud 4. Shattered 5. Angry 6. It's Only Rock 'n' Roll (but I Like It) 7. Wild Horses 8. Mess It Up 9. Tumbling Dice 10. You Can't Always Get What You Want 11. Band Introductions 12. You Got the Silver 13. Little T&A Disc:2 (56:54) 1. Sympathy for the Devil 2. Honky Tonk Women 3. Miss You 4. Gimme Shelter 5. Paint It Black 6. Jumping Jack Flash 7. Sweet Sounds of Heaven 8. Satisfaction