傑作『HACKNEY DIAMONDS』リリース後に行われた初のツアーは7月21日のリッジデイルで千秋楽を迎えて無事に終了しました。スティーブ・ジョーダン加入後における最高のツアーといってもいい大成功を収めたツアーに相応しく、今回はハイレベルなクオリティを誇るオーディエンス録音が面白いように現れてくれ、結果としてほとんどの公演のリリースが実現するほどの活況をみせました。ツアー最終日のリッジデイルに関しても当たり前のように極上オーディエンスが登場。その音質がまた実に見事なレベル。今回のツアーの碇石である「音像の近さ」は言うまでもなく、何より厚みのある音質が素晴らしい。これほどのクオリティであれば迷わずリリースが決定!たまにテーパーが動いてしまい、音像が揺れる個所がごくわずかに見受けられるのですが、それとて微塵なこと。これほど極上レベルのオーディエンス録音であればマニアから初心者まで文句なしに楽しめるクオリティであることを保証します。それが世界中のマニアから激賞されたツアーの最終日ともなればなおさら。最終日に相応しくミックを始めとしたストーンズの面々はエンジン全開なのですが、バンクーバーに続いて披露された「Street Fighting Man」の力強い演奏ぶりだけでもツアー最終日らしさがひしひしと伝わってくる。しかも音質が非常に良いものだから、なおさら聞いていて嬉しくなるような活気のある演奏ぶり。今回のツアーはセトリの絶え間ない変更も話題を呼んだものですが、この曲がツアーで二回しか演奏されなかったというのも今回の攻めな姿勢を現わしているかとしかし何と言ってもこの日のセトリで特筆すべきは普段なら日替わりで演奏されていた二つの新曲「Mess It Up」と「Whole Wide World」がどちらも一度に披露されるという非常に豪華な展開。これぞニューアルバム『HACKNEY DIAMONDS』を引っさげて初めて実現したツアーの最終日に相応しいものといえ、しかもその演奏がどちらも勢いに溢れていて実に素晴らしい。本当にニューアルバムのリリースという効果が絶大であったように思えてなりません。さらに今回のツアーでスティーブならではのライブ・バージョンを確立できた感のある「Midnight Rambler」も絶品。序盤から煽るミックにスティーブが見事について行っており、2021年や22年の彼からは考えられないような曲に入り込んだドラミングで遂にスティーブならではのバージョンが完成。今まで唯一の関門といってもおかしくないこの曲これからの発展が本当に楽しみになってきました。ちなみにライブ終盤では「Paint It Black」を始めようとしたところでキースがギターを交換というハプニング。その場を繋ぐべくバンドが軽くジャムっぽい演奏を始めているのがレアなであると同時に、これまたツアー最終日らしい余裕を感じさせる場面でもありました。このように音質が非常に良いというだけでなく、演奏内容も全体を通してツアー最終日に相応しい充実の一日。結果として大成功に終わったストーンズ最新ツアーの千秋楽を最高の音質で楽しめる極上のオーディエンス・アルバムです。これはマニアでなくとも必聴の名録音かつ名演!Thunder Ridge Nature Arena, Ridgedale, MO, USA 21st July 2024 TRULY PERFECT/ULTIMATE SOUND Disc:1 (64:11) 1. Intro 2. Start Me Up 3. Get Off of My Cloud 4. Tumbling Dice 5. Angry 6. Let It Bleed 7. Street Fighting Man 8. Whole Wide World 9. Mess It Up 10. You Can't Always Get What You Want 11. Band Introductions 12. You Got the Silver 13. Little T&A 14. Before They Make Me Run Disc:2 (68:45) 1. Sympathy for the Devil 2. Honky Tonk Women 3. Midnight Rambler 4. Gimme Shelter 5. Paint It Black 6. Jumping Jack Flash 7. Sweet Sounds of Heaven 8. Satisfaction 9. End of Show Fireworks